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くすぶりとすんどめの間で

「くすぶり女とすんどめ女」が始まりました。

「完全に詰んだイチ子はもうカリスマになるしかないの」でお馴染みのMEGUMIさん企画・プロデュースということで、放送開始を心待ちにしていました。

…待っていた割に、今夜第3話が放送されるというタイミングでようやくレビューを書きます。
心をズキズキワクワクさせながら、2話までそれぞれ2回ずつたっぷり視聴いたしましたので。
(面白いと思ったものは繰り返し楽しむタイプ)

くすぶり女こと、経済力と自己肯定感の低さ故、モラハラ夫と離婚できない2児の母(49歳)と
すんどめ女こと、恋愛も仕事も万年2番手で満たされない思いを抱える令和女性(25歳)

そんな2人が主人公のこのドラマ。

わたしは、年齢的にはだいぶ「くすぶり女」寄りではありますが、大学卒業後、途切れることなく正社員(一応)で働き続けており、結婚はしているけれども子どもはいない

…という、2人のどちらにも当てはまらない、中間の女性としてこのドラマを視聴しています。

2話目の最後辺りで、くすぶりさん(49歳)の曖昧な態度によって自身もセクハラ被害に遭い、怒ったすんどめさん(25歳)が、以下内容のような長台詞をシャウトしていらっしゃいました。

・笑わないでいると「笑え」と言われ、笑うと「ヘラヘラするな」と言われる
・化粧しないと「化粧くらいしろ」と言われ、化粧すると「化粧する時間あっていいな」と嫌味を言われる
・くすぶりさん世代が曖昧な態度を取ってきたせいで、自分たち世代がどれだけ大変な思いをしていると思っているんだ

わかる…。

たぶん、すんどめさんが受けてきたようなダブルバインドは、多くの女性たちが経験していることだろうと思います。

強すぎず弱すぎず
必死すぎず適当すぎず
真面目すぎずふざけ過ぎず
笑いすぎず笑わなすぎず
騒ぎすぎず大人しすぎず

とにかく、働く女ってのは
立ち位置が難しいのですよ!

仕事が出来ればいいというわけではなく、有能であることをチラ見せしながら、謙虚で控えめで微笑みを絶やさず、でも芯をしっかり持った女性、みたいなのが求められます。

あの、わたしら
血の通った人間なんですけど…

でも、そうなってしまったのが雇用機会均等法世代の女性のせいかと問われると、それは気の毒というか、罪の押し付けではないかと思います。

彼女たちの時代は女の幸せ=結婚・出産という風潮が今より強く、そもそも女が働くこと自体珍しかったはずです。

セクハラという言葉すらあやふやな男社会で完全なる劣勢の立場に置かれ、断っていいものか、断ったら角が立つから誤魔化すか、迷うのは致し方ないことではなかったか。

曖昧に笑って何となくいなしたらギリギリかわせた、という成功体験を積み上げてしまったら、笑って済ますのがいい女、と「よかれと思って」吹聴してしまうのは無理もない状況だったのではないか。

だからわたしは
「あなたたちのせいで」
「あなたたちが悪い」
とは、簡単に言えないなと思います。

一番悪いのは、劣勢で少数故に強く出られないことを分かっている女性たちを利用して付け入る、社会的な力を持った一部の男性たちなんじゃないの?そうよね?
例えば、くすぶりさんのモラハラ夫とか。

きっとその辺り、スカッと解消してくれるであろうこれからの展開に、引き続きズキズキワクワク、させていただきたい所存です。

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