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音楽情報誌 Jupiter

何事も「好き」が詰まったものはいい。
作り手の「好き」や「こだわり」が自ずと伝わってくるものである。

私が愛読する住友生命いずみホールさんの「Jupiter」もその一つだ。
全12ページに「好き」と「こだわり」がひしめき合っている音楽情報誌である。

住友生命いずみホール音楽情報誌Jupiter 2022 4・5月号

開いてP2〜P5は主催公演を軸に毎回、「クラシック音楽」に関してクラシック界の巨匠から新進気鋭の若手まで幅広くインタビューや取材を行いアプローチを試みる特集面
このページを読むとついつい取り上げられている曲や作曲家たちを聴いてみたくなる。
私がモーツァルトを好きになったのも実はこの雑誌がきっかけだ。

次に毎年度、工夫が凝らされた音楽の耳だけではない楽しみ方を教えてくれる自主連載がP6にあり
その隣のP7には漫画家IKEさんによるユニークで可愛らしい毎月連載が飾られる。
IKEさん連載は、今年度の「シューベルティアーデ」も堀朋平先生の解説とともに1ページ連載とは思えぬボリューム感であるが、モーツァルト推しの私には昨年度の「モーツァルトのさんぽみち」が胸をドンズバ。その可愛さと充実の内容に悶絶してしまった。(モーツァルトの人生を地図で振り返る、というもの。史実や小ネタがぎっちりと詰まっている)

そしてP8、9にホール連載やお知らせページが続き
P 10、11は毎年度テーマを決めての年間連載となる。
こちらも昨年連載されていた小宮正安先生の「タイムトリップ・モーツァルト」が最高に面白い連載であった。
モーツァルトを全6回すべて「音楽」以外の切り口で解剖していく内容だが
当時の西洋の歴史と比べつつモーツァルトが成したこと、彼に起こったことがどういった意味を持ちどう影響を及ぼしていたのか見開きに中で縦横無尽に解説される。
さらに昨年は小宮先生が夏頃にNHKラジを曲でモーツァルトを解説されていたことも相まってさらに深化して楽しむことができた。

2021年 12・1月号より P10、11面お宮先生連載

最後、裏表紙はホールアドバイザーの堀朋平先生の連載で締め括られる
透明感があり優しいリズムの文章だが茶目っ気もたっぷりで隔月の密かな楽しみの一つだ。
音楽のみならず本や映画にとそのアンテナの広さに脱帽する。
(先月も早速お薦めされていた本を一冊読んだ)

フリーペーパーとは思えぬ充実の内容、大阪にお住まいの方であれば
情報誌を一度お手にしてみてはいかがだろうか。

まさに自分の知らない深い世界が音楽と共に待っている。

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