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第2回読書感想(?)空飛ぶタイヤを読んで

こんにちは。ニボシです。

やっと、やっと読み終えました💦 かれこれ1週間くらい掛かりました。

無職になってから本を読むことを意識的に習慣化してきましたが、中々それを無意識に持っていくのは難しいですね。

小説読むのは超久しぶりで、全然速読なんか出来ないし、分からない言葉が出てくると「なにこれ?」とグーグル先生に意味を教えてもらったりする度にストップしたり、本の虫への道はまだまだ遠いですね。

前置きが長くなってしまいましたが、今回読ませていただいた池井戸潤著
「空飛ぶタイヤ」を読んだ感想を書いていこうと思います。


実話を基にした社会派小説
この物語の大きな構図は、中小企業赤松運送と巨大企業ホープ自動車との過失の所在を巡るバトルが繰り広げられています。バトルと言っても物理的なものではありません、お互いに非難の応酬をするという感じです。

このようになった背景として、赤松運送が起こした母子死傷事故が発端となっています。赤松運送の運転するトラックのタイヤが走行中に外れ、それが母子に直撃。

母親が亡くなり、子供がケガをする大事故となってしまいました。

事件の当初、原因は赤松運送の車両整備の不備が原因と考えられていました。赤松運送に家宅捜索が及びますが、押収した整備資料などに不備が見られず、警察もいつまでも立件までには至らずにいました。

それに疑問に思った赤松運送の社長赤松徳郎は、「うちに過失は無いんじゃないか、原因はホープ自動車の不備が原因ではないかと」と考えるようになります。

ここからホープ自動車とのバトルが始まりました。

この戦いは長期間に及び、お互いの話し合いは平行線の状態が続きました。赤松は肉体的にも精神的にも追い込まれていきます。遺族からの反感、取引先との契約打ち切り、社員の退職、資金振りの悪化、一部からの誹謗中傷など無限に試練を与えられます。

それでも会社と社員、家族を守るため諦めなかった赤松は独自の調査などを重ね、ついにホープ自動車の不正の尻尾をつかみます。

そこからは怒涛の展開、自動車界の巨人に戦いを挑んだ赤松運送の運命は?



感想
最終的にどうなったか書いてしまうと、ハッピーエンドには収まっている印象です。これまでの赤松の行動が後半につれて報われるようになり、ホープ自動車はたちまち窮地に立たされる様が描かれています。

また、このホープ自動車という巨大組織の社内政治がこれまた人間臭い印象でした。自己の利益、地位を守るために反乱分子に対して粛清という名の移動を命じ、ひたすらに不都合なことは全力で隠ぺいするという、大企業ならでは(?)なリアルに描かれていました。

私は大企業なんかに勤めたことはありませんが、人数が多ければ多いほどそれぞれの思惑は星の数ほどに出現するし、それをうまく渡り歩ける人が上に行くんだなーとこの本を読んで思いました。私には無理ですね。

この物語は多くの登場人物が登場しますが、特に私の中で印象に残ったのはホープ自動車の沢田悠太という人物です。この人は最終的においしいとこ持ってく人です。

沢田は当初販売部所属の社員で、赤松との交渉に臨んでいました。不備は無かったことを頑なに変えることはなく、赤松のことを「悪質なクレーマー」と言うほどでした。

何回も問い合わせる赤松に対し嫌気が指したのと同時に、物語が進むにつれ自社に不正があるのではと疑うようにもなります。
途中ではお金で幕引きを図るも失敗、赤松とは最後まで平行線をたどっていましたが、赤松から「あるもの」を渡されて沢田の心が動きます。

沢田が実際どう思っていたかは書いてありませんが、その後の行動が事件解決へと導かれます。沢田って冷酷に見えて実はいい奴だったんです。その前半と後半のギャップが印象的でした。


最後に
大分人間臭い内容の本だったので次はファンタジー系の本でも読んでみようと思います笑。

本日も読んで頂きありがとうございました。





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