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#4 邂逅

あなたになりたいわけじゃない
だけどあなたが好きだと言ったから
いつも読まない本にも挑戦したり
聴かない音楽に浸ったり
星空を眺めたりしている
どこに住んでいるのか
何歳なのか
どんな見た目なのか
何も知らないけれど
確かにわかるのは
私はあなたの声が好きだということ

あなたの思想に助けられ
あなたの価値観に惹かれた時から
私は確かに変わることができた
自分を好きになることができた
感謝の気持ちすら伝えられない
遠い遠い存在の人

駅前の横断歩道で
行き交う人々とビル群をみつめていると
あなたもこんなふうに
ぽっかり穴が空いた気持ちになることが
あるのだろうかと疑問に思う

列車に揺られながら
想像上のあなたと会話してみる
現実のあなたはそうは言わないかもしれない
それでもいい
ここは私の空想世界だから

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