外国語の授業は「言語活動」が大事
外国語通信Part3
前回の通信で、外国語はコミュニケーションの学習であり、言語活動を通して身につけていくものであるとお伝えしました。今回は言語活動について、詳しく見ていきたいと思います。
①言語活動とは?
言語活動とは、
「実際に英語を用いて、互いの考えや気持ちを伝え合う活動」
のことです。
注意すべきは、学習する表現について理解したり練習したりするための指導とは区別されているということです。具体的な活動例として以下に示しました。
「練習」→発音練習、歌、ミッシングゲーム、英語の文字を機械的に書くな ど
「言語活動」→好きなものを尋ね合う、ALTの自己紹介を聞く、海外の友達からの手紙を読んで返信するなど
「練習」は、ただ英語の言い方や書き方などを練習し、考えや気持ちの伝え合いがない活動のことです。
「言語活動」は、英語の音声や文字を使い、教員や子どもたちなどが考えや気持ちをやり取りする活動であり、話すことはもちろん、教員やALT、音声教材などが話す英語を聞いたり、手紙や物語などを読んだりして、「話し手の考えや気持ちを理解する」活動も含まれています。この言語活動を中心に、授業を組み立てていくことが大切です。
②言語活動を行う上で大切な要素
外国語における言語活動を行う際には、
「相手意識」「必然性」「本物」「コミュニケーションの楽しさや意義」
の4つの要素を意識すると、言語活動はとても行いやすくなるそうです。以下は私なりの解釈です。
「相手意識→相手にとって未知の情報であるか
「必然性」→英語で伝える意味があるのか
「ほんもの」→実在する人・もの・ことであるか
「コミュニケーションの楽しさや意義」→対話的に他者と協力して解決できるものか
これらがあるかないかで、言語活動の充実度が格段に違います。私の実践例で恐縮ですが、光村図書Here we go 6年 Unit9「Junior High School Life」「自分のことを知ってもらうために、中学校の英語の先生に対して、自分のことや中学校生活の抱負を伝える」という言語活動を設定しました。
「相手意識」→お互い(先生・児童)初めて会う人
「必然性」→中学校の英語の先生
「ほんもの」→小学校に中学校の英語の先生に来てもらう
「コミュニケーションの楽しさや意義」→これからお世話になる英語の先生に直接会って伝える
この時は、子どもたちの意欲と発表内容の質の高さに、この4つの要素の大切さを実感した実践になりました。どの教科でも通用する万能な要素たちだと思うので、ぜひ皆さんの実践にもご活用ください。
参考資料・文献
・『小学校外国語活動・外国語 研修ガイドブック』 文部科学省
・『小学校外国語活動のツボ』 直山木綿子
・文部科学省/mextchannel 【なるほど!小学校外国語①]言語活動】https://www.mext.go.jp/a_menu/kokusai... (参照日2023年4月28日)
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