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店を消滅させた男

お目汚し失礼致します。
地下2階からです。
突然ですが、みなさんは「あの時の自分の決定は正しかったのか?」と、悩む事はありますか?
自分はあります。
この「販売員」という仕事に就いた事ではなく、この仕事に就いてから下した判断の事です。
その判断がもとで、

お店が消滅しました!


販売員として働きはじめて、1か月経ったある日の事。
このコンプライアンス遵守の世の中では

「あってはならない事」

がお店で起きてしまいました。

いや、もっと踏み込んで言うなら

「既に『あってはならない事』が常態化していたところへ、さらにとんでもない事が起きようとしていた」

と言った方が正しいのかもしれません。
何にしても、起きてしまった事は致し方のない事ですから、事後対応・事後処理が重要になって来るのですが、なんと上の人は闇に葬ろうとしたのです。

上がそんな判断を下せば、なし崩し的に下は従うより他ないのかもしれません。
実際に、自分の周りでも「やりたくないけど上が言うから」と言っている人がいました。
確かに気持ちはわからないでもないです。その人を糾弾するつもりはありません。
しかし、そのまま従っていたらもっと取り返しのつかない事態になっていたと思います。
「そんな最悪の事態は避けたい」と思っていた自分は反発し、然るべき方に相談をし、地獄の釜の蓋を開けてしまったのであります。

その結果、自分が勤務していたお店は百貨店から

「撤退」しました。

もっと言うなら

「消滅」しました!

自分の下した判断で、自分の仕事場が消滅したのです。

「キチンと報告する」というのは、世間的・コンプライアンス的には、自分が下した判断は正しい選択肢ではあります。
しかし、この判断が原因で大波乱を巻き起こしたのも事実。
それからと言うもの、「果たして本当にあの時の判断は正しかったのか?」と思う時があります。

「そんな間違った事は絶対に許されない」という絶対的な正義か?「お店を残す為には少々目を瞑る」という大局的な正義か?
どちらが正しかったのか。もしくはもっとマシな落とし所がなかったのか?

「本当にあの時、自分が下した判断は正しかったのか?」

と悩んでしまい、後悔と不安に苛まれる事があります。

いや、もっと言うなら「そんな事が何故常態化していたんだ」と言った方が正しいのかもしれません。
縁あって、同業他社でまたデパ地下販売員として働く事が出来ていますが、「あんな事さえなかったら、今もお店続いていたのになあ」と思う時があります。

時として「不正解はあっても 100%の正解はない」という場面に遭遇する事があります。
果たして本当の「正しい」とは一体何なのでしょうか。

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