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はじめての心療内科
もう5年以上前のことになるが、はじめて心療内科を受診したときのことを書こうとおもう。
これから受診しようと思っている方、心療内科には抵抗がある、という方の参考になればうれしいです。
受診したきっかけ
その頃の僕(大学院生時代)は、以下のようなメンタルの不調に悩まされていた。
周囲の人が話している内容が、自分のことなのではないかと疑ってしまう。
自分のことを知っている人がいない場所でも、誰かが自分の悪口をいっているように思える。
いったんそう思い始めると、強烈な不安感と焦燥感に襲われる。
これだけ見ると、統合失調症の症状の一つである
「関係妄想(なんでも自分に関係あると思い込むこと)」
と思われる方もいるかもしれない。
実際、当時の僕はネットで症状を検索して、自分が統合失調症なのかもしれないと思っていた。
だけど、自分ではどうしたらいいのかが全く分からない。
一刻も早く、このわけのわからない状態をなんとかしたかった。
偶然にも、最近連絡をとっていなかった友人に、躁鬱病で心療内科に通院している子がいることを思い出した。
その友人に連絡をとり、同じ病院を紹介してもらうことになった。
クリニックにて
紹介してもらったクリニックは、こぢんまりとしているものの、清潔感があり静かな環境。
僕が訪れたときは、受付のスタッフの方と先生しかいなかったようで、他の人に話を聞かれる心配もなさそうだと思った。
十分ほどすると診察室に案内され、先生に「今どのようなことで困っているか」を事細かに話した。
あまり愛想のいい先生ではないが、途中で口をはさむこともなく、僕の話をひとしきり聞いてくれた。
しかし、
「では、このような方針で治していきましょうか」
といったことを提案するわけでもなく、先生は黙っている。
しびれを切らした僕は、
「僕のような症状の人は、この病院にいらっしゃるんでしょうか。もしそうであれば、どのようなお薬をつかうことになりますか」
と聞いてみた。
先生は、
「あなたのような困りごとで投薬されている方もいますが、うまくいってませんね。」と言った。
色々と突っ込みたいことはあったが、黙って続きを聞くことにした。
「強迫観念という言葉はご存知ですか?
テニスプレーヤーが、サーブを打つ前にボールをバウンドさせたりしますよね。
別にボールをバウンドさせなくてもサーブは打てるけど、ついやってしまう。あれも強迫観念によるものなんです。
あなたが困っている自動思考も、そういった強迫観念の一種でしょう。」
そんな生易しいものではない、と言いたかったし、
なによりも、自分の困りごとが大したことではないと言われている気がして腹が立った。
だがそこはなんとかこらえて、ではこれからどうしていけばいいでしょうか、と尋ねてみた。
「まずは強迫観念(強迫行為)について詳しく勉強してみてください。
あなたは博士課程に通われているのだから、きっとお読みになれることでしょう」
「では、強迫観念について知れば、僕がこの先どうすればいいかわかるということでしょうか。」
「ええ、知識は武器になりますから。」
このようなやりとりをして、初めての診察は終了した。
その後
それから僕は5年以上にわたって、自分の症状を改善できる方法を研究し続けている。
結果として、僕は強迫性障害(OCD)ではなかった。
けれど、あの日先生が安易に薬をもたせて僕を帰らせなかったことには深く感謝している。
結局、精神疾患を治すのは、医者ではなく患者自身なのではないかと最近は思っている。
同じような症状でも、原因は人によって違うし、治し方も人によってさまざまだからだ。
でも、だからこそもし僕と同じように苦しんでいる人がいるなら、少しでも近道をしてもらいたい。
そう思ってこのnoteをはじめることにした。
自分が、そして同じ苦しみをもつ人たちがいつか笑える日が来ますように。
では、今回はここまで。
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