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JPHACKS2023優勝した話

はじめに

JPHACKS2023というハッカソンに参加して「革靴メンテなんです!!」というプロダクトを発表したところ、いわゆる優勝に当たる「Best Hack Award」という大変とんでもない賞を頂いてしまった
今年の日本一である
いや、日本一が俺でどうするw
当然ながら今までの人生で何かで日本一になったことなどなく、どうしたらいいのかさっぱりわからない
とりあえず一生これを擦り続けていこうとは思う(2005年にM-1優勝したことをいまだに言い続けているブラマヨばりに)
なんてことを考えていたら文章にしてみたくなり、気がついたらnoteに登録していた
せっかくなので公開してドヤっていくことにする


自己紹介的なもの

30代、社会人にして博士後期課程履修中
仕事したりギター弾いたり研究したり子育てしたりしているが、基本的には「ダメな大人」という分類で間違いない
紆余曲折あって同年代からは3年ほど遅れて社会人デビューし、おまけに修士をすっ飛ばして博士に進むという、一般的な人生のレールは完全に踏み外して今に至る
一応ソフトウェア系を専門としているが、情報科の出身でもなく全て社会人になった後に身につけたスキルで食い繋ぎながら生きている
これでもなんとかやっていけているから人生不思議なものである
断言するが真似はしない方がいい
個々のエピソードは書きたくなったらそのうち書くつもり

で、今回はJPHACKSのお話

JPHACKSとは

日本最大級の学生ハッカソンである
公式サイトをご覧いただければどえらい大会であることは何となくわかると思う
スポンサー企業様や後援陣の錚々たる面々たるや「公式感」がとんでもない

今年で10年目という節目だそうで、コロナ禍を乗り越えて久しぶりのフル対面開催だそうな
この規模を10年続けるのはとんでもないことだと素直に思う
イベントは続けることが一番難しい…(遠い目)

JPHACKSの大まかな流れは次の通りである

  1. まずはエントリー

  2. 次はLearning Sprint、これは参加自由ではあるがオンラインでチームビルドやアイディアソンの講座が1週間連続で開かれる

  3. 続いて二日間のHackDay、要するに地方予選だが、全国4箇所+オンラインの5会場で今年は10月28日、29日の土日に開催

  4. HackDayの最後にプロダクトの発表をし、所定の書式で成果物を提出したチームの中から15チームが選出されてAwardDayと呼ばれる決勝大会に進出する

  5. 決勝進出チームの発表から決勝大会までは約2週間のKaizenSprint期間が設けられ、この間にHackDayで作ったものを改良

  6. AwardDayで発表

そもそも地方予選があって厳選の末に全国大会に進む15チームが選ばれる、あたりで規模を察してほしい
本当によくこんな大会10年もやれるな…
後述するが、エントリーした際にはJPHACKSの予備知識が全くなかったので、なんとなく規模の大きそうな集まり、くらいにしか思っていなかった
正直、スポンサー陣とかも見ていない
でも本当にスゲーいい大会だったんで、これを読んで興味を持った人は気軽に参加してみてほしい

JPHACKS2023に参加したきっかけ

ノリ。
以上、それだけ
大学のメールボックスにどっかの誰かから告知メールが入っていたのを見て、冗談のつもりで参加した
「博士課程の人間がハッカソンなんかに出ちゃったりしてwwww」
と、本気で思っていた

ハッカソンはウン年前のバーチャルユーチューバーがグイグイ来ていた時に参加してみたVtuberハッカソン以来である
しかもそれにはエンジニアではなく音響兼構成作家として参加していた
JPHACKSなんて大きな大会に出てくるのは皆〇〇(※筆者の大学の同期で後のIPA未踏スーパークリエイター)みたいなやつだろうから、自分なんて全く箸にも棒にもかからないだろうし、久しぶりの学生生活を楽しむつもりで参加してみよう、くらいにしか思っていなかった

JPHACKSはチームでの参加を推奨しているが、個人参加を拒否しているわけではない
そのため、ちょっと出てみたいなーという大変迂闊な動機で参加しようとした際に、「個人参加」という選択は当然のことであり、何もマイナスな要素になり得なかった
逆に言うと個人参加でも優勝できる大会であることをここに強調しておく
※そもそも論として、この遊びに付き合ってくれる学生やってる友達なんて30代の自分には存在しない

何を作ったか

我々は「革靴メンテなんです!」というシステムを作った
まずはその概要をざっくりと説明する

「革靴メンテなんです!」はセンサーユニットとLINEアプリからなる革靴メンテナンスシステムである
革靴は主にフォーマルな場での着用が推奨されたり、営業職の方であれば日常的に履いていたりするだろう
我々のような技術者には若干縁遠いものでもある
靴である以上は履けば履くほど形が崩れたり臭いがついたりする

例えば、革靴を履いて一日中歩き回った翌日、革靴が臭った経験はないだろうか?
発汗と体温による靴の中の蒸れ状態を放置すると雑菌が発生して臭いが発生するのは広く知られた現象だと思う
また人の体温によって温まった靴は膨張し、脱いだあとは靴内の湿気が水滴に変わって冷やされ、急激に収縮する
これを繰り返すことによって靴は型崩れを起こす

この型崩れを防止するアイテムがシューキーパーと呼ばれる詰め物なのだが、これは木製なので、靴を充分乾燥させないで入れてしまうと、靴ばかりかシューキーパーごとくさくなるという悪循環が発生する
そもそもシューキーパー自体が木製なのは消臭効果を期待していたりもするそうだ
ただ、シューキーパーがくさくなればその消臭効果も下がってしまう
この問題を解決するのが今回開発した「革靴メンテなんです!」である
この絶妙なネーミングはチームメイトが付けたものだが、妙に気に入っている

「革靴メンテなんです!」の構成要素はセンサーユニットとLINEアプリだが、まずはセンサーユニットについて説明する

外観はこのような感じである

センサーユニット

靴に設置するとこう

センサーユニット設置

センサーユニットは靴内計測用と外気計測用の2つの温湿度計とファンからなる
センサーユニットを脱ぎたての革靴にセットすると靴内の温湿度と外気の温湿度の計測を開始し、靴内の蒸れを検知するとファンが回り始め、一気に靴内の空気を外の空気と入れ替える
この換気によってまずは靴内の湿気を追い出す
続いてそのままファンによって靴内の適切な乾燥と冷却を継続する

靴の乾燥開始と乾燥完了はセンサーユニットからサーバーを介してLINEアプリによりユーザーに通知される
靴の乾燥完了通知を受け取ったユーザーは革靴にシューキーパーを入れることで臭いの防止と型崩れの防止を両立させることができる

LINEアプリ外観

またサーバーサイドでは靴の乾燥開始通知を利用してその日靴が履かれたことを検知し、天候情報と共に記録する
これにより、その日の靴がどういう状況でどれだけ履かれたかのデータが得られ、靴磨きや清掃のタイミングをサジェストする機能へ活用する
靴の乾き具合もモニタリング可能でグラフで可視化できるようにし、所有している革靴が複数種類あってもいいよう靴一覧機能にも対応した
靴を履いた記録はユーザーのGoogleカレンダーと連携し、例えば革靴好き仲間と予定共有の形をとれば、自分がどれくらい革靴を育てたかドヤれるという素敵な機能もつけた

グラフ化機能
カレンダー機能

以上が今回開発したプロダクトの概要である

書きすぎた

さてここから先はJPHACKS参加した時の思い出や「革靴メンテなんです!」誕生の経緯、設計の詳細なんかをつらつら書いていく
と思って書いていたらどえらい文章量になったので、複数回に分けて投稿します
もう興味ねーよって方はスキ押してリターンいただいて構いません

最後に、これは一番大事なことですが、「革靴メンテなんです!」はこのJPHACKS優勝をきっかけに商品化と新しい領域への発展を目指して継続開発することが決まりました
もしこの記事を読んで面白いな、投資してもいいなと思われた石油王がいらっしゃったら是非ご一報ください
別に石油王に限りませんが、本当に投資いただける方が現れた場合は個人的に「石油王」と崇め奉ります



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