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【MTGレガシー】 「青単ダークデプス」の輝き: 後編 対「スニークショー」 【初心者、復帰勢、自分と同じ親に向けて】

1.こちら、「青単ダークデプス」。2ターン目に《帳簿裂き》を出して、返しのお相手の番だったと思います。突然の《実物提示教育》!!!

This is the
「レ ガ シー」

ろくな応手を引けておらず、こちらは嫌々ながら《水蓮の花びら》を伏せるのみ。一方でお相手の手札から飛び出したのは、《引き裂かれし永劫、エムラクール》!

女神、降臨

いいですね~、かなりのホットスタート。レガシーで遊んでると再認識させてもらえます。
全てが0マナになる《全知》経由で“唱えた”わけではなく、《エムラクール》は《実物提示教育》の効果で、ただ戦場に出現しただけ。
それなら追加ターンを得られないので、猶予と引き次第では何とかなる……かも?
実際に《もみ消し》を《エムラクール》の攻撃に合わせて「滅殺6」も打ち消し、さらに時間を稼いでみたのですが、返す術はなく、1本目は獲られます。

“機転”で応用は無限
ただし純然たるパワーゲームでは役立たないことも

オリジナルデッキ「青単ダークデプス」奮闘記、後半は“コンボデッキの王”「スニークショー」戦です。前半「スゥルタイ豆の木」戦と、デッキリストはこちら↓

1戦目「スゥルタイ豆の木」戦のあと、参加者の間で対戦相手を入れ替えることになりまして。
ダイスでも振る~? と言ってみたあと、ちょっと考え直して、この方の「スニークショー」を指名、わざわざ対戦させてもらうことに。ワガママ、すまんね。

理由、1つ目。「スニークショー」は、レガシーでもっとも安定した強度を誇るコンボデッキだと個人的には考えます。上述の《実物提示教育》4枚に加えて、赤の《騙し討ち》4枚も贅沢に装備。

青いソーサリーの《実物提示教育》より
対処できる手だてが少なく
個人的にはこっちのほうが厄介な印象

何度、妨害しても豊富なパーツ量から次々と攻撃が繰り出され、一撃でも許せば、手札から飛び出してくる《引き裂かれし永劫、エムラクール》や《偉大なる統一者、アトラクサ》たち。要するに……

令和のアイドルゥ!

勝っても負けてもド派手で、記事にするとき、めっちゃ見映えします!!!

いやいや、まじめな理由もあって、だな。
1戦目、デッキの総合力を問われた「スゥルタイ豆の木」戦とは異なり、「スニークショー」戦はコンボ同士の一瞬の斬り合いが主題。生まれたての「青単ダークデプス」には、別角度のスパーリングパートナーとして最適です。

クロックパーミッション化が進んでいるが
「青単ダークデプス」も
「コンボ」デッキなんだぜ?

……その方を指名した理由、2つ目。
今回の「青単ダークデプス」の派生前、まだ開発したばかりの「青黒ダークデプス」で、僕はその方の「スニークショー」と戦ったことがあるからです。
《マリット・レイジ》と《エムラクール》。2柱の女神が向かい合い、戦闘フェイズに直接、激突するという貴重な光景を見られたので、ウキウキと記事にさせてもらったことを覚えています。

それはもう、1年近く前。当時、その方はまだ初心者で、僕が手にしているのは、奇しくもそのときのデッキの発展系。お互いが、同じだけれど、少しずつ違う。この条件で戦いの再現をしたら、どうなるか。純粋に興味があったのです。

そして1本目は、黒星。変な話ですが……嬉しくて笑いたくなりますね! ストレート敗けを避けるため、全力を以て、サイドボーディングといきましょうか。

2.「青単ダークデプス」というデッキについて。
前提として、このデッキは「コンボ」のわりには低速です。よーいドン、のスプリント勝負では、多くのライバルに遅れをとります。目の前の「スニークショー」が良い例ですね。絶対的な速さなら、あちらが2段階は上でしょう。
それなら、どうするのか。
足首をつかんで引きずり倒し、ゴールの瞬間にだけ、相対的な速度で上回れば良い。

まず、サイドアウトするカードは……《激しい叱責》4枚。《帳簿裂き》4枚。じつは《激しい叱責》は今日1番試したかったカードで、そのため、メインボードに4枚積んでいました。

超速の「ゴブリン」を仮想敵の
上位に考えていたからです
この1枚はターンをスキップさせる
「Time Wark」になり得るのか?
効果的だとしたら、どのタイミングで刺すと
もっとも減速させられるかを知りたかった

しかし、後ろ向きなカードでもあり、「スニークショー」相手には効果が限定的です。《帳簿裂き》も、1本目であまり役に立たなかったとおり、悠長に手札を回すゲームにはなりにくく、打撃力不足でプレッシャーをかけられないと判断しました。

土地枚数とソーサリーが多い「青黒」では
手札の入れ換えがめちゃ有能
しかし土地を絞りに絞って、打ち消し呪文優位の
「青単」では
使い勝手が微妙かなと思い始めています

《厚かましい借り手》は……「スニークショー」側に出されたら困る“アーティファクト”があるので、欲しい気もしますが……その役目は“打ち消されず”“対戦相手のターンでもコストが増えない”《天上都市、大田原》に任せてしまいましょうか。

青いデッキの隙間を埋める
便利カード
こちらは土地枠でバウンス効果が使える
青い「デプス」のために刷られたような1枚
起動型能力なので、妨害にも強すぎる

10枚を抜いてまで、入れ替えたいカードが?
しっかりあります。《狼狽の嵐》2枚。《否定の力》2枚。《水流破》2枚。《外科的摘出》2枚。《狡猾の宮廷》2枚。

もともと装備している《意志の力》や《呪文貫き》と合わせれば、各種の打ち消し呪文の数は、10枚。補助的な《もみ消し》、対赤の《水流破》を含めれば、16枚にもなります。しかも「青単ダークデプス」固有の特性によって、この打ち消し呪文群は、対コンボ戦において枚数以上の鉄壁。

「青単ダークデプス」(または、青黒ダークデプス)は、自分のコンボを守るために打ち消し呪文を消費する必要がまったくないからです。

対戦相手のコンボ成立を阻むことにだけ集中し、そのあいだに毎ターン土地を並べていくだけで、いずれ、必ず、《マリット・レイジ》降臨という終着点に辿り着ける。
これは文言以上に恐ろしい特性で、土地コンボである以上、対戦相手の打ち消し呪文や手札破壊は、完全無効。効くのはクリーチャー除去と土地破壊のみと……一般のコンボデッキに求めるのは酷な条件です。

それに、“デプスのわりに速くない”だの“コンボよりクロックパーミッションっぽい”などと、さんざん自分で言ってきましたが……「青単ダークデプス」は、けっして“遅いデッキ”などではありません。
キャントリップを使って自然に手札を集めていけば、4~5ターン目には時限爆弾=《マリット・レイジ》の目覚めです。そういうふうに作ってあります。

お疲れさまでした(女神)

コンボ戦には、構造レベルで有利。しかし理屈がそうでも、なかなか理想の通りにはいかないもの。たとえばサイドボーディング後の「スニークショー」には、こんな防御兵器が標準装備されるはず。

《防御の光網》。お互いのプレイヤーとも、自ターン以外に唱える呪文が③も重くなる、対話拒否系アーティファクト。こいつを出されたら、大量の打ち消し呪文を手札に抱えたまま、さっきの戦略は瓦解。よーいドン、デッキ本来の速度勝負に引き戻されて、一巻の終わりです。
実際は、この2マナアーティファクトを巡る、打ち消し呪文の攻守が焦点になりそうですね。

さて、2本目はこちらが先手。お相手、開幕に動く気配は無かったので、先にちょっかいをかけてみましょうか。《水蓮の花びら》のマナ加速から、秘匿兵器《狡猾の宮廷》を戦場に。

このデッキにとって大事な変速機
奇襲的に強襲をしかけるためにも
「青単デプス」はクリーチャー除去に弱いデッキ
そこで前回も猛威をふるった“これ”を採用しています
対処が難しい置物で
恐ろしいアドバンテージと
メインボードとは別角度のクロックを押しつけます

アップキープに、ガリガリガリ~っとライブラリー10枚を盛大に削り……「スニークショー」の《引き裂かれし永劫、エムラクール》が墓地に落ちたせいで、そのままあっさり修復されます。ちっ。謎能力め。

最後の4行で
なぜかライブラリーを治される
安易にリアニメイトされない用でしょうけど

しかしまぁ、「スニークショー」相手にライブラリーアウトは狙っていません。《狡猾の宮廷》を出した目的は、「統治者」を奪われる心配がない永久アドバンテージ源として。
《狡猾の宮廷》を唱えた直後のターンがもっとも危険なタイミングでしたが、賭けに勝ったようですね。お相手、なかなか動きません。こちらは《不毛の大地》で赤い土地を破壊しておき、突発的な《騙し討ち》を封じつつ……《定業》などのキャントリップで墓地を肥えさせて、7/7の《濁浪の執政》を戦場に。

《渦まく知識》《思案》《定業》の
御三家のなかで実はいちばん好きかも
カード操作が楽で
サブフィニッシャー
というには、この殺意の高さ
青はクリーチャーの色!

「青」のドラゴンが2発を殴って、ライフを瀬戸際に追い詰めたところでお相手は投了。「青単ダークデプス」が2本目を取り返します。「スニークショー」にあまり動きがなかったな、と思っていると、見せてくれた手札には《実物提示教育》と《騙し討ち》《グリセルブランド》など。

まだまだ現役やで!!!

おや? タイミングを変えながら、2セットは攻められそうな強さの手札なのに。そのかわり、コンボを守る呪文が弱く、《目くらまし》2枚しか無いせいで、攻め時を見つけられなかったのだそうです。

おぅ……僕は自分のプランのために、青1マナを構え続けてましたからね。そのあいだに、賞味期限、切れちゃったんやね。
しかし、後手番の「スニークショー」が《目くらまし》2枚を抱え落ちか。うっすらと察したことがあるのですが……いえ。サイドボーディングはもっともプレイングの個性が出る部分。テーブルのこちらから、何かを言う資格はありませんね。

前回……この方が本当に初心者だったとき、僕は能力が許す範囲で、「フェア」に戦えるように気を配ったつもりです。柄にもないことにね。間違っても“上から目線”にならないよう、始終、はらはらしていたことを思い出します。

今回は、対等なプレイヤー同士として、正々堂々と向き合う。そのほうが「フェア」だと考えます。まして手にしているのは、“コンボの王者”「スニークショー」。手加減は無礼で非礼。今度は、能力が許す全力で……“真っ二つ”にしてさしあげます。

3本目。お相手が先手で、《思案》《渦まく知識》とターンを経るごとに、手札に力を貯めていきます。しかし、それはこちらも同じこと。途中で放たれた《実物提示教育》には《意志の力》。これには……お相手は追いかけてきません、《実物提示教育》はそのまま打ち消されます。

このカードのために
「レガシー」
というところがある
デッキが安価じゃなくなっても、許して!

こちらの手番、土地を置くだけで、ターン終了。お相手は……すぐさま《騙し討ち》! なるほど、先ほどの《実物提示教育》は牽制で、この次撃のほうが本命ですね。

こちら、2枚目の《意志の力》で《騙し討ち》に応じます。お相手、こちらの《意志の力》に《紅蓮破》。こちら、再度《騙し討ち》に《呪文貫き》。

レガシーらしく、火花が散るような、軽量打ち消し呪文の応酬。お相手の最後の切り札は……《意志の力》! こちらの《呪文貫き》を打ち消しにかかり、意地でも《騙し討ち》を押し通そうとしてきます。

突然ですが、1つ、謝らないといけないことがあります。
その方が都合よく、この記事を見てくれているとは思いません(一応、記事にさせてね、と伝えてはあるけど)。しかし、この場を借りて、こっそり懺悔させてもらいます。僕は嘘をつきました。いや、嘘……というよりも、正確では無いことを言いました。

僕は試合のあとに、“たまたま、こうなっただけだよ”と言いました。“いいところで美味いところを引きすぎたから”だと。会ってから初めて、というくらいに悔しそうにしていたら、つい。ダメですね、本当に……。

そして、申し訳ありませんが……この撃ち合いは、僕の勝ちで終わりです。こちらの最後の手札2枚は、“3枚目”の《意志の力》と《もみ消し》なのだから。
気が遠くなる呪文戦は、「スニークショー」ではなく「青単ダークデプス」側の《意志の力》が《騙し討ち》を打ち消すことで、ついに決着。

もちろん《もみ消し》のほうで《騙し討ち》の起動を封じても負けはしなかったと思うのですが……そちらだとマナが足りなくなり、勝てもしないので。

余った2マナでぴったり、《演劇の舞台》を起動。直前においておいた“土地”……切り札《暗黒の深部》から、氷の女神《マリット・レイジ》を呼び覚まし、すかさず次のターンに20/20で攻撃。今回は2ー1で「青単ダークデプス」が「スニークショー」にマッチ勝利です。

「おつかれさまでした。」

3.お相手は《意志の力》を3枚も引かれるなんて、と悔しがっておられましたが、この場で種を明かします……たしかに“組み合わせ”が《意志の力》×3になったのは、偶然。
しかし実のところ……“たまたま”で、“引きが良すぎたから”というのは、嘘。正確ではありません。
僕にとっては《意志の力》3枚が、たとえ《否定の力》でも《狼狽の嵐》でも《水流破》でも、よほど種類に偏りがなければ、どんな組み合わせでも構わなかったからです。

最後の呪文戦の勝利は、偶然などではなく、「青単ダークデプス」の戦い方として最初から予定していたプランのとおり。
僕は決着のときまでに、「スニークショー」の2倍近くの枚数を装備した打ち消し呪文を、ただ貪欲にかき集めておくだけで良かった。その過程で《演劇の舞台》《暗黒の深部》を拾えれば、なおよし。

ふぅ。本当に、柄にもない。僕はただのネタデッキ屋で、なかなかプレイ機会さえ得られない、エアプ寸前の復帰勢にすぎません。
しかし、1つだけ。勝敗を分けたのは……自分のデッキに対する理解度の差。おそらく、それだけです。「青単ダークデプス」が「スニークショー」に優ったなどとは、僕はとうてい思わない。

その方の「スニークショー」は、主催者さんが彼を見込んで貸し与えたもので、ご本人が組み上げたものではありません。だれが使っても安定して強い。それが「スニークショー」。主催者さんが初心者だった彼に、そのデッキを託した気持ちは……よくわかる気がします。

その反面、自分で組んで、カードを集めたわけではないから、メインデッキ60枚+サイドボード15枚、75枚のデッキの端々まで、その採用の意図を把握するのが難しかったのでは、と感じたのです(本当に、すまん。偉そうなことを)。
それが2本目で、最後まで使えなかった《目くらまし》を見たときの直感。おそらくは……《防御の光網》をサイドインしていない。今回のような相手に有効な兵器、という発想に至っていない。

後手に回ったときの《目くらまし》は、強さが半減しやすいカードです。もちろん、使い方次第ではありますが……サイドアウトの候補になるカードだと思います。
はっきりいって「スニークショー」のほうがデッキとしてのパワーが上なのだから、小技に小技で応じるより、対話なんか拒否してデッキの強いところをガンガン押しつけたほうが、はるかに勝ちやすい……のではないでしょうか。そのための、専用武器こそが《防御の光網》なのですから。

それだから僕は初心者さんに、重ねて伝えたいのです。
どんなに拙くても安価でもいいから、75枚のカードをサイドボードの隅々まで、自分で選んで、考えて、デッキを組み上げてください。
何しろこのゲーム……そのほうがずっと面白いんですから。

日々、アホほどデッキを
作り続けている僕が言うから
間違いないはずです。安全です
(ニコッ)

その方とは、統率者戦をはさんだあと、帰宅までのわずかな時間で、リベンジマッチをしました。さっきの終わり方が悔しそうだったのもあって。《防御の光網》は僕に効きます、ありったけの枚数を突っ込んで! とだけ伝えて。

結果は、1本ずつ獲ったところで、時間切れ。勝負なし。これで「青単ダークデプス」の短いデビュー戦はおしまい。

対「スゥルタイ豆の木」✕○○
対「スニークショー」 ✕○○、○✕-

うむ。いろいろあったとはいえ、勝ち越し。初陣にしては上等でしょう。
新デッキ「青単ダークデプス」の実際の使用感や課題、今後の方向については、また日を改めて。それまでに……いったん、番外編へ。レガシーではなく、統率者戦の記事を優先するかもしれません。僕の統率者は《永遠神ケフネト》!!!

奇しくも
こちらのデッキも「青単」だ

統率者戦は不慣れすぎて、いつもと全然ちがう気苦労があり、上手く文章にまとめられる自信も無いのですが……。時間的に1戦だけだし。ま、それも込みで、遊びの一環です。初心者なりの悩みも含めて、新たに記事にできればと考えています。それでは、また。

1/24追記。統率者戦は、こちらへ↓

1/28追記。「青単ダークデプス」、デッキ内容の解説はこちらへ↓


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