【毎週ショートショートnote】噛ませ犬ごはん
校舎裏、ぼくは二つのお弁当の一つをもくもくと食べる。
今日で、八連敗中だ。
手作りのお弁当をいっしょに食べないかと女の子を誘うだけなのに、白い目で見られる。
あげく、ぼくが女の子に弁当を拒否られた後、その女の子に告白すれば、すんなりつきあえるようになるってさ。
ぼくは、好きな女の子とご飯を食べたいだけなのに。
満腹になりながらも、もう一つの弁当を手をのばしたときだった。
「腹いっぱいなら、それくれよ」
ぼくはびっくりして、座ったまま腰をぬかしそうになった。
「おいおい大丈夫か」
ズボンの丈が足首より上の背丈が高く大柄で、プラチナブロンドの短い髪に、耳にピアスをつけた不良がいた。
「実は、前から狙ってたんだよ」
舌なめずりをしていたので、弁当をあげると、すぐに食べきってしまった。
「あー、うまかった。な、今度スイーツバイキングにでもいかねえ?」
その後、この腹ペコ不良が女の子だとわかり、ぼくは、はからずとも女の子とごはんを食べれたのだ。