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趣味嗜好について

好きなものって
いつの間に好きになったんだろう

「これを好きになりなさい」なんて言われなくても勝手に好きになっているものだ

いつしか周りを取り囲み、「自分」を形成するための材料になっている

粘着質な物語が好きだ
ハッピーエンドもいいけれど、人間の嫌な部分が滲み出ている物語は見ていておもしろい

また、少し不気味なものに惹かれる
見るだけでは足らずに、自分でも描いたりする

不気味なものを見ていると安心するのだ

混沌とした世界を眺めていると、心が穏やかになる
そしてまた新しい不気味なものを集める


なぜこういう嗜好になったのだろう


好きな理由はわからないので説明できない

もしかしたら自分自身が『不気味な人』と思われたいという願望から来ているのかもしれない


少し話が逸れるが、自分の性格は思い込みによって作られている気がする

明るいと思われたかったら「自分はポジティブな人間だ」と思えばいいだろう
すると本当に明るい人間になれる

優しいと思われたかったら「自分はなんて慈悲深いのだろう」と思えばいい
周りからの印象もそうなってゆく

しかし、わたしは明るくて優しい人間になりたいわけではない

明るくて優しいだけの人間は面白味に欠ける
深みがないと感じてしまう

毒のある人が好きだ
世間からズレていて、倫理観が無い人ほど興味を惹かれる

わたしはそうなりたいのだろうか

そうなりたい反面、社会に溶け込んで生きていくにはある程度の優しさと倫理観は必要だと知っている

だから人には優しくするようにしている
実際のところ、人に優しくするのは嫌いじゃない

嫌いじゃないけれど、優しくしすぎて嫌な目にあったこともある

必要以上の優しさは自分を苦しめるだけだ
相手は自分のことを優しくて良い人だと思いこみ、距離が縮まってしまう

大切な人以外は、心をロボットにして淡々と対応するまでだ

少し話は逸れたが、趣味嗜好は自分が作り上げているものだと思う

そうなりたいという願望から滲み出た結果なのではないだろうか

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