有機農業でつながる環境・地域・未来

 農林水産省が農薬と化学肥料を使う今までの慣行農業から、環境にやさしい有機農業に舵をきった。その流れを受け農林水産省の外郭団体である農研機構のシンポジウムが開かれた。

基調講演1 持続可能なフードシステムってなに?
 恵泉女学園大学、澤登さん。農業にもSDGsの視点が必要。これからの農業は生産技術だけでなく、社会的、経済的側面も考えて持続可能なものにしていく必要がある。

基調講演2 オーガニックビレッジとしての取組
 神石高原町、山村さん。農林水産省が有機農業を推進するためのパイロット事業として、オーガニックビレッジという制度を作った。神石高原町がオーガニックビレッジになって有機農業にどう取り組んでいるかを紹介。

基調講演3 農業が育む生きものたち
 農研機構、小林さん。日本では縄文時代後期から農業が始まったと言われる。人が自然とどう関わってたかを歴史的に検証し、生物環境と循環型社会について考える。

 このあとパネルディスカッション。やまぐち食育くらぶ西本さんの話がためになった。有機農産物を給食に取り入れる活動をやっていて、エシカル消費を取り入れている。エシカル消費とは、持続可能な未来を考え消費を行うこと。ここではエシカル給食と名付け、未来のためになるべく環境に優しい有機野菜を使っていきましょうというゆるいかんじ。このゆるさがポイント。有機野菜はまだ生産が限られており、給食に足りない場合は減農薬野菜を使う柔軟性を持っている。またエシカル給食の実施にあたっては、まず小さな学校で1日やってみましょうと教育委員会に提案し、ハードルを下げている。なかなかの戦略家だな。
 有機農業はSDGsと密接に関連している。SDGsが国連で採択されたのが2015年、ゴールが2030年。2023年ももう終わろうとしている。あと7年何ができるか、小さなことから考え行動していこう。これがエシカル消費ということか。
 

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