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「さん」呼びのやさしい世界

元サッカー日本代表で現カンボジア代表監督の本田圭佑さんがAbemaでのW杯解説中に、面識のない選手のことを「さん」呼びして話題になりました。

わたしも、本田さんが
「田中さんが…」
と言っているのを聞いて一瞬誰のことか分からず
「…田中碧のことか!!」
と、スーパーサイヤ人になる直前の悟空みたいなリアクションをしてしまいました。

試合実況中継で選手は呼び捨てにされるのが通例だし、
面識の有無に関わらず「先輩」というだけで親しげな呼び名を使うというのは珍しくないことなので、この度の「さん」呼びは世間に驚かれたのだと思います。

翻って自らの中高生時代のことを思い起こすと、初対面の先輩に呼び捨てされて、その親しみのある感じが嬉しいときと
なんか納得いかないときがあったのを覚えています。

壁ドンとか頭ポンポンも似ているかもしれません。

※ただしイケメンに限る
とか言いますが、イケメンだろうがなんだろうが、不快なものは不快ですからね…

学生の頃、女子というものは何かとグループを作りたがるものでした。
あれは何だったんですかね。孤独が不安だったのでしょうか。

そんな中、イケイケでもノリノリでもなくスポーティー でもない、
文化系でパッとしない地味なグループに何となく属していたわたしは、
グループ内の皆さんのことを
苗字+「さん」呼び
していたものです。

仲間とは違うサインで呼び合うたび強くなれるらしい彼氏と仲睦まじい様子の同級生を横目に見ながら、

わたしたちはお互いを「さん」呼びしながら、適当な距離を保ち適切な配慮をし、今思えばあの空間はやさしさに包まれていました。

今で言うと、阿佐ヶ谷姉妹のお2人も、お互いを美穂さん、お姉さんと呼んでいてすてきですね。

冒頭の本田圭佑さんの「さん」呼びも、ご本人は「普通のこと」と仰っているそうです。

よくよく考えてみたら、面識もないのに呼び捨てとかあだ名で呼ぶほうがおかしいですよね。
実況の方が時間短縮の為に便宜上呼び捨てするのは別としても。

日本語の「さん」という敬称はオールマイティです。
英語のMr.とかMs.と違って性別も関係ないし。
いつだったか、メールでしかやり取りしたことのない取引先の方から電話が掛かってきたとき
「ちびろさんって女性の方だったんですね!てっきり男性だと思ってました!!」
と驚かれたことがあります。
名前が中性的で「さん」や「様」呼びして文字だけでやり取りしてると確かに、性別わかんないでしょうねぇ。

取引先でも、役職や年齢に関わらず呼び方を「さん」で統一されているところがあります。
恐らく、上の者も下の者に敬意を払い、下の者も上の者に意見しやすいような雰囲気づくりをする狙いがあるのだと思います。

わたしたちが人を呼び捨てやあだ名で呼ぶとき
「わたしはあなたにこのくらいの失礼をしても許される存在でしょう?」
というメッセージが隠れている気がします。

だから
「ちげーわ勘違いすんな」
とイラッとするときと
「せやねん」
と嬉しくなるときがあるのかなと思います。

ともあれ、今晩24:00からクロアチア戦ですね。
わたしはサボれる家事を考えうる限り排除して、寝不足覚悟でリアルタイム観戦する予定です。

がんばれ日本!

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