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絶景!滑稽!なにわ百景!@大阪歴史博物館〜1〜

さるGW前半、大阪歴史博物館で開催されている浮世絵企画展、
「絶景!滑稽!なにわ百景!」へ 足を伸ばしてきた。

天気は恵まれ晴天。
青々とした空の下、歴史博物館の前に設置された高床式倉庫が神々しく我々を迎える。
当時からこの規模の建物を建設できた技術に感服。
古墳時代の床下を吹き抜ける都会の風にそよがれながら会場を待つ。

展示会ポスター、かわいい・・!

いざ、いざ、浮世絵企画展へ!
江戸時代の大阪をに浮世絵師たちの目を通して覗き見る展覧会。
タイトルの通り「絶景」は浪花百景で、「滑稽」は滑稽浪花名所で追っていく。

私個人のお目当ては耳鳥斎、大坂が生んだ希代の戯画絵師だ。
以前ハルカス美術館で開催されていた「奇才展」で出会って以来
むっくりして柔らかいタッチのトリコ。。。
絶対、耳鳥斎おもろいおっちゃんや・・・。


展示は
序章 浪花名所をご案内
第1章 名所百花繚乱
第2章 創られる名所
第3章 名所で笑う
第4章 絶景を楽しむ〜展望名所と文明開化の新名所〜

といった構成。



■序章 浪花名所をご案内


入ってすぐ、江戸時代に頒布されていた観光用の地図が展示、
大阪府民なら誰しもが現代の様子と地図を比べてしまうだろう。
頭の中の現代の地図と展示されている江戸時代の地図がリンクして、
今も昔も変わらぬ名所、変わった名所に想いを馳せるも良哉、良哉。

大阪の七坂は以前「幻坂/有栖川有栖」を読んだ際にいてもたってもいられず
踏破したが、今は石碑のみが残る「浮瀬亭」が地図上にはしっかり残っているし
今も風情ある坂は当時から名物であったよう。
間違いなく美味しいものが食べられる今は食の名所、法善寺も
賑わいは違えど芝居小屋、人形芝居小屋が立ち並ぶ一大名所。
地図はなんとおすすめの観光ルートまで示してくれている。
このルート通りに今、大阪の街を巡っても十二分に楽しめる塩梅だ。

この地図、大阪の大商人が作成のよう、大阪の商い魂はかつても壮健である。

そこから地図に表された代表的な名所が広重北斎の作品が並び
当時の様子をしっかりと押さえることができる。
各地の観光地がこうやって名所案内の形で出版されているのも
いかに江戸時代庶民の暮らしが安定し、ゆとりあることを表している。
実際に足を運べずとも、画工の作品を通し旅気分を味わう人ももちろんいたことだろう。
スマホを片手にベットの上で海外旅行に想いを馳せる私たちと何の違いがあるのだろうか。


■第1章 名所百花繚乱


出たな!芳ファミリー!!
歌川芳雪、芳瀧そして歌川国員。(豊国門人か?)
江戸と上方の絵師合作の「浪花百景」!
まさに百花繚乱、競うように描かれた大阪名所はお見事!
中でもやっぱり芳雪はその構図に国芳の流れを強く感じる。・・・気がする。笑
浮世絵有識者の方の目に留まっては恥ずかしいので絵の品表はそこそこに、
大阪の活気はもちろん、風光明媚で静謐な風景に思わず「やるな、大坂」とこぼれ出てしまいそうになる。
度々現れる澪標を見て、古の和歌集の恋唄に想いを馳せたのかしらん・・
大坂人にそんな時間のゆとりはあるか?私はないで!

たっぷりの展示にもかかわらず、こちら3度の展示替えがあるという。
時間泥棒大阪歴史博物館・・・ニクイ!

(ちなみに、この浪花百景、調べてみたら原寸で本になっていた! 
 私が富豪だったら買ってたなぁ・・・・。)


■第2章 創られる名所


さすがの大坂人!作ってしまえと名所を拵えてしまう!
お上の公共事業で出てきた土を盛り上げて天保山に、
水の都、堀川沿には桜を植えて、
伝承があれば皆んな一度は来てみなさいと観光名所へ阿弥陀池。
天保山の工事には大坂の各町まちからのべ10万人も駆り出される大工事、
そんな大イベントを浪花のオモロがりが見逃すわけもなく
各団体が着た法被模様が一覧として残っているほど。
何事も「オモロく、楽しく」無駄のない、いい魂や。
しかしあまりの盛り上がり過ぎに江戸のお役人さんに叱られたそう・・・めっちゃ可愛い!

先程登場した「澪標」、古から「身を尽くし」と言葉遊びで恋唄によく登場する
大坂湾口のシンボルのようなものだが大阪人は愛でる余裕があるのか・・・
やっぱり、なかった!ただで風情を楽しむだけじゃあなくなんと「爪楊枝」にしてしまえ
グッズ化企画案が現存。
浪花の名プロデューサー、暁鐘成のご登場だ。
浪花の案内図はもちろんのこと、エロに掛ける想いも半端じゃない。
遊郭での過ごし方や楽しみを中国の天文書に準えた「無飽三財図」。
こんなもん、今見ても笑ってまうわ!ほんま敵わんおっさんや。


フロアは進み、別室へ・・・・
次記事に続きます・・・・・・・・


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