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コペンハーゲン旅日記⑨ 安い筆を預け荷物に入れてはいけない

長い長い1日が終わり、遊びに来たとは思えない疲弊感と共に歩いていると、テラス席まで賑わっている素敵レストランをホテルから1分くらいのところに見つけました。ここでご飯を食べようと当たりをつけてから部屋に戻ると、すでに18時を過ぎていました。ホテルの部屋に戻るとやっぱり鏡に映る自分はヨレヨレのボサボサです。夫の学会が終わるまで時間があったので、最低限の身だしなみとして極小のシャワールームでシャワーを浴びることにしました。

50時間ぶりのシャワーは最高でした

久々のお湯は気持ちよく、シャワーヘッドが壁に固定されていないことも高評価でした。壁にシャンプー兼ボディソープがついていて、頭の先から足の先までツルッと一気に洗い上げることができました。リンスインシャンプーは許せない派なのですが、ボディソープとシャンプーが一緒になってるのは、潔い感じで良いです。狭い場所に立って浴びなきゃいけないシャワーの時体が硬くて、足首より下を洗うのがめちゃくちゃ苦労するのですが、不問に付しました。

風呂上がりのスキンケア

風呂に入ったらせっかく持って来たスキンケアと化粧セットを使ってディナー前に身だしなみを整えるとします。1時間の猶予を活かして、泡だてネットで顔を洗い、メラノシーシーの仲間たちを顔に塗りたくっていると、乳液のボトルが鮮やかな赤に染まっていることに気づきました。見ると化粧品を詰めて来たジップロック自体が、赤い液体まみれになっていました。なんか漏れたかなと思いましたが、赤の液体はティントしか持って来てないので、違います。さらに探索を進めると3本ほど持って来た化粧筆の絵が不自然にはげていることに気がつきました。持ち手は赤です。
飛行機の預け荷物になっていたときに、気圧だか気温だかによる何かが起こって、溶けてしまったという以上に合理的な仮説を生み出すことができなかったため、暫定真実となりました。
触ってみると指が痺れて何かが皮膚を侵襲しているような感覚に襲われ、頭がぽわっとしてこれはやべぇとなり慌てて水で手を洗いました。デンマークの水は冷たく、指が痛くなりましたが、生物として触ってはいけないものを触ってしまった感じがするので、化学薬品を洗い流す気持ちで10分間流水で洗い流しました。

あれはいったい何だったのか

恐れをなして「化粧筆 溶ける しびれる」「メイドインチャイナ 塗料 溶ける」などのワードで調べましたが、結局何が塗られていて何が溶けてどんな影響があるのかはわからないままになってしまいました。とりあえず筆は捨てたもののどこまで赤く染まった物品を捨てていいのかは悩みどころでした。しかし、結局何も捨てないことにして、すべてタオルを手に巻いて掴み水で洗いまくりました。荷物を増やして持ち込んだスキンケアが無駄になってしまうので、赤く染まったメラノシーシーでスキンをケアしました。

初めての経験で恐怖に支配された時間が長く、化粧をする時間を設けることはできませんでした。化粧筆ももうないですし。思い出しながら書いていたら、プラシーボ効果でなんだか指先が痛くなったような気がします。

すごく安い筆を飛行機の預け荷物に預けてはいけないということを学びました。

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