#21 大好きだった場所。
いつも誰かがいた。
庭には随時6~8人ほどの子供がこっちとあっちを行ったり来たりしている。
男の子女の子関係なく出たり入ったり。
庭から居間に直結の大きな窓は常に開け放たれ、近所の奥さんが誰か誰かお茶しに来ている。
それが私の実家の日常だった。
うちの母親は社交的で、はっきりとした物言いで仲間は多かった方だと思う。喧嘩なんかもあったらしいけど、基本は曲がったことや姑息なことが嫌いだし、人助けも好きだから信頼してくれる人も多かったんだと思う。
母は遠く離れた土地から嫁いで、父の仕事の都合でこの土地へ来た。
私はいつもほかの土地から嫁いできたという友達を尊敬する。
親や友達と離れて知らない土地へ来るんだから相当の覚悟がないと無理だと思う。
私と言えば、かれこれ40数年生まれ育ったこの土地から離れもせず実家には5分で帰れる距離。なんて甘い人生なんだ!笑
友達は大体半径5キロ圏内にたくさんいる。
何かあればすぐに飛んでいける距離。
したくてもできない人もたくさんいるのになんて幸せ者か。
話を戻そう。
そんな母がこの地へ根を張って築いた我が家。私の子供時代は友達に困ったことはない。常に周りに誰かいた。
そしてアポなしで誰かきたりするそんな実家は好きだった。
自分の家庭を築いた時もそういう場所を作るのが夢だった。
元々にぎやかなのは好きだし、誰かがいるという状況もすごく好きなので実家のような環境の家庭にしたいなと思っていたけれど、まぁ現実はそううまく行かないってことで。
せめて自分の仕事スペースだけでもそうできたらなと思うようになり、クレイの仕事をする時に使っている場所をコワーキングスペースにしてはどうかと思い始めた。
母の事はあんまり好きではなかったが(まだ生きてるよ!)結局は母に影響されているんだなぁ~とこの年なって思うのです。
少しずつだけど、自分の夢のかたちが形成されていく今が心から幸せだ。
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