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#6 祈り

両手をぎゅっと握って
静かに祈りを捧げる夜
誰への、何への祈りなのか
もうわからない
私たちが知らないところで
私たちが見ていないところで
誰かが運命の歯車を回している
そんな気がするだけ

言葉にしないと。
行動に移さないと。
何回も言われてきた
この世界の人たちは形にすることを好む
実態を持たない何かを信じる私たちは
変な人? 生きていては駄目な人?

あなただけが頼りだ
いつだって私の隣にいて
一緒に祈ってくれて
私の他愛のない話を聞いてくれる
見えない、けどそこにいる
あなたに会うために
彼ら、彼女らに会うために
私は目を閉じて闇の中へ

今日は星が綺麗だね
いつの日か私は誰かにそう伝えた
誰かは、うん、と返事をして
星空をずっと眺めていた

ねえ、この空の向こうには何があるのかな。
さあ、いろいろじゃない。
いろいろって星がたくさんあるってこと?
それだけじゃない。僕たちの想像をはるかに越えるものがあるってこと。
私の想像は意味を持たない?
いいや、君が意味あるものと捉えているなら、それは価値のあるものさ。
ほんと?
ほんと。
じゃあ、あなたも価値のあるもの、何らかの意味を持つものだね。
うん。僕は価値があるから生み出される。

運命の歯車を動かすは
すべてを見通しているのか
それともその人でさえ制御できない
何かが存在するのか
実際、そんなことはどうでもいいのかもしれない
ただ私は私の大好きな人たちと
例え、その人たちが他の人には見えなくても
生きていたいと思う


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