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美味しい儲け話がどこかから来たら?

誰でも一度はかかってきたことがあるであろう、勧誘の電話。

色んなものがあるが、近頃はなぜかインターネット回線の勧誘が多い。

電話に出ないで、番号をネット検索するとこればっかりだ。

以前私は家を建てる前、マンションとか土地とか色々探して、たくさんの不動産屋さんに連絡していた。

しばらくして、不動産投資を勧める電話がしょっちゅうかかってきていた。

うちの電話番号が、どっかの不動産屋さんから流れていったのかな〜。


不動産投資


当時私に掛かってきた電話は、マンション投資だったと思う。

もう家を建てたから、興味もお金もない。
ろくに話も聞かずに即断っていた。

私はへそ曲がりなので、「もし儲かるなら他人に電話してないで、自分で買えばいいのに」と考えてしまう。

たぶんセールストークとしては、何にもしなくても毎月家賃が入ってくるから年金がわりになるとか、美味しい話をされるんだろう。

ローンで買って返済は家賃でして完済すれば自分の資産になるし、いいことずくめみたいなことを言ってくるはず。

サブリースで家賃保証するから空室リスクがないとか、管理は全部任せられるので煩わしい事は何もないとかそんな感じだろう。

(サブリースは、管理会社から家賃価格を下げられてしまう可能性があり、しかも法律上オーナーからの契約解除が難しい)

10年前くらいに医師が副業でマンション経営をするのが流行った。

本屋さんに不動産投資をしている医師の著書が平積みにされ、何億円のマンションを何棟も持っている、レバレッジ投資などと書いてあった。

医師が億単位のローンを組めたのは、属性が高いからだ。

属性とはその人の信用を客観的に評価する指標のようなものだ。

年収が高くても個人事業主の属性は低い。
上場企業の社員や医者・弁護士などは高い。

ローン審査の際、金融機関は属性を重視する。

でも実際には大学附属病院の勤務医の基本給は、びっくりするほど低い。
(一般病院は病院ごとに違うが高給だろう)

看護師さんの方が基本給が高かったりするらしい。

その穴埋めにアルバイトと称する外勤があり、大学病院が斡旋してくれて、外部病院で一日あたり10万円など高額報酬がもらえる。

それでトータルは高収入になる。
収入を増やすにはアルバイトを増やすしかない。
身を削ってお金を稼いでいるのが、大学病院勤務医の現状だ。

10年前に読んだ本の著者である医師は、そんな生活に嫌気がさしていたところ、不動産業者から電話があってマンション経営を勧められて始めたと書いてあったように思う。

管理は全て管理会社まかせだから、ハードワークの医師でも楽に不動産オーナーになれると。

属性が高いから、マンション一棟買いのローンが簡単におりる。

一棟目を買って暫くすると、「先生!いい物件が出ましたよ!」と電話が掛かってくる。

そして忙しさにかまけて現物を見ずに、2棟目を購入。こわ〜。

この物件が建蔽率オーバーで建て替えが出来ないものだった、というようなことが書いてあったように思う。

それでも全然大丈夫!という論調で、3棟目も購入、、、。

不動産屋からしたら、病院の中しか知らない世間知らずの医師は、絶好のカモだっただろう。

なんとか上手く売り抜けていてくれたら良いなと思う。

今の電話勧誘の流行りはワンルーム投資らしい。

人から「電話で儲け話」が舞い込むことはまずない。

これらは我々の不動産投資ではなく、不動産会社の手数料収入のための事業だ

不動産オーナーになるということ


『金持ち父さん貧乏父さん』の著者のロバートキヨサキは、不動産で大富豪になった。

ロバートキヨサキが1軒目の物件を購入する前、事業に失敗して借金を抱えた状態だったそうだ。

彼は『金持ち父さん』である友人の父親に、子供の頃から金融教育を受けていた。
高学歴でハワイの教育局長だった実の父親は、『貧乏父さん』

金融知識、妻キムの協力、そして周到な準備の上、時期を待った。

そしてアメリカの不動産が大暴落したタイミングで、満を持して1軒目を購入、その後高値で売り抜けることができたそうだ。
そこから不動産王への道が拓けていったらしい。

周到な準備と、機を見る能力と、そして勇気と強運。
それらがあって初めて成功への道が拓けた。

不動産投資はリスクが大きい。

アメリカの不動産王でも、最初は”清水の舞台から飛び降りるような気持ち”で始めている。

電話で勧誘されて、お手軽にちょこっと始めるようなものではない。

もし子供の頃から大家さんになるのが夢だったというのであれば、もちろん目指すのは良いことだ。

自分で一から調べて勉強し、充分に理解と準備をした上で始めるといい。

「いや別に不動産王になろうって思ってないし」と言われそうだが、我々庶民が簡単・お手軽に不動産オーナーになろうとすれば、大怪我をする可能性があるということを言いたい。


絶対に大丈夫なことってある?


不動産は分かりずらい。
ブラックボックスが多すぎる。

今、東京の不動産価格はバブル真っ只中だ。
新築マンションの平均価格が1億を超えている。

上がっているのは外国人が、超円安の大バーゲンセールで爆買いしているから。
高度経済成長期の不動産価格上昇とは、状況が違う。

基本的に衰退している日本で、不動産が上がり続けると考えるのは危険だろう。

おそらく今は天井に近いのではないか。

先日どなたかが「東京のタワーマンションの価格は、絶対にまだまだ上がり続ける」と言っていたが、30年前のバブル崩壊前夜を思い出した。

当時も地価が上がり続け、異常な高値をつけていたが、「日本の地価は絶対に下がらない。まだまだ上がる」と言って購入をせかしていた人たちがいたっけ。

その後の悲惨な大暴落はご存知の通り。

そもそも未来のことなんて誰にも分からないのに、『大きな声で』『自信満々に』
『絶対に大丈夫』という人のいう言葉は『絶対に』信じてはいけない。

不動産だけの話ではない。
残念ながら詐欺の事件が後をたたない。

みんなお人よしだから、「そんなに自信を持って言っているなら正しいのだろう」と信じてしまいがちだ。(私もそう)

みんなで気をつけよう。
お互いに注意し合おう。
何かを決める前に、誰かに相談してみよう。

騙されるのって、誰だって『絶対に』嫌なものだから。






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