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憧れのフェリー旅行 その3〜大分編〜
当初、福岡についたらまずは糸島に行って海鮮丼でも食べて海を見ようと思っていた。妻の推しのアーティストの故郷というからなんとなく行ってみようと思っていたのだが、福岡に着いてから気が変わった。夕方には別府(大分)にとった宿につかなければ行けなかったから、移動距離と時間を考えると無理があったからだ。海鮮丼は食べたかったが、確実に行きたいほうを取って先に宗像大社に訪れた。
そして宗像大社を参拝し終わったのが11:40。
太陽の周りにはいまだに虹が出ていた。よく見るとその下の方にも二重に虹がかかっていた。本当にこんなに長時間見れることは珍しい。歓迎の虹に感謝して、そこから大分方面に向かった。次に目指すは何年も前から行ってみたかった宇佐神宮だ。宇佐神宮まではおよそ110km。ここから約1時間40分ほどだから、13:30頃には着く予定だ。
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しかしフェリーであまり寝れなかったのもあり、運転中猛烈な眠気が襲ってきて途中パーキングエリアで30分ほど仮眠を取った。そして再び走り出してから宇佐神宮に到着したのが14:00ちょうどだった。途中昼ごはんをどこかで食べようと思っていたのだが、良さげなお店がなく、結局空腹のまま参拝することになった。鳥居前には数店食べ物屋さんがあったけれど、どれもあまり今の気分に合うお店がなかったからご飯はあきらめ、引き寄せられるように鳥居をくぐり歩いた。
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このあたりからすでに家族にとっては面白くない神社巡りにブーイングが出はじめたのだが、そこを振り切ってぐずぐずするみんなを置いて先にそそくさと歩き出した。しかし歩けども歩けどもなかなか本殿が見えない。橿原神宮や伊勢神宮にも負けない、いやそれ以上に広い境内に驚きを隠せなかった。雰囲気的には橿原神宮と三輪神社を合わせたような、そこにさらに南国感をプラスした感じだ。やはり神社ではなく神宮だから規模が大きいのだろうか。
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そもそも何故僕がこの宇佐神宮に来てみたかったかと言うと、ここ宇佐神宮は全国にある八幡神社の総本山であり、大元なのだった。
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僕の実家の産土神社が八幡神社だったし(宮司さんに名前をつけてもらった)、何年か前に奈良に帰ってきてから住んでた場所の真ん前(宮の前マンションという名前だった)にも八幡神社があったりで、ずっとご縁を感じていたからだ。ヤオヨロズ(八百万)という言葉にもあるように、8という数字はインフィニティ♾️でもあり、無限を意味する数字だ。実際に全国に44000社というとてつもない数の八幡神社があり、コンビニの全国店舗数の57000店に引けを取らない。八幡神社は庶民のための神社でもあるから、スピリチュアルコンビニと言ってもいいだろう。その中でもここ宇佐神宮はトップの位置に君臨する。言わば大型スピリチュアルショッピングモールだ。
今まで八幡神社がどう言う神社なのかは知らなかったけれど、後で調べると元々は大漁旗を意味する海神だそうだ。前述した宗像氏もそうだったけれど、宇佐氏が崇拝したのも海の神だった。
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そしてずいぶん歩いてようやく本殿に辿り着いた。夏の陽射しが容赦なく照りつけ、汗が滝のように流れる。ようやく本殿(上宮)に着くと、後からまず長男が追いついてきた。一之御殿から順に2人で参拝した。ここは出雲大社と同じで、めずらしい二礼四拍手一礼の作法だった。
二礼四拍手一礼の意味には、《四季を表し、実りと繁栄を祈願している》とか《東西南北(四方向)を守護する神に敬意を示している》といった解釈があるが、その真意は分からない。しかし大和政権前の、一番の権力を持ったネイティブな民、出雲族の系統なのかなと思った。ちなみに二礼四拍手一礼の作法の神社は他に佐賀県の祐徳稲荷神社と新潟県の弥彦神社があるらしい。いずれにしても珍しい。そしてなんと御祭神は宗像大社と同じ天照大神の3姉妹、多岐津姫命(湍津姫神)・市杵嶋姫命(市杵島姫神)・多紀理姫命( 田心姫神)だった。ここでもこの神々たちに再び遭遇して、不思議な縁を感じた。
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そして本殿である上宮を参拝し終え、下宮に向かった。宇佐神宮では上宮は神のため、下宮は人のための宮で、両方が対になっていて《下宮参らにゃ片参り》と言われるらしい。下宮でようやく次男と妻が追いつき、みんなで一緒に再び鳥居をくぐった。朝から太陽の周りに出ていた虹はいまだに出続けていた。
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とにかく空腹と夏の陽射しで冷たいものが食べたかったので、鳥居前のお店で休憩した。時間はそろそろ15:00になろうとしていた。
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別府の鉄輪(かんなわ)温泉の宿まではここから44km50分ほど。旅の疲れもあり早々に宿に向かった。そして車を走らせ16:00に宿に着いた。別府は海の街で、いたるところから温泉の湯気が出て、下り坂の遠く向こうには海が見える風情のある温泉街だ。よく見ると道の下からも温泉の湯気が出ている。とりあえず部屋で一息つき、早速温泉に入った。昭和感のあるレトロな温泉だった。宿は素泊まりで予約したので、夕飯は海鮮でも食べに行こうかと思ったが、結局近くのスーパーで地元の刺身や惣菜、ビールなどを買い込んで手軽に済ませた。たまにはこういうのも良いだろう。
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翌朝、となりの併設したホテルの温泉にも入れるという事だったので、朝から温泉に入った。すぐとなりだし泉質は同じだろうと、さして期待していなかったのだけれど、こちらの湯は乳白色でよりすべすべしてその違いに驚いた。温泉はもちろん源泉掛け流しで、きのうの温泉は源泉温度が93度、こちらは98度だった。毎日こんな温泉に入れたら最高だ。いつかこんな温泉の街に住んでみたい。そこに海があればなお良い。
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そして予定してた時間よりゆったりな出発となったが、地獄蒸したまご(温泉たまご)を堪能し、今回の一大目的である宮崎県の高千穂に向かった。家族はギョッとしていたが、もちろんまた神社だ(笑)。
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つづく
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