世界の消費税と軽減税率の謎

こんにちは。元公務員で現在はフリーランスの「ひろか」です。
最近、食品や日用品などの値上げが止まりませんね…(汗)
ちょっと前までサラダ油は300円くらいだったと思ったのに、
今では普通に400円オーバーなんてことも…
世界的にインフレーション(物価高騰)が続く中で、国会では
「消費税を減税すべきだ!」なんて意見も出ています。
一方で、企業側の経済団体からは「消費税を上げて法人税を下げるべきだ!」なんて声も…(酷)
現在10%(軽減税率8%)まできている日本の消費税。
そもそもこれって国際的に高いのか低いのか、
なぜ消費税を導入しているのか、や、世界の消費税を調べてみました。

日本の消費税導入の歴史は?(超端折ってます)

日本で消費税が導入されたのは、1989年の4月。当時の税率は一律で3%でした。
その後2014年4月に5%、2019年10月に10パーセント(軽減税率8%)に段階的に引き上げが行われています。
現在、政府は消費税の財源を社会保障費に充てるとしています。
蛇足ですが、私が公務員やってた時に、よく困ったのは予算編成(毎年前年度の夏ごろ)の時点で消費税が上がるのか上がらないのか決まっていなくて、増税を反映すべきかどうか…何度か「上がる上がる詐欺」事件で作業量が増えていました・・。社会人の皆さん、こんな経験ある方いらっしゃいますか?

世界の消費税率はどのくらいなのか

財務省が2022年1月時点の世界の消費税(色々定義があるので、付加価値税として比較していますが、ここでは「消費税」と単純に呼びます)をグラフにしていました。
このグラフでは、濃い青と薄い青の2つの棒が表示されていますが、薄い青の方が食料品に係る税率(軽減税率で低くなっていることが多い)、濃い方は最高税率なので、国によってはこの間の税率を更に設定している場合もあります。
また、グラフの下の方に「非」と書いてある国は、食品などの日用品に対して「非課税」としている国です。

諸外国における付加価値税率国際比較(財務省HPより)

こうしてみてみると、ハンガリーが世界で一番消費税が高く、最高税率は驚異の27%。ヨーロッパも高福祉の国が多くて、税金が高いところが目立ちます。
日本は消費税10%の国の中では軽減税率が高くなっています。この「軽減税率」はなぜ導入されたのでしょうか

軽減税率はなぜ使われるのか

様々な国で行われている消費税の「軽減税率」
一律に税金を課した方が絶対に納税者の計算が楽なはずなのに、なぜこんなことをしているのか?
その答えは、税負担の平等にありました。
お金持ちの家でも、そうでない庶民のおうちでも、食事はとらないといけないですよね。
一律の消費税を決めてしまうと、庶民のおうちの方が家計に占める税負担が大きくなってしまう可能性が高いのです。
例えば、世帯年収420万のおうちと、世帯年収960万のおうち、
食費の額と収入に占める割合はしたのようになります。
(決して960万円が裕福な家庭だとは思いませんが…)
簡単に比較できるように、食費は全て軽減税率適用として比較しました。

・420万円世帯の食費 ・・・ 年間 791,352円(うち消費税58,618円)
 食費に係る消費税が年収に占める割合 ・・・1.4%
・960万円世帯の食費 ・・・ 年間1,165,524円(うち消費税86,335円)
 食費に係る消費税が年収に占める割合 ・・・0.9%

負担する金額は960万円世帯の方が多いですが、所得から考える割合は420万円世帯の方が大きくなってしまっています。
もし、日本の食品軽減税率が5%だった場合、
420万円世帯は0.9%、960万円世帯は0.58%となり、
負担割合の差は縮まることになります。

このように、お金がない人ほど税金の割合が大きくなってしまう消費税。
お金を持っていても持っていなくても購入しなければならない食品や日用品の税率はいったいいくらにするのが妥当なのか、もし税率を下げる場合に必要な手立てはなんなのか、ぜひ皆さんにも考えてみてほしいです。

(私個人としては、軽減税率は5%程度に留め、他に手段がないなら税率を15%にしたうえで、通信手段や飲食など、軽減対象を見直すべきと考えています)

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