【毎週ショートショートnote】 告白水平線

どうしよう。

林檎ちゃんと、恋人になってしまった。

なんで、こうなった。

っていうかさ。


林檎ちゃん、好きな人いたよね!
いいの僕で!?

どうしよう…。


「どうした。なんか考えごとしてるな?」
「なんで、わかるの! っていうか、気づくの早すぎだよ!」
「私でも、わかりますよ。犬先輩」

七色のチーズが、かかったサイコの鶏唐を三人で食べながら、僕は言うべきかどうか悩む。

「ほら、言ってみな。恋人に隠しごとは、なしだぜ?」
「こっ、こっ、こっ」
「にわとりですか?」
「違う! えと、ええと。本当に僕でいいの? 林檎ちゃん、好きな人いたじゃない」
「は? それは、お前だが?」
「え?」
「私の好きな人は、鎌犬だが?」
「え…、えええええええ!」
「知らなかったんですか? 犬先輩?」
「なんで理香ちゃん、知ってるの!」
「女の勘です」
「うわ……。僕だけ…。僕だけ、知らなかったなんて…」

うわ、どうしよう。

うわうわ。

「末長く、よろしくお願いします」

僕は頭をさげた。