【私の話vol 38 「小説」】

中学校時代までは一切本を読まない子供でした。課題図書を読まずに期末試験を受けて、何度も先生に注意されたり、怒られたりしました。

本を読み始めたのは高校生の時。
尊敬するイギリス駐在の叔父が読書好きで、本の話をしている姿がめちゃくちゃカッコ良くて、憧れたのがきっかけです。イギリスに住む叔父の家に遊びに行かせてもらった際、本棚にあった叔父の『ノルウェイの森』を読んだのがきっかけで本の世界にハマりました。

次に出会ったのが岩井俊二さんの作品。
『スワロウテイル』と『リリイシュシュのすべて』を読んで岩井俊二さんの世界観が大好きになりました。

大学1年生の時、浪人までしてやっと始まった大学生活に絶望。
辟易として過ごしていた際に、出会った作品が、貫井徳郎さんの『慟哭』でした。この作品に出会えた事で私の読書に対する熱量や想いが強くなっていき、毎日のように本を読むようになりました。

『慟哭』の衝撃と完成度が強過ぎて、ミステリー小説にガッツリ進んでいきます。

ミステリー小説を読み漁る日々が始まりました。東野圭吾さん、我孫子武丸さん、米澤穂信さん、池井戸潤さん、歌野晶午さんなど、とにかくミステリー小説だけを読んでいた時期があります。

文字だけでこれだけワクワクさせてくれる、人を騙しゾクゾクさせてくれる小説家の人達を尊敬し憧れていた時期があります。

恋愛小説など、ミステリー以外も読み始めた時期、私が人生で出会った中で最も好きな小説は白夜行ですが、2番目に好きな作品は、池井戸潤さんの『アキラとあきら』です。

歩むべき道は異なれど、共に銀行員となり出会う2人のアキラとあきら。一番好きなシーンが、新人研修のシーン。
優秀な2チームが銀行側(貸すか貸さないかを判断)と企業側(借りられる書類を作る)に分かれて対決します。企業側が粉飾決算を行い、銀行側が見事それを見破るという展開が描かれていますが、このやり取りが最高に素敵でした。

WOWOWのドラマでは、この新人研修シーンで、最も美しいセリフがカットされているので、製作した人は原作へのリスペクトが無いなってめちゃくちゃがっかりしたのを覚えています。

この作品に出会い、会計学に興味を持ちました。アキラとあきらが共に力を合わせるシーンが本当にカッコ良くて、憧れて何度も読み返したのを覚えています。

素敵な物語、素敵な作品に出会えると超ワクワクします。私と彼女は、好きな作品が同じだったり、感動するポイントが一緒なので本当に幸せだなって日々感じています。これからも色々な作品の感想を語り合いたい、彼女の好きな世界観に触れて感性を磨きたいと強く感じています。

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