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既婚者でも恋愛したい/桐島聡死亡と墓場まで持って行く禁断の恋

桐島聡、死亡。今朝そんなニュースで目覚めました。
1974~75年の連続企業爆破事件に関与した過激派「東アジア反日武装戦線『さそり』」メンバー。
明治学院大学生の時に指名手配されて、それから50年の逃亡生活の果ての結末。
逃亡中は内田洋という偽名を使い土木会社で住み込みで働き潜伏生活、国民保険証もないために全額自腹で病院に通い、末期の胃がんで入院。
最後には良心の呵責から解りませんが、本名の桐島聡として死にたいと告白し、今回の発覚に至ったとのことです。
きっと、妻などもいない孤独な一生だったのでしょう。

彼の想いを推し量ることは、僕には決してできませんが
60~70年代前半の若者は、間違いなく日本を変えたい、この国の将来を憂いで本気で大人たちと対峙していたのだと思います。
それは現在の日本の若者とは大きく異なる思想文化であって、どっちが良いか悪いかなどではないでしょう。

そして、自分の犯した贖罪を墓場まで持っていこうという、気持ちはきっとあったんだと察します。
しかし、死に際に直面しその気持ちは揺らいだのででしょう。
墓場までは持っていけないと、判断しての告白だったのかと。

そんなわけで、僕の本題なんですが
既婚者でも出会いたい、恋愛したい、なんて気持ちは誰しも
心の中に隠し持っていると思います。
僕も既婚者ですが、複数の女性と陰で恋愛をしてきました。

当然、既婚者の恋愛、いわゆる不倫というものは
「墓場まで持っていく」ということは当たり前です。
その中でも、究極の墓場行きというのは
友達の妻との禁断の関係、NTRではないでしょうか。

そんな出来事が僕にもありました。
山本君(仮名)という、とても仲良くしてくれた友達がいました。
時代は90年代、若い子たちはバンドブームの波により、ロックバンドを結成しては売れたいと夢を見たもので、ご多分に漏れず僕もその一人でした。

そういったバンド仲間の一人が山本君で兄貴肌の彼は、友達を集めて飲み会を開いたり、稼ぎも少ない中お酒を奢ってくれたり、とても良い人でした。
その山本君には彼女がいて、舞子ちゃん(仮名)という大人しい美人の子でした。
やがて山本君と舞子ちゃんは結婚しました。
お金がないため、クラブでパーティー形式の手作り感が満載の結婚式で、僕も参加して二人の門出を祝いました。

時が経ちまして、それから十数年。
2008年ぐらいになったころ、風の噂で山本君と舞子ちゃんが離婚したと聞きました。
残念だなと僕は思いつつも、もう疎遠になっていたので、そこまで強い思いはなかったです。
そんなある日
昔からの仲間の田中君から飲みに行こうと誘われて、僕は新宿の居酒屋に行きました。

「あとで、もう一人来るから」
と田中君が言うので、誰が来るんだろう?と
僕は思っていました。
すると

「遅くなってごめんなさい!」
現れたのは、舞子ちゃんでした。
「え?なんで?」
僕はビックリしました。
「本田君、久しぶりだね」
どうやら、この田中君と舞子ちゃんは、ずっと友達としてつなっがっていて
この日に一緒に飲もうとなり、僕も誘われたという。

その日は、普通に楽しく飲んで帰宅しました。
当時は、SNSはあまり普及していなくて、僕はミクシィをやっていました。
そこにDMが入っていました。
舞子ちゃんからでした。

「本田君、昨日は楽しかった。また飲もうね」
と。。。
「そうだね、また飲もうね」
と返信すると
「来週空いてるよ、飲みに行かない?」
とんとん拍子で約束して、今度は2人きりで会うことになりました。
荻窪の居酒屋で会いました。
考えて見れば、友達の嫁なのでちゃんと話したことなんてありませんでした。

「舞子ちゃん、いま何やってるの?」
「いまは、ダンスとか勉強してるよ」
「そういうの興味あったの?」
「うん、離婚して自由になったから、したいことやってる」

山本君となぜ離婚したのか、とか聞こうかなと思ったんですが
それも野暮だなと思ってやめました。
せっかく大人の男と女が2人で、しっぽりと飲んでいるんですから
白けるような会話はしてもしょうがないなと思ったんで
なるべく、舞子ちゃんがどういう人なのかを、聞くような飲みに徹しました。

2人ともだいぶお酒が回ってきて、いい感じになってきました。
「私、マッサージ得意なんだよ」
と、突然舞子ちゃんは言い出しました。
「そうなの?じゃ、料金払うからマッサージしてほしい」
「やるよ!」
お酒の勢いなのが、僕がマッサージ料金を払うと言ったからなのか
それはわかりませんが、僕らは居酒屋を出て
自然にホテルに入りました。

最初は普通にマッサージをしてもらっていたんですが
ホテルに入った男と女です
当然関係を持ってしまい、朝を迎えました。

ホテルを出て一緒に歩きながら、舞子ちゃんは僕に言いました。
「昨夜のことは、誰にも内緒だよ」
と・・・。
僕も
「そうだね、誰にも言わないよ、約束ね」
と、言って別れました。

離婚したとはいえ、友達の元嫁を寝取ったわけですから
この出来事は墓場まで持っていかねばと
そう心に誓い、まぶしい朝焼けに目を伏せながら
僕は家路に帰る途中、吉野家に入り牛皿に瓶ビールで
昨夜の思い出をつまみに、一人で物思いにふけっていました。

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