30万人の命を救い、別の30万人の命を奪う
「西浦36万人救った説」が波紋を広げています。
彼の脳裏には、実に40万人前後の日本人がウィルスに感染し、苦悶にのたうち回りながら次々と息絶えていく、おぞましい光景が浮かんでいたようです。
それを颯爽と登場したスーパーヒーロー西浦マンが「必殺ワクチンアタック」で救ったと。
……なんだか、「目も当てられない惨状」を心待ちしていたのに、それほど大勢が死亡しなかったことが「悔しくてならない」ような口ぶりに感じられるのは、私の性格がひねくれているからでしょうか。
被害が酷くなければ、せっかくの「英雄」もすっかり影がかすんでしまいます。何も起こっていないところにヒーロースーツをまとって登場しても、ただのコスプレマニアにしか見えませんものね。
ま、それはともかく、このブログで何度も
「コロナとワクチンの道は袋小路。どっちに進んでも必ず行き止まりになる」
と予言してきました。
今回もそうです。
仮に「西浦36万人救った説」が正しかったとすると、よけいに自分たちの首を絞めることに気づいていないのでしょうか(少なくとも、ひろゆき氏は気づいていない)。
皆さんご存じのように、我が国はこの3年間で優に30万人を超える「超過死亡」を生んでいます。
では、この30万人は、いったい何が原因で命を落としたのでしょうか?
もし「コロナ死」であるなら、当初の「西浦42万人予想」が見事的中したことになり、コロナは本当に「恐ろしい死の病」だったとなります。
ところが、西浦氏は「ワクチンがコロナから30万人超の命を救った」と主張しています。ということは、超過死亡の30万人は「コロナ以外の原因」による死亡なわけです。
最も強毒だったとされる最初の「武漢株」流行時、緊急事態宣言で行動自粛が行われ、人々は家に閉じこもってしまいました。院内感染を恐れ、持病のある人さえ受診を控えていました。
医療を受けるべき人たちの多くが医療を受けなかったわけですから、普通に考えれば死者数が増加しそうなものですが、現実は正反対でした。
高齢化によりそれまで順調に(?)増加していた超過死亡が、2020年はまさかの減少に転じてしまったのです。
「人々が医療を受けないと逆に死者数が減る」という皮肉な結果になったわけです(この点は、池田正行医師がずばっと指摘しておられます)。
その後、「クラスターを防ぐ」という名目で「町医者は発熱患者は断ってもいい」という風潮が広がり、診察を受けたくても受けられないことが常態化しました。「ぐあいの悪い人は病院に来るな」「元気な人しか病院に行けない」という三流のコントみたいな滑稽な(笑うに笑えない)状況が生まれました。
発熱患者は特定の医療機関だけが集中的に引き受けることになり、医療逼迫を招いたようですが、中には、ただちに手術室に運び込まなければいけないのに、「まずはPCR検査を受けてから……」と悠長なことをやっていたせいで手遅れになった方もいたようです。
もしコロナ信者が声高に叫ぶように、コロナ以外の死因が「医療逼迫」や「受診抑制(受診拒否)」によるものなら、この3~4年間のそうした医療マネジメントにこそ、大きな欠陥があったことになります。
町医者が従来どおり発熱患者を受け入れていれば、30万人の大半は助かったということです。
それは取りも直さず、恐怖を煽り過剰な自粛を推し進めた「専門家」ひいては「医師会」「厚生労働省」の責任です。
彼らのやり方が根本的に間違っていた結果、30万人もの超過死亡を出してしまったことになるのです。
とはいえ、単に医療逼迫だけで30万人もの死者が出るとは、とても考えられません。だとしたら、我が国にはいつ死んでもおかしくない「末期」のような人々が、常日頃からウジャウジャしていることになってしまいますから。
それに、「専門家」の皆さんも、自分たちのマネジメントが大失敗だったとは決して認めないでしょう。
となると、超過死亡の原因をまた別に求めなければなりません。
さて、超過死亡が生じる原因は主に3つあります。
①天変地異などの自然災害
②感染症の流行
③戦争
これらが不測の事態・イレギュラー要因となり、予測を上回る死者(超過死亡)を生むわけですが、皆さんもご存じのとおり、2019年以降、我が国では①も③も起こっていません。
②も、本当に「ワクチンが30万人の死亡を防いだ」のなら除外できます。
となれば、イレギュラー原因として考えられるのは、たった一つしかありません。
mRNAワクチンです。
誰がどう考えても、超過死亡の原因はこれしかないのです。
つまり、西浦説に基づいても、
新コロワクチンは新型コロナからは30万人の命を救ったが、代わりに別の30万人の命を奪った
あるいは
30万人はワクチンで先に絶命してしまったから、コロナにかかって死なずに済んだ
ワクチンは、本来コロナで亡くなるはずだった人を助けるのと引き換えに、コロナでは死なないはずの人の命を奪い去り、けっきょく差し引きゼロになった
と言い換えてもいいかもしれません。
でなければ計算が合いませんし、加えて
接種にシンクロして超過死亡が増減する
という極めて有力な「状況証拠」まであるのです。
ほらね。
「ワクチンで36万人を救った」論をロジカルに展開していくと、最終的には自分たちの大失敗(医療マネジメントのミスormRNAワクチンのどちらか)を認めることになるのですよ。
残念ながら袋小路のデッドエンドです。
なんにせよ、コロナ対策の本来の目的は
死亡者の絶対数を減らすこと
にあったはずです。
原因はともあれ、それに失敗したのですから、あとは何を言っても言い訳にしかすぎません。
潔く罪を認めるべきでしょう。
自らの過ちを素直に認めることが「君子」の行く道ではないでしょうか。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?