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#時代劇
思慕一途柳問答 10
皆さ、勇也を誤解してるよね。
勇也は大胆だし決断力もある。
判断は早い方だと思う。
でもさ、この人は意外と繊細なのよ。
だから物凄い早さで色々考えてる。
そして決めてる。
口では何と言ってても、約束した事は守る。
守れないとひどく落ち込む。
あたしがろくろ首に関わるな!って言ったから、今回はそのつもりに決めてたんだね。
だから澪さんが屋台に来た時、嫌な顔をしてたんだ。
深入りすると放ってお
天空凧揚げ合戦 13(完)
「儂が欲しかった物は貰った。」
「ああ?」
「お主の左手に握られた、これよ。」
半蔵はその手にした、秋月草太の左拳を見せた。
「な!」
慌てて見ると、草太の左手には拳が無かった。
血は流れてはいない。
斬撃があまりも早く鋭かったのだ。
まだ身体も脳も自身の異変に気付いてはいない。
「この珠よ。」
半蔵は拳を無理に開き、珠だけを取り投げ捨てた。
「この野郎!俺の手を!」
顔を真っ赤
天空凧揚げ合戦 12
動けば動く程、天狗が布に包まれていく。
「やったぜ!落ちやがる!」
「天狗が、、落ちる、、」
勇也と共に雪がその姿を見つめている。
あの天狗が、、兄貴の仇の天狗が落ちる。
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「舐めるなよ!伊賀者共があー!!」
月夜に何者かが吠えた。
何かが飛ぶ音がする。
木々の間から幾つかの呻き声がした。
そんな声がした枝のひとつに人影が立った。
「俺
天空凧揚げ合戦 11
林道の出口が近づくと、大きな松の木がほぼ平行に並んでいる。
その松を過ぎると、巨大な蛇の腹の中みたいな道が終わる。
そこを抜ける事は、江戸から吐き出される事だ。
暗闇から広い世界に投げ出される事だ。
身の安全の欠片も無い、戦さ後の世の中。
食うに食えず彷徨う者たちの根城。
だが雪はその世界に光があるのを知っていた。
あんなに辛くて江戸に来たのに、木々に遮られていた光が溢れると喜びを感じた。
天空凧揚げ合戦 10
雪の左から風が煽る。
天狗は少し後ろから、ゆったりと団扇を振り風を送ってくる。
団扇を振りその身体をクルリと回し、次に右に跳ね同じ事を繰り返す。
「馬鹿にしやがって、、雪の積もった山を走ってきた
あたしが、こんなもんで転ぶもんかあ!」
天狗が少し距離を詰めてきた。
雪が蹌踉けないのが面白くないのだろう。
なら団扇を強く振ればいい。
やはり飛びながら強い風を起こすには、様々都合があるのだ。