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ポエトリーリーデングとは何か?──詩の朗読ライブを開催しました。


ポエトリーリーディングの始まり

ㅤ僕の詩の活動の第1歩は1998年、東京・高田馬場にあったBen’sCafeで行われていたオープンマイクイベントでの朗読でした。それ以降、25年以上にわたり僕が続けている 「ポエトリーリーディング(詩の朗読)」 について、皆さんにお伝えしたいと思います。

ㅤポエトリーリーディングは、1950年代のアメリカのビートニクと呼ばれるアレン・ギンズバーグやジャック・ケルアックらの詩人たちが行っていた朗読形態です。カフェや教会などで開催され、詩、ラップなどを通して日々の想いを言葉で共有する場でした。

言葉の文化は水脈のように続く

ㅤ日本では、1960年代から催されていましたが、僕の個人的な認識では、1997年からアメリカ文学の専門誌 『アメリカン・ブックジャム』 がアメリカのポエトリー文化をBen’s cafeに運び、定期的にポエトリーリーディングのライブを始めたことが1つの節目だと思っています。

ㅤこのBen’s Cafeでは約14年間、幾代もの主宰者に引き継がれながらオープンマイクを開催、僕は最後の4年半 『笑いと涙のぽえとりー劇場』 というイベント名で朗読会を主宰しましたが、2011年の閉店に伴い、幕を降ろしたのでした。その後もポエトリーリーディングを愛する人々はそれぞれの場でイベントを行っています。

ㅤ時は流れ、今も僕はポエトリーリーディングのイベントを行っています。今年は2月9日に詩人の葛原りょうさんがマスターの東京・日暮里の工房ムジカにて 『服部剛の朗読ライブ』 を開催しました。その様子をお伝えしつつ「ポエトリーリーディングとは何か?」を、皆さんと一緒に考えてみたいと思います。

世界の何処にも無い詩の夜

ㅤ当日はまず、僕から「今夜はお集まりいただきありがとうございます。これから始まる言葉の海に、身を浸してください」と伝え、第1部の参加者の皆様の詩の朗読は始まりました。

ㅤ僕の朗読ライブは第2部に行いました。独身の頃のひりひりした寂寥感を綴った冬の詩、さといもや焼きいもを題材にした親しみやすい詩、祖先から僕へと続く命の不思議の詩、そしてダウン症をもつ息子への想いを語った詩などを朗読。合い間に聴衆の体をほぐす体操や僕の歌の独唱をはさみ、約40分、言葉の湯気を共有する宵となりました。

ㅤ第3部は若き詩人Shalonさんのゲストライブ。鋭い感性で語られる数々の詩のフレーズに、会場の皆様は耳を傾け、静かに反応していました。また、温かな司会の哲夫さんは本業の歌と朗読時に弾くギターでも盛り上げてくれ、人の声の温度に包まれた「詩の夜」は織り成されたのでした。

ポエトリーリーディングの魅力

ㅤ当日は、俳人の小山正見さんが足を運んでくれて、SNSで感想を述べてくれました。「剛さんの詩の朗読に先立ち、10人もの詩人が次々と朗読し、歌う。孤独が、連帯が語られ、即興の詩も登場する。ディープで、暖かい時間が過ぎていく」そう回想する小山さんが目を閉じて詩人たちの言葉を聴いていた姿が、僕の胸に残っています。(※上記の写真と俳句も小山氏の作品です)

ㅤポエトリーリーディングとは、詩の言葉にふれることで笑顔や感動、悲喜こもごもが生まれる場です。その世界に人々は誘われ、互いに分かち合う時、詩人たちには共鳴する瞬間があり、励ましあい、時に癒しあい、豊かになれるのでは──と思います。僕はそんな世界をこれからも創ってゆきたい、と願っています。 

* 上記のライブは以下のアドレスから視聴できます。https://youtu.be/SxhaASagfw0?si=kplKqdyMM98_xk8B

※ 今回の朗読で皆様から反応があった焼き芋の詩を、言葉のゆげとしてお届けします☺

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