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うつの私を支えてくれたミズノさんとのお別れ

4年ほど前から私のランニングライフを支えてくれたシューズにお別れし、新しいシューズを購入することにした。

これまで履いていたのは、「ミズノシンクロSL」というやつ。
元々、ウォーキングや普段履き用として買い、ランニングシューズとして使うつもりはなかった。
お値段もたしか5、6千円と安かった記憶がある。

そのシューズがその後、突然うつ病を発症した私を支えてくれる頼もしい存在となった。

◆◆◆

2019年春に、かつて経験したことのないあらゆる症状が心身に表れて、うつ病と診断された。

今日も明日も明後日も生きていかなければならないという、それまで当然と思っていた現実が、耐え難いほど怖くなった。

うつ発症をきっかけに、めちゃくちゃに壊れてしまった人間関係もあった。

今の職場で仕事を続けていけなくなって辞めることになったら、この年齢で、会社員としての実績らしい実績などない私を雇ってくれる企業がどこにあるだろう。
職を失う恐怖が、全身をべったり覆った。

行きつくところまで行ってしまった。
もう私は再起不能で、元のように生きていくことなど到底できないという、逃げ場のないどんづまりにはまり込んでしまったように感じた。

◆◆◆

症状が少し落ち着いて、なんとか平常心を保てるようになってきたところで、ランニングを始めた。

最初は何度も挫折しながら、日にちをおいてトライし続けていると、徐々に走ったり歩いたりできる時間が長くなっていった。

ランニングを通して、心にいくつも刺さったトゲのようなものがゆっくり時間をかけて1つずつ抜けて、徐々に楽になっていくような感覚があった。

そんな日々を静かに足元から支えてくれたのが、ミズノのシューズだった。

◆◆◆

そして、2023年2月12日にnoteを始めた。
うつ病とランニングについて書いていくと決め、下手は下手なりにイラストも描くことにした。↓は記念すべき最初の1枚。

シューズを一生懸命描いた。
実物とだいぶ色合いが違うけど…。

走る×文章を書く×イラストを描く
=人生が少しでもいい方向へと向かう

という方程式が成り立つことを切に願いながら、祈るような気持ちでこの絵を描いたのを覚えている。

◆◆◆

あまりにも古くなり、そして今年の下半期はハーフ、30km、フルマラソンの大会に参加することから、このたびランニングシューズを買い替えることにした。

お別れとはいえ、私の血と汗と涙が染み込んだ(大げさだけどそんな気分・笑)このシューズを処分する勇気はまだないので、とりあえず洗ってきれいにして、靴箱へ入れてしまっておこう。

さて、ミズノさんからバトンタッチする後任のランニングシューズはどのブランドのどんな風貌のものになるか。
今、ネットであれこれリサーチしている。
楽しみだ。

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