あと五センチ長ければ

欧米の方は、比較的、
日本人よりも足が長く、胴が短いですが、
彼女もご多分に漏れず、
足が長く、胴が短い体型です。
身長は百六十ほどと、
オーストラリアではとても小さいほうらしいですが、
日本では平均的な身長でしょう。
もう少し大きければ良かった
彼女はそう言いますが、
僕も同じように感じておりますし、
多くの方がそう感じておられるように感じるので、
それは置いておいて、
彼女は、
もう少し胴が長かったら良かった
そうも言っておりまして、
日本人からそのような発言が出ることはないだろうな、
そう思いながらいつも聞いております。
羨ましい体型だと伝えても、
No
日本人の友人から羨ましい体型だと言われるようですが、
それでも、
No
悩みというものは、
本当に心の奥の奥のほうにいるようです。
理由を尋ねてみると、
日本で売られている服が身体に合わないから
ということもその理由の一つだそうで、
例えば、
肩に掛けて着るスタイルのスカートが、
彼女は好みなようですが、
肩から腰にかけてのその掛ける紐が長過ぎて、
少し動けば、肩からするする落ちてしまうようでございます。
たしかにそれは困った問題。
歩いていたらぼすっと落ちかねません。
また、例えば、
ハイウエストのパンツを履いてみますと、
アンバランスにパンツが上まで来てしまいますので、
少女がパパのズボンを履いて喜んでいるようだと、
首を横に振っております。
日本で売られている服は、
日本人の体型に合わせて作られているでしょうから、
それは少しばかり仕方がないことなのかもしれませんが、
なんとか折り合いをつけて、
楽しんでいただきたいところでございます。
足があと五センチ長ければ、
そう思う僕と、
胴があと五センチ長ければ、
そう思う彼女の、
七夕にでもそっと書いておきなさい、
そう感じざるを得ない、
小雨の降る年の瀬の一夜でございました。