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結婚して、熟成して、夫婦になる


生まれてから今まで、ずっと一人の人はいないはずだ。
お母さんから生まれて、育ててもらって、今まで生きてこれたのは家族や友だち、親戚のおばさんやおじさん、いとこ、先生にクラスメート、職場の上司や先輩、今まで付き合った彼氏や彼女。

いろんな人との出会いがあり、同じ時間を過ごしてきたことでつながりが出来て、自分という人間がかたち作られてきた。

結婚しなければ一人前じゃない、なんてことはもちろんない。
でも、きっと結婚することで、今まで出会った中で一番近しく、一番心許せる人ができるはず。なんといっても生活を共にする相手であり、気の合う友だちも立ち入ることのできない、ふたりだけの密接な時間と空間を作っていく家族になるのだから。

たったひとりの大事な家族を愛し、心配し、思いやることで、お互いの絆が深まり、情けないことも、頼りないことも、見せ合いながら、信頼を重ねていく。そういう相手がいることで、自分を知ることもできるし、頼られていることへの自信にもつながる。

昭和生まれのわたしの場合は、ワンオペ育児なんていう言葉どおりの子育てだったし、ずっと飯炊き女で、今もそうだ。もちろんわたしだけでは無理だったはずの経済的な支えが得られて、子供たちを大学にやることも出来た。

いままでの人生で、夫を100%好きなんていうことはない。大嫌いな時期は確かにあったし、どうしてこんなやつと一緒になったんだっけ?って思うこともあった。あの時の言葉は絶対許せない、とか、毒をいくつも腹に収めてある。それでも、ご飯を一緒に食べたり、たわいのない会話をしたり、笑い合うことができる相手なのである。理屈じゃなくて、夫婦なのだから仕方がない。きっと、先に死なれたら悲しいし、寂しくなる、そういう相手である。



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