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【読書感想文】金子みすゞ童謡集 わたしと小鳥とすずと
🌲金子みすゞとは
・本名 金子テル
・誕生日 明治36年(1903年)4月11日
・生まれ 山口県長門市仙崎 漁師町
・家族 父 母 兄 弟 祖母
みすゞ 2歳の時に父 他界
弟が下関の親類の家(母の妹が嫁いだ大き
な本屋)にもらわれていく
・金子家 仙崎で一件しかない本屋を営む
・弟のいる下関の家の母の妹が亡くなり
母がその家の主人と再婚する
・みすゞが祖母と仙崎に残り女学校を卒業
・兄が結婚後、下関の母のところで暮らす
・下関にある三げんの店を持つ大きな書店だっ
たため、その1けんの店番として働く
・西条八十の童謡に感動し雑誌に投稿
・八十『イギリスのクリスティナ・ロゼッティと同じだ』と絶賛
・昭和5年(1930年)3月10日
26歳で他界
🌲詩と童謡
森鴎外『童謡は詩の芽だ』
ワーズワス『こどもこそ大人の父だ』
みすゞの作品は詩であり、童謡としてとらえられるほど、純粋な作品ばかりです。
余計な言葉を入れず、最小限の言葉を選んで読み手に語りかけます。
概念
(詩)文学の一部門。風景、人事などの一切の事物について起こった感興や想像などを一種のリズムを持つ形式によって叙述したもの。
(童謡)子どものために作られた歌。
亡くなってから発見された第1童謡集『美しい町』、第2童謡集『空のかあさま』、第3童謡集『さみしい王女』、みすゞが生前に発表した90編を含む512編もの作品は『金子みすゞ全集』という本になりました。
矢崎節夫氏が長年尽力された結果、貴重な作品が世にお披露目されました。
童謡集『わたしと小鳥とすずと』はその中から矢崎氏が60編を選び、古い漢字や仮名遣いを改めて、読みやすくまとめたものです。
矢崎氏は、
『童謡は詩です。リズムのある詩です。』
みすゞの童謡を読んだ後に感じる心の安らぎや、心の洗われるような気持ちを
『みすゞのいのりの詩』と述べています。
🌲金子みすゞに惹かれる訳
・素直な表現でわかりやすい
・平仮名を多く使うやさしい言葉遣い
・擬人法を使って思いやりのある表現
・想像力と創造力
・豊かな感性
・懐かしいリズム
・客観的に社会を見つめる
・全てのものへの慈愛
どこにでもある『小さいもの・力の弱いもの・無名なもの・無用なものにも目を向け慈しむ心』が、感じられます。
一見子どもの目線で書かれた詩ですが、生と死とを冷静に見つめているところ、どこか儚さを感じるところも、惹きつけられる理由かもしれません。
言葉は表面を飾るものであって、その奥底は読み手により幾通りにも解釈ができます。
自分の経験と重なって懐かしく思ったり、はっと気づかされたりしたときに、人は感動します。
忘れていた感情を呼び起こされるのです。
みすゞの詩を読むと、どこか懐かしく、故郷の風景を思い出す人もいるでしょう。
みすゞが作品を書いている光景までが目に浮かび、心が温まる自分がいます。
100年以上前に書かれたものが、今の世を生きる者にも新鮮に感じられる情感のある作品は、ずっとこれからも生き続けるでしょう。
🌲大好きな作品をひとつ
「わたしと小鳥とすずと」
「こだまでしょうか」
心洗われる有名な作品ばかりです。
「星とたんぽぽ」
青いお空のそこふかく、
海の小石のそのように、
夜がくるまでしずんでる、
昼のお星はめに見えぬ。
見えぬけれどもあるんだよ、
見えぬものでもあるんだよ。
ちってすがれたたんぽぽの、
かわらのすきに、だァまって、
春のくるまでかくれてる、
つよいその根はめにみえぬ。
見えぬけれどもあるんだよ、
見えぬものでもあるんだよ。
私はまだ60編しか知りません。
喜びの裏に悲しみを秘めた作品の数々をもっと読みたいと思いました。
詩でありながら童謡であり、映画のような小説のような、肩に力の入らない自然体のみすゞの作品が好きだから。
短い人生でしたが、多くの詩を残して下さったこと、この作品を矢崎氏が努力して世の中に広めて下さったことに感謝しています。
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