写真を撮る理由と、買ってよかったカメラたち
先日、タイトルの話をしている、とある動画を見て、「そういえば自分はなんだっけな」と疑問が芽生えたので、思いつくままに描いてみることにする。
カメラを買ったきっかけ
今でもよく覚えている。
10年くらい前、同僚が飲み会の際にキヤノンの一眼レフを持ってきていて、それで撮った写真を見せてもらったときに衝撃を受けた。薄暗い夜のカフェで暖色の照明とロウソクの灯りを上手く取り込んだ写真で、こんな絵が作れるんだと本当に驚いた。
元々ちょっとしたグラフィックデザインが好きでつくってたり、ほんの少し3DCGをかじったりしていたので、絵をつくる大変さを知っていたつもりだった。そこにきて、店内でパシャリと撮っただけて、あんなにも情感豊かな絵がつくれるとは(まぁそんな言うほど簡単じゃないというのは後になって知るわけだが)……というわけでカメラが欲しくなるのは止められなかった。
素材を撮るためのカメラ
そこからは情報収集。機材はもちろん、テクニックなどの情報もたくさん集めた。その中で元々知ってはいたけど、改めて目を引いたのは写真を用いたコラージュ作品。Photoshopで写真を切り貼りして一枚の作品にしたり、結果的には自分ややらなかったけど、Flashに読み込んで動的に動かしたりというところに強い興味を抱いた。
つまり写真単体での作品というわけではなく、あくまでも素材としての写真を撮る、といった方向性。写真の質よりもデジタル的な使いやすさを考慮したくて、であれはキヤノンやニコンといった伝統的なメーカーよりも、ソニーのような家電屋さんのカメラの方がいいんじゃないかと思ってコニカミノルタを吸収後に登場したばかりのソニーの一眼レフ初号機、α100を購入した(元々SONY製品は好きだった)。
このときのα100は、今にして思えばソニーらしさ家電らしさというのはあまりなかったと思う。当時の従来の一眼レフデジタルカメラ、という感じが強かった。でも、写真の基本は詰まっている機種だったので色々勉強させてもらった思い出深いカメラだ。
絞り、シャッタースピード、ISO感度、ホワイトバランス……真っ黒になったり真っ白になったり変な色になったりボカしたくてもボケなかったり。Autoよりも上手く撮れなくてイライラしたのも、もはや良い思い出だ。
いくつか例を引っ張ってきたけど、ガッツリと加工をしたりコラージュしている。今でもやってみればこれはこれで楽しいと思う……やってみようかな久しぶりに(笑)
それにしても……当時は「えっ?なんでSONYのカメラなんて買ったの???」という反応だらけだったなぁ。SONY機に手を出したプロやアマチュアの人は肩身の狭い思いをすることもあったようだ。自分は元々キヤノンやニコンのカメラ使ったことないので、抵抗感ゼロだったから良かった。昔はカメラ持ち歩いている人が多いところなどに行くと、SONYユーザーなんてレアキャラだったのに、今では必ず見かけるのだから頑張ったなぁSONY……と思わざるを得ない。
さて、閑話休題。
写真らしさを求めはじめた
その後はNEX-7というAPS-CのEマウントカメラに変えた。小ささと独特な操作系、ソニーらしさがやっと表現されてきた機種と思って買って、実際その通りだったと思う(Tri-Dial Naviが便利だった)。この辺りから素材としての写真の使い方に加えて写真そのものを楽しむことを覚え始める。つまりRAW現像。
いくつかのレンズを試してたどり着いたのがツァイスのSonnar T* E 24mm F1.8 ZAで、これがまぁ素晴らしい写りで、レンズによる表現の違いというのを本格的に意識した最初のレンズだったと思う。他にはE 50mm F1.8 OSS を使ってボケの楽しさを痛感したりした。
徐々に素材として写真を切り貼りしたりするような加工ではなく、撮った写真そのものを楽しむスタイルになっていった。NEX-7の操作性も素晴らしく触っていて楽しかった。
後継機を待っていたけれど、なかなか出ずに、待っているうちにα7登場。ついにフルサイズミラーレス機が台頭し始めた。
とはいえ、APS-Cで十分と思っていて(フルサイズ高いし)、でも、なかなかNEX-7の正統後継機が出てこない。
フルサイズの魅力
そして気がついたらα7IIを買ってた。
いや素晴らしきかなフルサイズ。解像度も高いし大きくボケるし、NEX-7よりも数段楽しさが増した気がした。ここにきてモノクロも使い始めた。現像もピーキーな設定を抑えることが増えてきて、黒つぶれ白飛びに配慮するようになった。もはや「写真は素材」という意識はかなり薄れていたと思う。
高解像度の魔力
ここで使っているPCについて言っておこう。
現在メインPCはiMac 5Kを使っている。こいつの解像度は5120x2880ピクセルある。そしてα7IIの最大解像度が6000x4000ピクセル。iMac 5kで画面いっぱいドットバイドットで写せるので当初は十分だと思っていた。しかし、水平を調整したりとトリミングすると結構5120x2880ピクセル未満になってしまうこともある。そうすると全画面ドットバイドットの表示が難しくなり……。
そして解像度を求めてα7RIIへいってしまうことになる。4000万画素オーバーで驚異の7952x5304ピクセル。多少のトリミングなら全く問題なくなる。レンズも標準域におさまらず、ハーフマクロや望遠ズームなども手に入れて、どんどん機材のコストが上がっていく……(笑)
素晴らしい高精細感、その写りにのめり込んでいった。
そして今持っているα7RIIIへと至る。買った当時、買い替えにすると意外と安く手に入るチャンスでついうっかりアップデートしてしまった。
次はセンサーがリニューアルされてから買い替えかなぁと思っていたというのに……でも写りはやっぱり素晴らしいし、ダイナミックレンジが少し広がったり、高感度もより強くなったり、瞳AFやら何やら使い勝手かかなり向上していて満足度は高かった。
これを書いている現在、センサーがリニューアルされ、さらなる高解像度を得たα7RIVが登場している。でも自分的にはさすがにそこまでの解像度はまだいらないかなという感じ。6000万画素オーバーの9504x6336ピクセルは魅力的だけど、さすがにデータ容量が大きすぎる……。
と、α7RIIが出たときも同じようなことを考えた気がするけど、きっと気のせい。
解像度以外の良さ
そんなこんなで解像度至上主義ではあったものの……機材、とくにレンズの巨大さが気になってきた。例えばSIGMA 24mm F1.4 DG HSM | Art。素晴らしい写りなのは間違いないが、レンズはかなり大きく重い。SIGMAのArtシリーズがそういうコンセプトなので仕方ないといえば仕方ないが、とはいえGMレンズにしたところで、多少軽くなったとしても、大きさは大して変わらない。
そして、Voigtlander MACRO APO-LANTHAR 65mm F2 Asphericalを使っていたためにMFへの抵抗はほとんどなかったせいもあり、Leicaレンズへ至った。恐ろしくコンパクトでありながら、性能はトップクラス。このレンズ+α7RIIIという高解像度機で撮影した写真はどんなものになるだろう……という興味がどんどん募っていき、えいやっとSUMMICRON-M F2/35mm ASPH.とSUMMILUX-M F1.4/50mm ASPH.を買って、ついにはLeica M10-Pを買ってしまった……といった最近の顛末は以前書いた通り。
なぜ写真を撮るのか
さて改めて、なぜ写真を撮るのだろう、と再考してみると答えはシンプルで、
楽しいから。
これに尽きる。外へ出て、被写体を探し、光を見て、構図を考え、絞りやシャッタースピードといったカメラ設定を施し、撮る。これを繰り返して枚数を重ね、家に帰り、Lightroomへ取り込み、自分なりの良し悪しを見極めつつ、あーでもないこーでもないと試行錯誤しつつ現像する。いい感じに出来上がったものはFlickrへアップしたり、SNSへ流したりもするが、基本的には自己満足で誰かに褒めてほしいとか評価してもらいたいという意識は意外と薄い(いいねが付くと嬉しいのは間違いないが、それが目的ではない)。
M型Leicaの素晴らしさ
この一連のプロセスが本当に楽しすぎる。特に最近購入したM10-Pは素晴らしい。シンプルかつわかりやすいUI。レンジファインダーでサクッと二重像を揃える速写性。気持ちのいいシャッターフィーリング。
不便なのに便利、という感覚なんだけど、というのは使ったことならわかってくれると思う。
現像して仕上げた写真はMacの写真フォルダに格納して、ランダムスライドショースクリーンセーバーにしている。これをボーッと眺めるのが好きという自己満足の極み。
さて、これからどうしよう
Leica M10-Pを買ってまた1ヶ月経っていない。もっともっと使ってたくさん写真を撮りたい。今まで買ったカメラやレンズも本当に買ってよかったと思っているけど、M10-Pは群を抜いて買ってよかったと思っている。
ただ、マンネリ化するのも良くない。何か新しいチャレンジをしたいなーという気持ちが芽生えてきた。マクロ撮影や夜景撮影、星景撮影などあんまりやってない撮影は山程ある。再びコラージュ的な作品作りをしてみてもいい。せっかくα7RIIIという今でもハイスペックな機材で、動画を楽しんでみるのも良さそう。Leica M10-Pの上にGoProなりOSMO Actionのようなアクションカメラを取り付けて撮影中の動画ログを撮ったりするのも楽しそう。
……直近、Leicaでさすがにお金を使いすぎたので、ローコストなチャレンジで(笑)
最初は数万円単位の機材、そこから十数万円単位になり、数十万円のLeicaレンズ、カメラ本体を買うまでになった。「ま、趣味なんてそんなものだろ(笑)」と思いつつ今日も写真を撮っている。
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