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今は住宅ローンを借りない方がいい理由
世界的にインフレが進んでいる。
日本では長い間「インフレ目標年2%が達成できなかった」と毎年ニュースになっていた。
そして2022年4月、ついに消費者物価指数が2%の目標を達成したそうだ。
インフレ目標2%達成できたら、日本にとっていいのだろうか。
そんなことはないというお話。
インフレ
ご存知の通りインフレとは、物の価格が上がること、その逆で物の価格が下がることがデフレだ。
ものは安く買えたほうがいいはずだから、デフレの方が良さそうに見える。
コロナの前たまに海外に行くと、物価が高くていつもびっくりしていた。
2019年にハワイでプレートランチといわれるお弁当を買った。
サイズは大きめだが、値段は18ドルで当時1ドル110円くらいだったから、約2000円だ。
高い!ハワイで食べるから美味しいけど、日本で売ってたらシバかれるくらいのクオリティ。
今アメリカで急速にインフレが進んでいる。
州によるらしいが、牛乳の価格が1ヶ月で2倍になったとか、信じられないことを聞く。
もしあのお弁当が2倍の価格になったら36ドル、円安で1ドル130円だから、なんと4680円!!!
日本ではワンコイン500円のお弁当が売っている。しかも美味しい。
「やっぱり日本の方が安くていいよね」となりそうだが、実はそう単純な話ではない。
日本銀行と日本経済の今
ご存知の方も多いと思うが、日本のお札の正式名称は日本銀行券だ。
日本銀行が印刷して発行している。
アメリカはドル、イギリスはポンド、中国は元、それぞれの中央銀行が印刷して発行している。
中央銀行はその国の『物価の安定』が重要な仕事だ。(日銀法で義務付けられている)
お金を発行→お金が増えすぎるとインフレに→金利を上げる→お金を回収して減らしインフレを抑える。
教科書で最初に習う、金融政策の基本のキ。
日本銀行はアベノミクスで ”異次元の金融緩和” というのをやった。
お金をじゃんじゃん、刷って刷って刷りまくった。
さっきの基本から言えば、すぐにインフレになってしまいそうな額だ。
ところが日本は、ずーっとデフレのままだった。
不思議。実体経済は『教科書通り』にはならないのかな?
そしてコロナが来た。
世界中の先進国は、お札を刷って国民に給付した。
すると、とんでもないインフレが起きた。
そしてアメリカの中央銀行であるFRBは、今年7回に分けて金利を上げると発表し、年内または年明けにもインフレは少し収まると予測している。
あれ???『教科書通り』だ!!!
アメリカの金利が上がって、円の価値が下落して急速に円安になった。
先日、元大蔵省(現財務省)財務官で「ミスター円」と呼ばれた榊原英資氏が、モーニングショーに出ていた。
急速な円安で不安な視聴者からの質問で、「日本銀行は金利を上げないのか」というものがあった。(日米の金利差で円安になっている)
榊原氏の答えは「黒田総裁は低金利政策をやってきたから、彼が退任する来年3月までは金利は上げず、来年(2023年)雨宮副総裁が総裁になったら2回金利を上げることが決まっている。人が変わらないと、政策は変えられないんだよね。」
と言った。
ん???耳を疑った。黒田総裁のため???
つまり2022年度は、何があっても金利を上げないと言いたいらしい。
ますます円安が進んでいく→不景気のまま物価が上がる
アベノミクスでは、日銀は刷ったお金でETF(上場株式投資信託)を買いまくった。(年間数兆円単位。異常事態)
本来中央銀行は、価値下落の可能性のある金融資産は持たない。
ところが今の日本は
主要企業のほとんどの大株主が、日本銀行という異常さ。
(ユニクロやGUのファーストリテーリング社の総株数の21%を日本銀行が保有。もはや国営企業)
日本国債も残高に占める日銀の保有割合は44.1%で、日銀が最大の保有主体。
日銀がじゃんじゃんお金を刷っても、市中(私たちの手元)にはほとんど出回らなかった。
だから日本はずっとデフレのままだったのだ。
岸田首相は、総裁選に出馬した時、
『分配なくして成長なし』と何回も言っていた。
ところが首相になるとすぐに、
『成長なくして分配なし』と言い出した。(みんなツッコまないけど)
もう日本経済は死に体だから、分配しても成長できないってこと??
お弁当が500円のままなのは、日本の国力がお弁当500円のまま、成長できなかったから。
株価というのは本来、その企業の業績を反映して上がったり下がったりする。
景気がいいと株価は上がる。
景気がいいということは、物の値段も上がるということだ。
景気が悪くてデフレなのに、アベノミクスで株価だけが爆上がりしていた日本経済は、健康体ではなかった。
日銀がインフレ目標2%と言い続けていたのは、インフレ=好景気 という考えで目標にしていた。
まさかの不景気のままインフレになる、スタグフレーションが起きてしまった。
金利が上がると→国債の価格が下がる(これも基本のキ)
そして国債の利息の支払額が増える。
日銀は意地でも金利を上げないために、指値買いオペというものを実行し、金利を無理やり抑えている。
なぜなら
株価と国債の価格が暴落したら、日銀が破綻してしまうレベルだから。
私たちの資産のほどんどが株と国債だったら、、と考えれば容易に想像がつく。
日銀が破綻したら、他国は一斉に日本からお金を引き上げてしまう。
恐ろしい、、、。
そんな最悪の事態にならないことを、神に祈るのみだ。(他にできることがない)
今の世界は先が見えない。
戦争もやっている。
景気後退(リセッション)局面になると言われている。
将来のことなんて、誰にもわからない。
全然違う未来かもしれない。そうであってほしい。
今は住宅ローンを組まないで
もしかしたら不動産屋さんは、「来年は金利が上昇しそうだから、低金利の今が住宅ローンの借りどきですよ」などどセールストークをするかもしれない。
彼らにも生活やノルマがある。
契約をとらなければならないだけで、我々の人生のことなんて考えていない。
知り合いのご夫婦がデパートに行った時のこと。
店員に「このコートは最上級のものなので、絶対にセールにはなりません。」と言われたそうだ。
「絶対に?」と何度も聞いてから、そのご夫婦は20万円のコートを買った。
翌週、2人はまたそのデパートに行った。
すると、先週買ったコートが半額セールになっていた。
奥さんは怒り心頭。旦那さんが止めるのを振り切って、先週の店員をつかまえて「絶対にセールにならないって言ったのに、半額になっている。半分返して」と言って、返金してもらったそうである。
すごっ!でも良かった。
返金に応じたということは、非を認めたからだろう。
このようにセールスの際は、口先で嘘を言う人がたくさんいる。
(デパートのセール情報は、1週間前にはわかっていたはずだ)
コートだったら、クレームをつければ返してもらえるかもしれないが、不動産はまず無理だ。
マンションの申し込みなら、条件によっては8日以内ならクーリングオフできるが、家に住んでみてから騙された!と気づいても、時すでに遅し。
価値が半分になっても、高いローン残を一生かけて払っていかないといけない。
首都圏の不動産は、今とても高い。
マンション価格は、なんとバブル期を越えたそうである。
こんなに景気が悪いのに不動産価格だけ上がっているのは、外国人が爆買いしているからだ。
バブルはいつかは弾ける。
その直前に買った人が、最も損をする。
日本経済の状況
不動産価格の状況
どっちをみても今は買い時ではない。
こんな時だからこそ、様子を見よう。
今、大きな決断はしないでほしい。
嵐が来そうな天気の時は、飛行機は欠航する。
無理をして飛んで、事故になったら取り返しがつかないからだ。
残念ながら日本は今、そういう時期だと思う。
読んでいただいて、ありがとうございました!
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