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守ってほしいわけじゃない

小柄で華奢、
色白で全体に色素が薄く、
シンプルな顔立ちで、
目を見て話を聞き、
よく笑う。

わたしは若い頃、結構モテました。

あ、ちょっと待って、自慢じゃないので。

わたしに好意を寄せてくれる人たちは一様に、わたしにこうおっしゃったものです。

「守ってあげたい」


ところで、モテる女のあいうえお、というのがあるのだそうです。

あ…「あげな〜い」
い…「いらな〜い」
う…「動けな〜い」
え…「選べな〜い」
お…「押せな〜い」

・男性は、少しあざとい小悪魔的な女性に弱い
・手を伸ばせば届く位置にあるのに、あえて「動けな〜い」と男性に頼る
・男性は頼られる事で自尊心を満たす
・男性の肩や腕を掴みながら使うと効果抜群

ちょっと検索したら、こんな文言がズラズラと並んでいました。

前も書いたけど「男性」って誰や

あいうえお。
ずいぶん懐かしい感じのモテテクニックに思えます。
令和の世になっても、まだこんなこと言っているんですね。

でもよく見ると、昔の「さしすせそ※」から進化しているのがわかります。
※さすが!知らなかった!すごーい!等

「相手を褒める」さしすせそ、から
「自分を弱体化させる」あいうえお、に
変わっている。

弱く見せる、ということを意識的に行っていかないとマッチングが難しい世になった、ということなのかもしれません。

自分の言動がハラスメントに当たらないか、みんな怯えてますからね。

さしすせそ、と
あいうえお、の
共通点は、相手に自信を与えてあげる、ということのように思えます。

若い頃のわたしは、その見た目と雰囲気から
「やさしそう」
「否定しなさそう」
「受け入れてくれそう」
と思われがち、だったのでしょう。

つまり、何もしなくても相手に自信を与えていた。
だからモテた。

彼女は優しそうだから、こんなオレでも拒まずに受け入れてくれるんじゃないか
受け入れてくれた暁にはお返しにオレが守ってあげたい

彼らの思考は、こういうことだったのではないか、と推察されます。

しかし、わたしは恐れながら、守ってほしいなんて露ほども思っていませんでした。

今、隣でスポーツ中継を見ている夫は、わたしを守ろうなんて、全く思っていないと思います。
どちらかというと、わたしが夫を守りたいと思っている気持ちの方が強いような。
夫を傷つけるもの、許さじと目を光らせています。

夫はただ、
わたしを人として尊重してくれる。
わたしと一緒に歩いてくれる。
わたしと一緒に怒ってくれる。
わたしと一緒に笑ってくれる。
同じ目線でいてくれる。

味方でいてくれる。

わたしはずっと、そういうふうにして欲しかったのだなと、夫と過ごしながら日々、実感しています。

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