OMOIDE IN MY HEAD
一人称を俺と書いていいのは向井秀徳くらいのものなので、ここでは僕とする。
そこまで狙いに行った文章にはなってないと思う。
そもそも東京にいる彼女に会いに行った目的は僕に冷め出していることが分かったからだ。
そんなこんなで急いで東京に行き、僕の良くない部分がなんだかんだ聞いて、でも付き合ってくれ、全力で治すから付き合ってくれというつもりだった。
一昨日だったか、彼女の浮気が発覚した。詳しいことは面倒臭いし文字にもしたくないから直接言うことにするが、とりあえず胸がこんなに傷んだのは初めてだった。
僕はその時気持ち悪いと怒って外に出て、2時間ほど考えて、やはり付き合って欲しいと伝えた。4時とかだったので彼女も眠い目をこすりながら、うん、と言った。
その夜、僕は長々と手紙を書いた。
浮気するならちゃんとやれだとか改めて僕の悪いとこは直すだとか、それでも愛してるから付き合ってくれだとか。気合いのこもった手紙だ。
割合で言うと
怒る
反省する
反省する
大好きです
大好きです
大好きです
みたいになった。
彼女の返事は
「なんか、申し訳ないし、怖いからいいよ付き合うままで」
だった。
かなりショックを受け、頭を抱え、彼女の冷め具合に絶望し、人間性を疑ったが、それでも僕の気持ちの割合は最終的に手紙と同様くらいになった。どうしようもない。
僕がどんどん彼女に依存して、行動も考えも彼女をベースにしていったことが、僕の人生をねじ曲げてしまったようで、申し訳なく、怖く思ったらしい。
確かに僕は彼女と付き合う前、数学などのゼミを開いたりして、それはもう今とは比べ物にならないくらい勉強して自己研鑽していたが、彼女は勉強してる僕が好きだったらしい。知らんがな。もう、どうしようもない事だ。
君をきっかけに狂ったのは確かなので、元に戻すのは困難だろう。
僕はねじ曲がった人生のままで一向に構わなかったのだけど。君のために生きるつもりだったりしたんだけど。
木曜日の昼の飛行機で福岡に帰る。
水曜の夜、僕は決意して言う。
君と別れると言う。
僕のために何かやることと、彼女といることは、同極の磁石のように、反発して決して合わせられることでは無い気がした。
結局僕は、本当に彼女のことを愛せてなかったのかもしれない。僕は依存を愛と呼んでもいいつもりだったけど、彼女にそれは通じなかったみたいだ。
僕が何かをもちあわせていない限り、そばにいる人は僕の孤独を埋める手段にしかならないらしい。申し訳ないことだと思う。
もっと人に、自分に優しくなりたい。その過程で、大好きな君とは別れる必要がある。僕が前を向くために、このぬかるみから這い出でる必要がある。
君はどう思うだろう。
なんか言ってるな、だといいな。
なんて皮肉を思える程、僕は君のこと嫌いじゃないし恨めない。どうしようもない。
いつか、社会人の渦に揉まれて、いっぱい傷ついて、こんなに私のこと好きでいてくれた人と別れちゃったんだ、とか振り返って、大人になって、大人になった僕を、前を向いて、何かを持ち合わせた僕を見て、
「あの時のことはごめん、私と結婚して!!」
なんて言ってくれないだろうか。
僕はそのプロポーズを受けて、2つ返事で「もちろん良いよ」と言って君と結婚するだろう。
お前全然変わってねえじゃん、未練タラタラじゃんと思うかもしれない。
だけど、これは希望だと思うことにする。宇宙人はいるとか、天国はあるとか、そういう根拠の無い希望だ。
根拠の無い希望にできるといい。ほんの少し生きる理由になるし、それについてそれ以上考えなくて済むからだ。
うまくいけばずっと先に、何ヶ月か何年か先に、救済された自分を発見することができるかもしれない。
僕は次の朝、帰路につきながら泣きじゃくるだろう。飛行機の中で読むつもりだった村上春樹の本もそっちのけで泣くだろう。
悲しくて泣くだろう。
何も持ってない自分を不安に思って泣くだろう。
後者は、どうしよう。飲んで何とかなるものじゃないとは分かってるから、金曜の朝から流すしかないだろう。
前者は、木曜の夜に全部流し切りたいと思っている。
ナンバーガールのOMOIDE IN MY HEADを聴いた。
これを本人が見てるかどうかは知らないけど、他人になっても僕の世界の中で1番幸せになって欲しい人だった。それくらい好きだった。それくらい好きになれた自分も好きだった。
優しい人にさせてくれて感謝している。
どうか幸せに、人と自分に優しくしてください。
触れ合った記憶も気持ちも忘れないから、安心してください
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