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「叱る」について

子育て中なら子どもに対して、仕事をしている人ならば職場で、
「叱る」「叱られる」経験は1度や2度ではないはずです。

「叱る依存」が止らない』の著者、臨床心理士の村中直人さんは、
「叱る行為に相手への効果はほとんどなく、むしろ『叱る側』のニーズを満たすためが多い」と指摘しています。
以下は、本の抜粋です

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そもそも「叱る」とは、「言動よくない点などを指摘して強くとがめる。」(大辞泉)などとあるように、「言い聞かす」「説明する」とは異なり、相手に恐怖や不安、苦痛などを与える攻撃的な面も含んでいる。
人は、恐怖や不安を感じるとき、脳内で「防御システム」が作動する。
その場から一刻も早く逃れようと、すぐに行動を止めたり、謝ったりする。
しかも、「防御システム」が作動するとき、学びに繫がる前頭前野の動きが鈍くなることが研究で明らかになっている
つまり、叱られた側が、叱られた原因を自ら考えたり、適切な判断や行動を学ぶことにはつながりにくい。結果として不適切な行動を繰り返したり、都合の悪いことを隠したりするようになるようだ。

叱る行為に意味があるのは「危険な行動など、絶対にしてはいけない行いを即座に止めさせる必要があるとき」に限られる。

気をつけないといけないのは、叱る側は、叱ることで快い感覚を得られるということだ。

人には、悪いことをした人に罰を与えようとする「処罰感情」が生まれつき備わっていて、この感情が満たされたときや、満たされそうなとき、快感をもたらす神経伝達物質ドーパミンが脳内で分泌される。

叱る行為も同様に、自分の思う『あるべき姿』と異なる人を叱ることで、脳内ではドーパミンが分泌されている可能性が極めて高い。

交流サイト(SNS)でバッシングが過熱する背景にも、この「処罰感情」がある。

必要時以外に「叱る」行為から脱却するには、「叱るを手放す」を推奨する。叱る側は、何らかのストレスを抱えていたり、本人が叱られ続けてきたために他の方法を学んでいない場合が多い。

まず、叱る側が、ゆとりを取り戻すように心がける。相手の問題行動が起きやすい状況を前もって把握し、考えられるように予測力を磨くことも有効。

子どもや部下の成長を促すには①本人に学ぶための準備が整っているかを考える②本人に合った教え方を考える➂本人の主体性を尊重する

叱る側には、自分の思う「あるべき姿」が妥当かどうかを省みる。
「こうするのが普通だから」などと逃げずに、「それが時には、自分が望む未来でしかないことを自覚する」必要がある。

当然、叱られる側にも、本人の望む未来や、ありたい姿がある。相手の主観も尊重してほしい。

スーパーのレジに並んでいる時に、特売の袋ラーメンコーナーが目に留まったので、一緒にいた長男に「醤油か味噌か塩、好きなの持ってきて」とお願いしたんです。するとコーナーの反対側に回り込み、1Lの調味醤油を手にして「これ?」と。いやいや、カゴをレジに置いて長男に歩み寄りながら、(あぁ、ラーメンとは言ってなかったな)と反省。改めて自分の言葉↑を思い返します。…その3択から調味醤油を探し当てた長男に拍手を送りたくなりました。彼にしてみたら、醤油だって味噌だって塩だって、好きなのと言われて自ら選び取るものではないからです。…こちらの意図を理解した長男は、いつもだいたい決まって彼が選ぶ、醤油ラーメンの袋を手にしたのでした。

言ったつもりでイライラするの、気を付けます。

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