そして、喫茶店を去る(颯爽と)
ナポリタンが好きです。
ナポリタンを食べる為に、時々お気に入りの喫茶店を訪れます。
ナポリタンは、自分でも作れます。
ナポリタンは、簡単。
買い物も不要。
家にあるもので作れます。
でも
人の作ったナポリタンは
格別なのです。
なんでしょうね、これ。
微力ながら料理担当を仰せつかっているからなのでしょうか。
自分ではない人の作ったものが妙に美味しい。
外食が盛んで比較的安価な国に生まれて、本当によかったと思います。
寒い季節は
ミルクティーか
ココアか
カフェラテか
何か温かくて甘い、やさしい飲み物が
飲みたくなります。
せっかく喫茶店に行くのだから、ナポリタンと一緒に頼めばいいじゃない、と思います。
でもわたしは滅多に、飲み物を注文しません。
注文内容は一択。
ナポリタン、単品で。
何故かって。
お気に入りの喫茶店が、いつも混み合っているからです。
喫茶店というものを、心ゆくまでのんびりする場所、と認識している人は多いと思います。
でも、明らかにまだまだ並んでいる人がいる中で、心穏やかにゆっくり過ごすなんてこと、わたしには出来ない。
わたしが1人でココアを啜っている間にもうひと組入れられるかもしれない
わたしがお店の回転率に歯止めをかけているかもしれない
そう思うと胃がキリキリしてきて居ても立っても居られず、いつもそそくさと店を後にしてしまうのです。
今日はどうしようかな、ミルクティーが飲みたいな、と思ったわたしは閃きました。
そうだ、この後コンビニに行こうと。
わたしはあまり普段コンビニエンスストアに立ち寄りませんが、今の季節、温かくて優しい飲み物はきっと、目白押しでしょう。
しかも喫茶店で飲むより、ペットボトル飲料の方が格安じゃないの。
600円のところ、200円未満で買えちゃう。
お釣りが来るじゃないのと。
ミルクティーを買ったら、あの複合施設のベンチでいただこう。
いつも空いているから、ゆっくりと時間を気にせず楽しめるはず。
人の作ったナポリタンが食べたい
行列の皆さまへの罪悪感を極力減らしたい
ミルクティーを落ち着いて楽しみたい
すべての欲求を無理なく満たす選択肢を見つけたわたしは、気分上々です。
わたしは調和を愛する人間なのです。
すべてが予定通り、滞りなく進むのがとても落ち着く。
アクシデントによるスリルやドキドキなんて、要らない。
完璧な予定を立てたわたしは、心軽やかに喫茶店を後にしたのでした。
るんるるん。
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