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個人的感想の押し売り

猫に指をさした方向を見てもらうことは不可能だということを、kittyに出会うまで知りませんでした。
当たり前のように、外にいる鳥を指差して、Lookなんてkittyに言ったことがありますが、kittyが目を向けてくれるのは僕の指の先端であり、その延長上の指をさされたなにかではございません。
人間の常識を、傲慢にもkittyに適用させようとしていたようで、通じないことへの驚きとともに、思慮の浅さを反省いたしました。

それから、なんとかして窓の向こうにいる鳥をkittyに気づかせようと、ほぼ毎日試みているのですが、どうにも名案は僕には思い浮かばず、降参状態でございます。
窓をとんとんと叩いて、叩かれた窓のその延長上に鳥が見えるようにkittyを抱っこする、というものが一番効果的だったように思いますが、このあからさまな方法をもってしても、実際にkittyがその鳥に気がつくのは、50%くらいといったところでしょうか。

また、kittyの好きな鳥だけではなく、例えば月だとか夕陽だとか、僕が個人的にきれいだと感じた景色を、kittyにも見てほしいな、そう思って、ともに見ようとしたことも多々ございますが、多くの場合、抱っこされた気持ち良さからか、うとうとしてしまっておりました。

このような、景色がきれいだから見てほしい、なんていう個人的感想の押し売りをされても、多くの場合は、そうだね、で終わるように思いますが、僕は好きな相手には個人的感想の押し売りをしたくなる性格なようで、kittyには、無防備にも押し売りを受け入れている体を取り続けていただきたいところでございます。
鬱陶しいな、そう感じたときは、後ろ足でぐいーっと僕を押し退けてくれたら良いので。

いつもお付き合いありがとう、kittyさん。

少しでも良いなと感じていただけたなら幸いです。 Instagram : clemandhiro こちらもどうぞよろしくお願いいたします。