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結局JFLってなんぞや?~Honda FCの所属するリーグについて~

前置き


本記事の執筆者はHonda FCのにわかファンです。細部の記載に誤認識がある可能性も含めて、本記事をご覧いただけると幸いです。

記事を書くきっかけ

私は過日、以下の記事をnoteに投稿しました。

だが、私はまたしても思いました。「これ、JFLの説明がざっくり過ぎないか?」「Honda FCの所属するリーグを、説明できているのか?」と。だから私は考えました。だったら、にわかなりに書いてやろう。
そういうわけで、しばしの間ツッコミを入れながらでもお付き合いいただけると幸いです。

そもそもJFLってなんぞや?~歴史と構造~

JFLとは正式名称を「日本フットボールリーグ」といい、J2の発足により終了となった旧JFL――ジャパンフットボールリーグからJ2に参加しなかったチームと、横河電機サッカー部(現:東京武蔵野ユナイテッドFC)、横浜FCの9チームにて1999年より始まりました。

以来、プロ化を考慮していない企業及び大学チーム、地域のアマクラブチームにとっては最高峰カテゴリ及び唯一の全国リーグとして存続し続けており、J3の発足した2014年からは、別ヒエラルキーの同格カテゴリ(ただし成績等の条件により最大2チームがJ3に参入資格を入手する)となっています。
また、2023年からはJ3とJFLの間に入れ替え制度が発足したため、J参入⇔J資格喪失の関係をもって、同一の構造が存続しています。

まあざっくり言うと上図のような構造がJリーグとJFLの関係となります。ですが、一部には疑問も抱く方もいるでしょう。「どうしてピラミッドが2つあるん?」と。
だが、これに関してはおそらくややこしい話となるので、脇に置くこととさせていただきます。今回の主題はあくまで「JFLについて」ですので。

JFL自体の構造の話へと戻ります。2023年現在、JFLには以下15チームが所属しています。

Honda FC
ラインメール青森
FCマルヤス岡崎
東京武蔵野ユナイテッドFC
ヴィアティン三重
ヴェルスパ大分
鈴鹿ポイントゲッターズ
ミネベアミツミFC
高知ユナイテッドSC
FCティアモ枚方
ソニー仙台FC
クリアソン新宿
レイラック滋賀
ブリオベッカ浦安
沖縄SV

この内企業チームであるHonda FC、FCマルヤス岡崎、ミネベアミツミFC、ソニー仙台FC、そしてかつてはJリーグ加盟を標榜していた東京武蔵野ユナイテッドFC以外の10チームが現在、もしくは将来的なJリーグ加盟を目指ししていて、いわゆる「プロ志望チームとアマチュアチームの混成リーグ」となっているのが現状です。

また、アマチュアチームでもプロ契約者を保有していたり、社業と練習のバランスによってそれぞれスタンスが異なったりしています(一例ではありますが、Honda FCの場合は全員が兼業アマチュア。主に午前中に社業に従事し、午後に練習を行っています)。

ともかく。本年のJFLは、上記15チームがホームアンドアウェーの総当たり戦を行い、その結果によってJ参入や地域リーグへの降格が発生(入れ替え戦含む)したりするという形で運営されています。

具体的にはJ3ライセンスを保有した形で2位以内に入ればJ3参入の道が拓けますし、最下位になればライセンスに関係なく地域リーグ上位(正確には地域チャンピオンズリーグ上位)との入れ替え戦が発生する恐れがあります。つまるところ、中位でもないと安寧はないのです。

以上が、JFLの歴史と構造です。どちらかと言うと構造の話に偏ってしまったきらいがありますが、許していただけると幸いです。

ともかく、覚えて欲しいことは2つです。
・JFLは、「プロ志望チームとアマチュアチームの混成リーグ」である。
・Jリーグと同じく昇降格(便宜上の表現)が存在する。安寧は保証されない。

それではここからは、そんなJFLの魅力について述べていきたいと思います。

JFLの魅力~日本唯一無二の混淆リーグ~

結局のところ、JFLとは2つの姿を持つリーグです。
ひとつ。Jリーグに参加するための最後の登竜門
ひとつ。アマチュアの最高峰にして唯一の全国リーグ

単なるJ1から数えて4番目のリーグかと思えば、アマチュア最高峰のチーム達によって足元をすくわれ、何年も滞在することになってしまいます。

岡田武史日本代表元監督がオーナーのFC今治で3年、J3を1年で駆け抜けたいわきFCでも2年(2020年シーズンはコロナの影響で1回総当たり制)を費やしてJ3へと巣立ちました。また、昨年J3へと旅立った奈良クラブ、FC大阪も数年に渡ってJFLに籍を置いていました。
いかにクラブライセンス(J3のライセンスがない限り、どれだけいい成績でもJリーグへの入会は認められない)の都合もあるとはいえ、簡単に駆け抜けられるほど甘いリーグではありません。

ではそうなってしまう最大の要因はなんでしょう。主にHonda FCの存在が大きいと、私は愚考いたします。
紆余曲折があったとはいえ、Jリーグ創設以後30年間のほとんどでアマチュアトップカテゴリに在籍したこのチーム。結果的な話ではありますが、数多くのJ志望チームに対して最大の壁として立ちはだかってきました。
2020年以降は優勝を逃しているとはいえ、それでも終盤まで優勝争いに絡み続ける力、Jリーグを目指すチームに勝ち得る力は、今もなお保有しています。避けては通れない道なのです(とはいえ、去年までは年間4位以内、Jリーグ百年構想クラブで2位以内、その他諸条件の達成ですり抜けられたのですが)。

これはひとえに、混成リーグの持つ力でしょう。単純なJ4扱いのリーグであれば、そこそこの実力があれば駆け抜けられるに違いありません。
ですが、Honda FCやソニー仙台など、プロに抗い、時に勝利し得る力を持ちながらもプロを志向しないチームが、JFLにはいます。
それらに負けない実力を磨き上げることで、Jリーグに弾き返されないだけのものを手に入れる。そんな機会に恵まれているのではと、私は愚考いたします。

「今年こそは」とJリーグを目指すチーム。現時点はともかく、将来的にJリーグを標榜するチーム。そして形式はどうあれアマチュア、企業チームとしての形にこだわるチーム。これらが織りなす混淆、日本に只一つしかないカオスから生まれる戦いこそが、JFLの魅力ではないか。そんなふうに、私は思うのです。

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