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ポエム【季節の移ろいと貴方】
〽[林檎の花ほころび
川面にかすみたち
君なき里にも
春は忍びよりぬ]
小さな声で口ずさみたい季節です。
![](https://assets.st-note.com/img/1707973246388-6i4KDFdcwg.jpg?width=800)
春 柔らかな光の季節
川の流れに陽射しが煌めく
川面に浮かぶ白い花
清純なオフェーリアのようだわ
![](https://assets.st-note.com/img/1707973373476-dCcFttLPfJ.jpg?width=800)
夏 向日葵は太陽の長女
貴方の横顔に目を留める
端正さの中に優しさが溢れる
神がその面を彫るとき
鑿《のみ》の手元が狂ったのか
完璧さに影を落とす頬の線
それは魅力的なスパイスとなり
出逢った人を魅了する
![](https://assets.st-note.com/img/1707973532911-Srlf760yGY.jpg?width=800)
秋 移り行く季節の儘に
緑の葉を残しつ
黄色から紅色へのグラデーション
彩り豊かに川面に映っていたわ
冬 凍りつくような寒さ
枯れ葉の下には
暖を共有する生き物たちが
静かに眠る
花達の蕾は新たな命を紡ぐため
恋人を守る如き萼片に抱かれる
![](https://assets.st-note.com/img/1708045487253-MvonOuVmmr.jpg?width=800)
屋内では暖炉に薪が組まれ
踊りながら薪に纏わり付く炎
暖かい!
貴方は私を抱き締め求めた
私の体から力が抜けて宙に浮く
緩やかさと激しさの愛の旋律を
長引かせ幸せな時は余韻を残して...
貴方は旅立って行った
春 冬に宿った新しい生命が
順調に育ちつつある喜び
時々、送られてくる便りに
例え幾年の四季が廻ろうとも
貴方を信じて待ち続ける
![](https://assets.st-note.com/img/1707973691118-NshKiMlIy8.jpg?width=800)
季節は巡り
沈丁花の香りから
初夏の鈴蘭の香りへと
夏のダリアの盛りも過ぎ
季節は秋の物悲しさを運び来る
ポインセチアが緑から
赤色に色付き始める晩秋
そして冬、
クリスマスイヴ
扉をノックする音が
サンタクロースじゃなく
貴方が立っていた
![](https://assets.st-note.com/img/1708210266220-zVp0JxkiC1.jpg)
貴方は私を失望させない
幼子を抱く私に
愛の眼差しを注ぐ貴方
貴方によく似た幼子に
優しい眼差しを注ぐ貴方
最高のプレゼントは
「君と家族を守って生きて行こう」
この一言に.....
翌春、貴方が建てた家には
幸せが溢れていたわ
幼子の笑い声が響き
自然の豊かさの中で
幸せを感じながら
共に働き送る日々
![](https://assets.st-note.com/img/1708209960018-VC5benhCwN.jpg)
貴方は私の愛する人
貴方は私に希望をもたらす
貴方の愛に包まれて
私は生きているわ
私の心に浮かぶ
過ぎ去りし様々な出来事
貴方に出会えた喜びも
予感もなく訪れる別れも
一葉の彩となり
心の壁に留まるであろう
![](https://assets.st-note.com/img/1708912833225-8dqqUX7kJC.jpg?width=800)
朱夏の日々に書き留めた空想詩集の中から
自身の好きなポエムの一つです。
街中から離れた田園風景、憧れの素朴な生活を夢見たポエムです。
2020年に別のSNSに投稿した作品に手を加えて。
画像も私の好きなピサロとモネの絵画を含めて。
ベートーヴェンの交響曲【田園】を聴きながら。