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夏の氷のおばさま

 今日はとくに暑いから魔法がうまく出せないかもしれない。
 寝汗をかいていた。午前八時、日はすっかり昇って、外ではパトカーがサイレン鳴らして走っていた。その音に引っ張られるようにして、昨日帰り道で見たハッコウフグの群れが夜空を泳ぐ景色を浮かべたけれど、その光景はもう過去の映像で、太ももや腕にかいた汗のぺたぺたとした不快感に体を起こした。

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