【インスタントフィクション】 嵐のような日々
覚えられない。
一日なにをしていたのかが、思い出せないから覚えようとしたが、思い出せない。
朝食をなに食べたか忘れるならまだしも、さっき食べた夕食を思い出せない。デザートにアイス食べたのは思い出せる。
このまま、なにもかも思い出せなくなるのか。
それは嫌だ。
でも、一日一日を記録してもなあ。
一日一日の積み重ねが大事なのはわかるが、そんなに書くことなどない。
スケジュールには、仕事の〆切ぐらいしか書かない。
なんて真っ白な人生。
このまま人生も白くなくなっていきそう。
いや、このままではダメだ。
なんとかして現状を打破しなくては。
一日一日は残せなくても、一週間、それがダメなら一ヶ月、それもだめなら一年のふりかえりをすればいいだけだ。
できる。私はできるんだ!
どれだけ思い出せるか、ちょっとテストをしてみよう。
昨日はなにをしていたっけ?
仕事に行って帰って、寝た。
休日は?
仕事でしんどくて、ずっと寝てた。
どうすんだこれ。