推せる眩しさ〜『推し、燃ゆ』を読んで〜
芥川賞を受賞した宇佐美りんさんの『推し、燃ゆ』を読みました。
内容
主人公の高校生あかりは、勉強もうまくいかない・居酒屋バイトもうまくこなせない。でも、推しの真幸くんがいるから頑張れる。そんな彼がファンを殴って炎上した。
推せない人間
私は好きなアーティストもいなければ、趣味だってないです。日常的な楽しみは読書くらい。小学校の時はアニメにハマったけど、中学になってからは興味がなくなっちゃった。
音楽を聴いて良いなと思う人はいてもライブに行く気はしないし(チケット取るの面倒そう)、Youtubeで動画と共に音楽聴けるでしょ?って思ってしまいます。なんでもそうだけど、何かにのめり混むのが怖くてのめりこみ方がわからなくなってしまったのかも。
主人公のあかりのように、お金がなければバイトしたり推しのことをブログに書いてファン同士で繋がったりと行動にうつせることが羨ましいです。いや、もう眩しいくらい。日々いろんなことあるだろうけど、何かを推せることができたら日常に物凄く張り合い出るだろうなーって思います。
こういう思考自体が間違っているんですよね。推し活している人は、好きだから推しているのであって、生活に張り合いが欲しい訳じゃない。何かメリットを求めようとするからダメなのかも。何かを好きになりたい。
あかりは発達障害?
作品を読んでいると、主人公のあかりは発達障害?と感じる場面が多々あります。過集中だったりうまく接客ができなかったりするとことか。生きづらいよね。
好きなものは好き!と言える人は嫌なものに対しても気持ちを伝えられるように思います。(受け入れられるかは別として)
推せるうちに推せ
推し界でよく言われていることらしいです。推しが結婚したり引退したりする可能性があるからだけど、コロナ禍の今ではライブがなくなったりするのもよくあること。
推せないアラフォーから言うと、若い時に推せる経験をしておけ!です。もしかしたらこれから推せる存在に出会えるかもしれないけど、それはかなり厳しい。年を取れば取るほど、好きに対して鈍感になります。推している時は親や家族が「推し活してどうなるの?」とか「そんなことより勉強しなさい」とか言われるかもしれない。そんな言葉は聞き流した方が良いです。
若い時に推せる経験をした人は、自分の気持ちに素直になることができると思います。大人になればなるほど、感情に蓋をしてしまいます。作品の中に「推しは尊い」という文章が出てくるけど「好きを大切にしている人が尊い」と思います。
まとめ
amazonのレビューを読んでいると切ない、辛い、苦しい、しんどいと
書いている人が多くそういえばそうか!と思いました。明るい内容ではないからね。
ただただ、私には推せるあかりが羨ましくて眩しかったです。
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