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引っ越し


3年住んだ賃貸を退去することになった。
いま、部屋を片付けている真っ最中だ。
次第にガランとしていく空間がなんとなくもの哀しい。
ちょっとセンチメンタルな気分だ。

この部屋と初めて出会った日のことをふと思い出す。
何件も部屋を内見する中、いまいちピンとくる物件がなく、頭を悩ませていたところ、不動産屋の担当者が「もしかしたら、あそこはどうかな?」と思い出したかのように案内してくれた。

部屋に入った瞬間、ビビッと感じたのを覚えている。

「この部屋だっ!」

「ここしかないっ!」と。

いわゆる一目惚れである。
その瞬間、心は決まった。

5階建マンション。築40年。見た目もまさに「The 昭和」
周囲に立つ他のマンションと比べると、なんとなく色褪せている。
しかし、その外見やプロフィールとは裏腹に、部屋はリノベーションされていてかなりキレイだった。部屋面積も広く、大きな窓が4つもあり、開放感はバッチリ。3階で風通しも良いし、東向きで日当たりも抜群。
とても快適な物件だった。


この部屋に3年間も生活を支えてもらった。
僕の生活はこの部屋があったからこそだ。
3年間の「生」をつないでくれたのは、紛れもなくこの部屋だ。

愛着もひとしお。
もはや相棒である。
マイバディーと呼びたい。

そんなマイバディーにあと数日でお別れかと思うと、少し寂しい。

いや、少しどころじゃない。
かなり寂しい。

それにお別れはこの部屋だけじゃない。
近くのコンビニやスーパー、公園や散歩道。
3年もの間、僕の日常だった風景。
長い間、お世話になった。
もはやマイバディー。
これらの景色ともサヨナラだ。

もうこの景色も日常ではなくなるんだよな、、、
 
そう思うと、めっちゃセンチメンタルである。

こんなにも「お別れ」がたくさんだ。
こんなのセンチメンタルにならずにおれるだろうか?

いや、おれない。

とにかく、ほんとうに3年間、この部屋やこの景色にはお世話になった。
感謝しかない。心からこのマイバディーたちにお礼を言いたい。


今までありがとう!!
お世話になりました!!


部屋の引渡し日まで残り数日。
この寂しさをかみしめながら、でも惜しみないように、大切なマイバディーたちと一日一日を大切に過ごしたい。

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