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【MTG レガシー】 「青黒ダークデプス」の挑戦その3 戦闘編/対「食物連鎖」 【初心者、復帰勢に向けて】

1.前回の記事で、「青黒ダークデプス」の欠陥を補う「最後の鍵」として、《帳簿裂き》投入を思いついてから。

コンボの性質上、デッキ内の土地が多く
手札に溜まりやすいです
それを「謀議」で有効札と入れ替える
というアプローチ

サブフィニッシャーの一角としても期待が持てるクリーチャーで、胸が躍りました。ぜひ試したい。
しかし、このカードは割とお高く……急に4枚購入となれば、今月のMTG予算が超過します。うーむ……。初心者や復帰勢の方に「時間的にも金銭的にも、無理なくレガシーを楽しみましょう」と言うために記事を書いているのに、そういう無茶を自分に許してもエエんか? という葛藤が。今回の0戦目、「《帳簿裂き》購入戦」です。

心は初めから決まっていました。すぐに“買い”です。「勝敗を決めるのは、この一点」と急所を嗅ぎつけたのに、臆せずオールインできないようで、コンボデッキ使いの端くれを名乗れましょうか。
しかし、戦略的根拠もバックアップもなく、両手と雄叫びをあげてゴブリン的に突貫するだけでは、それはそれでコンボデッキ使いとして好ましくはないやり口です(時に、有効な手立てでもある)。

実は、局面を打開する切り札に気づいていました。このカードです。

《Dance of the Dead》。「アイスエイジ」に収録されたアンコモン。この時代のカードらしく、テキストが異様な長さと細かさですね……。
ごく簡単にいえば、墓地に落ちたクリーチャーをタップ状態で戦場に戻し、アップキープに2マナを支払えばアンタップできるようになるカード。死体を意志の無い人形として、黒マナで操るイメージでしょうか。
なんというか……カードショップのストレージで何十年も忘れられていた、地味なカードでした。最高に噛み合うこのカードが現れるまでは。

またこのアイドル!!?

《偉大なる統一者、アトラクサ》は「警戒」を持つので1度だけアンタップすれば戦闘力に大きな影響がなく、そもそも着地時に仕事の大半を終えており、《Dance of the Dead》はエンチャントなので2枚目以降を手札へ加えることもでき……。アンフェアデッキの新アイドル《アトラクサ》の影響で、とんでもないアッパーカットを描いて価格が跳ね上がったカードが《Dance of the Dead》です。

この古いカードが押し入れの奥で眠っているという復帰勢は、全国の「リアニメイト」使いのために、カードショップへ放流して軍資金に変えましょう。もしくは、自分で使って、各種「リアニメイト」でレガシー参入、しよう!

僕も大昔に購入した「アイスエイジ」で《Dance of the Dead》を引き当てていたことを思いだし、「青黒ダークデプス」改造の資金にするため、ストレージの奥の奥まで探索したのでした……。

ところが、無い。《リム=ドゥールの櫃》でライフ10点払って、ライブラリーを一巡させたのに目当てのカードが見つからず、顔面が蒼白を通り越して黒っぽいドス紫になった気分。

そら、最初から
「デッキに入れ忘れてた」ってことじゃろ!

かなしい。どこに旅立ったんだろ、《Dance of the Dead》。しかし、他に使う予定がなかったカードたちを売却したところ、何とか《帳簿裂き》と《濁浪の執政》分の資金に届きました。じゃあ、1勝! 全勝! 完成したデッキは、こう!

前回ご紹介した形と違うのは、《世界のるつぼ》の採用。1人回しで気づいた《帳簿裂き》の欠点を補えないかと、試しに入れたカードでした。元ネタの「Depth still」で採用されていて、このデッキにはちょっと重いと感じたので、ずっと外していたのですが。
さて、「帳簿裂き型」の真価を確かめにいきましょう。この75枚で対戦会に挑みます。

2.1戦目のお相手は「試作型」でさんざんに打ち負かされた「食物連鎖」。

念のために復習をすると、上の《食物連鎖》と、ゲームから追放された状態でも唱えられるクリーチャーとを組み合わせ、クリーチャー呪文にしか使えない有色無限マナを生み出し、あとはまあ……滅茶苦茶にしてくるデッキです。

前回対戦したときは
こういう

色は白青緑。《食物連鎖》の起動型能力はマナ能力なので、とにかく妨害しづらいのが特徴。「バントコントロール」とも構成が似ており、《剣を鍬に》《カラカス》などの「マリット・レイジ」が苦手とするカードを標準装備。守りに長けるだけなく、《自然の怒りのタイタン、ウーロ》など、豊富なクリーチャーによる積極的な攻めもしかけてくる難敵です。

コントロール御用達
どう対応されても損がなく
動き出せば、死あるのみ

1本目、こちらは後手ですが、手札に《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》《思考囲い》《吸血鬼の呪詛術士》、そして、《暗黒の深部》。完璧です。お相手の手札次第では、このまま3ターン目の勝ちまでまっすぐに走れる手札。
こちらは1ターン目に《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》からの《思考囲い》で前方確認。《意志の力》が無いことを確認、さらに手札の《剣を鍬に》を墓地へと叩き落とします。
これで返しの2ターン目、《沼》と化した《暗黒の深部》から《吸血鬼の呪詛術士》→「マリット・レイジ」降臨で、「ヘックスメイジ・デプス」完成。

黒い「デプス」系デッキ共通の、最強の動作です。「マリット・レイジ」攻撃までの2回のドローで、デッキに残った《剣を鍬に》を引かれなければ、こちらの勝ち。しかし……3ターン目の攻撃に合わせ、「マリット・レイジ」へと《剣を鍬に》。お見事。

その代わり、ライフが40点近くになったよ!

次撃を繰り出す前に、先に《食物連鎖》からの無限マナにまでたどり着かれ、1本目は取られます。
練習試合なので、メインボードのまま、2本目に。こちら先手で1マリガン。《思考囲い》で手札を確かめてから、しばし思考が固まります。……《フブルスプ》? なぜ、ここにキミが?

迷子すぎん?

あまりの怪しさに戸惑いましたが、最新型の《食物連鎖》ではよく装備されているカードみたいですね、知らなんだ。他は《意志の力》2枚、《夏の帳》と《明日の見張り》という様相です。前回の対戦時とは大きく設計が異なるのだな、といった印象。

さぁて……困りましたね! お相手の手札は速くなさそう。ところがマリガンの影響で、こちらの手札もすかすかの張りぼてです。《吸血鬼の呪詛術士》2枚と《水蓮の花びら》2枚という有り様。後引きの《帳簿裂き》に頑張ってもらい、何とか盤面を作っていきます。

さらに、墓地に貯まったキャントリップと手札破壊カードを3枚喰らい、《濁浪の執政》6/6! しかし、即座に《霊気の媒介者》で手札に戻され、再び繰り出した《濁浪の執政》は……4/4! 実質2マナの割に弱くはない……決して弱くないんだが、なんだか物足りないぞ!?

ザ・万能生物
《大クラゲ》もここまでの強さになったか

小サイズの《濁浪の執政》の主な役目はブロッカーでした。空戦で凌ぎつつ、《意志の力》をすり抜けられる《暗黒の深部》+《演劇の舞台》を探したのですが、そこまで手が届かず、「脱出」済みの《ウーロ》に押し負けて、2本目も負け。

3.ふぅ。メイン戦を2本とられてしまいましたが……不思議なほど、悲観はしていませんでした。前回のように、作りがぎこちなくて出力不足のデッキを綱渡りで御さないと勝てない、という感覚はなかったからです。初手に配られた7枚の力強さからして、まるで違います。マリガンも、まあ、するけど。

デッキ同士のパワーに大きな差は感じられない。それなら噛み合い次第で……勝てます。まして、サイド後ならば。
対「食物連鎖」でまっさきに入れたかったカードがこれです。

初出は「フォールン・エンパイア」
やたら、たくさんの絵柄が存在する「コモン」でした
パウパー禁止。当たり前~♪

以前の型なら「マリット・レイジ」にとって邪魔なカードをピンポイントで射抜くために、追加の手札破壊として《強迫》を用意していました。しかし、多角攻撃が可能な現在の「青黒ダークデプス」なら、話はまるで変わってきます。求めるのは、“質”よりも“量”。
《トーラックへの賛歌》は1枚で相手の手札2枚をもぎ取れる上に、たとえ土地でもお構い無しに落とせるので、動きを強制的に鈍らせる、古の凶悪カード。
コンボデッキにはなかなか積まれないカードですが、クリーチャーで攻める同色のデッキとして参考にした「デスシャドウ」では定番のサイドカードです。

後述しますが、いろいろ似ている気がします
設計も、弱点も

お相手がメインボードから《夏の帳》を積んでいることを先の戦いで確かめていたので、立っている緑マナには警戒が必要。とはいえ、《トーラックへの賛歌》がクリーンヒットすれば、そのまま勝敗に直結する差を作ることも可能。2枚を投入。

次に採用したいカードは《ダウスィーの虚空歩き》。

幾つかの役割を兼ねたカードです。まず墓地を追放できるので、《食物連鎖》と対をなすフィニッシャー、《自然の怒りのタイタン、ウーロ》を封殺可能。
手札破壊と相性がよく、いざというときは《意志の力》など相手の呪文を利用できる上に、2マナ3/2で、ほとんどブロックが不可能な「シャドー」持ちという性能そのものが重要です。《氷牙のコアトル》に邪魔されない、信頼度でデッキ内1位のアタッカーということですから。

空を塞ぐ高性能ブロッカー
既にさんざん、煮え湯を飲まされている

《ダウスィーの虚空歩き》は2枚を投入。それから《疫病を仕組むもの》2枚も投入。

これも《コアトル》に制空権を奪わせないためのカード。あの「蛇」をまとめて病み落とすことができれば、空戦で遅れをとる恐れはありません。
《疫病を仕組むもの》自体も接死アタッカーとして、攻めの頭数に加えられるのがポイント。初戦で確認した限り、《ウーロ》を除けば、こちらのクリーチャーのほうが平均的な攻撃力は上。その利点を活かし、可能な限りの物量をもって、圧していきます。
最後に、波状攻撃を寸断させないための《致命的な一押し》2枚も。

サイドインしたいカードは、以上の8枚。その代わりに抜きたいカードは、まず3マナのアーティファクトで重い上に、クリーチャーで攻める戦略への貢献度は低い《世界のるつぼ》2枚。速さよりも手札枚数を失うことを恐れて、《水蓮の花びら》2枚。それから《意志の力》4枚。以上の8枚。

本当に大丈夫???

「食物連鎖」戦で、絶対に消したい、と感じたカードは即死に直結する《食物連鎖》。しかし、コントロールデッキを思わせるほど堅牢で、攻防に使えるクリーチャーも多く……言い換えれば、キーカードに頼りきりのデッキではないからこそ、《食物連鎖》を専用サーチなどで無理に探す必要は薄い……先のゲームでの様子や速度からして、4枚積みでさえ無いのでは、と推察しました。

つまり、《食物連鎖》を早い手番に貼られる確率はそれほど高くない。今回はマナクリーチャーも見えなかったので、最速でも3ターン。それなら、6枚に増えた手札破壊でも充分に間に合う。《意志の力》のピッチコストによる枚数損のほうが惜しい、という判断です。
《狼狽の嵐》は当てどころが多くないカードですが、《夏の帳》の防壁を貫いて、《思考囲い》と《トーラックへの賛歌》を直撃させるために残します。

2人は
ライバル
(後出しが勝ちます)

《意志の力》を全て外すのは、やりすぎで、賭けでしょうか? 即座にコンボ突入できないよう、手札破壊で体勢を崩していくのが前提とはいえ、今引きの《食物連鎖》に対処できない瞬間が生まれるのは事実です。まあ、一応の保険は用意してあるのですが……。

まあ、運悪くダメだったときは……両目を閉じて、ホールドアップするだけです。

4.対「食物連鎖」サイドボーディング後、1本目。
こちらの先手で、2ターン目に《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》。黒マナ源2つから、《トーラックへの賛歌》。
お相手の応手は、しばし考えたあと……青いカード1枚を手札から追放して、ピッチコストでの《意志の力》。枚数では同じ2枚の損失でも、ランダムディスカードで引っかき回されるのを嫌った形です。
こちらとしては……悪くないトレードですね。次のターンに《吸血鬼の呪詛術士》+《暗黒の深部》。「ヘックスメイジ・デプス」が完成したので、お相手のターン終了時に……あえて、何もしません。次のターンから《吸血鬼の呪詛術士》で殴り始めます。

意外と頼りになる戦力で
実質、黒い《サリア》と言える(詭弁)
豊満であった。

先制攻撃を持つ《吸血鬼の呪詛術士》は《氷牙のコアトル》を一方的に討ち取ることができるので、この対戦に限れば、デッキ内で2位の信頼度を持つアタッカー。
そして彼女を生け贄に「マリット・レイジ」を呼び寄せることは考えません。開幕《トーラックへの賛歌》から、《意志の力》を使ってでも守りたかったカードとは何か。《食物連鎖》か、もしくは……。ずっと立っている白マナから、あるカードの気配が匂い立ちます。手札に守られているのは、おそらく……《剣を鍬に》。

それなら白マナと手札1枚を「マリット・レイジ」の存在感で縛りつつ、その隙に他のクリーチャーで殴っていきます。《呪詛術士》に続いて、《ダウスィーの虚空歩き》も戦場へ。これで打点は5。数ターンで殴り切れます。

次にお相手、《護衛募集員》。

デッキ内のほとんどのクリーチャーに
アクセス可能な「マスターキー」

タフネス2以下のクリーチャー・サーチには、こちらも《もみ消し》で応じ、効果を打ち消します。しかし、3マナのクリーチャーが着地したこと自体が、黄色信号。
《食物連鎖》は戦場にいるクリーチャーを火種に、爆発的なマナを生み出すカード。そろそろ、来ますね。引き続きクリーチャーで攻め立てつつ、青を含む4マナを構え、その時を待ちます。

まずお相手は、自分のターンに《夏の帳》。このターン、こちらの青と黒の呪文では、お相手の呪文を打ち消すことも、パーマネントを対象にとることもできなくなります。コンボ突入の露払いで、安全確認。死刑宣告に等しい《夏の帳》は……通します。

即座に、お相手は土地をフルタップ。《食物連鎖》が手札から現れ、戦場の《護衛募集員》を生け贄に4マナが生まれます。それを火種に、手札の《護衛募集員》が唱えられ……ここですね! 
こちらは《天上都市、大田原》を手札から捨てて、「魂力」。対象は《食物連鎖》。

《天上都市、大田原》の能力は呪文ではなく、青でもないので、打ち消し呪文が効かず、《夏の帳》の防壁をも意に介しません。無限マナコンボの始動前に、《食物連鎖》を手札へと戻してもらいます。いざというときの保険が役立ってくれました。
これでお相手が自由に使えるマナ残量は、無し。《食物連鎖》を戦場に出し直すことはできず……ずっと構えていたと思われる《剣を鍬に》を撃つことも叶いません。

ここでようやく、ターン終了時に《吸血鬼の呪詛術士》の能力起動。「マリット・レイジ」を安全に戦場へ呼び降ろし……返しのターンに攻撃で、決着です。

「おつかれさまでした」

かなり嬉しい勝利でした。前回の対戦会では大敗を喫した「食物連鎖」に対し、ようやくデッキの実力によって1本を奪えた、と感じたからです。前に勝てたのは、ラッキーパンチが当たったときだけだったので。

5.サイドボーディング後、2本目は後手。
こちらは早々に《帳簿裂き》が着地。手札を次々と入れ替えつつ、墓地を肥やしていきます。青と緑を構えられ、《氷牙のコアトル》が手札に透けて見えたので《帳簿裂き》で攻撃はしません。

いやまあ、《Tundra》と《Savannah》から先に並べられたので、まだ氷雪パーマネント数が足りず、《コアトル》に接死はついていないと試合の途中で気がつくんですけどね。

すごく氷雪っぽいイラストと名前なのに
不思議!

初心者さぁ……。2回くらいは安全に殴れたな……勿体なかった。そして、その甘さのツケが後半、ギリギリの局面で回ってきます。
あちらは《自然の怒りのタイタン、ウーロ》。自ら墓地に落ち、フレーバーどおり「死の国」に縛られたまま、虎視眈々と「脱出」コストが揃えられる時を待ちます。困ったのは《ウーロ》が動くと、いちいち、ついでのようにライフを得られること。20点を越えて、「マリット・レイジ」の一撃では勝てなくなります。

よし。《帳簿裂き》がかき集めた手札を見て、決めました。まず《思考囲い》。

黒の挨拶
やっぱり、いちばん便利

緑マナが待ち構えていることは承知していました。当然の自然現象のごとく、《夏の帳》で弾き返されます。
それなら、よし。《思考囲い》に虎の子の《夏の帳》を切ってくれるのなら、悪くありません。《帳簿裂き》はデッキ内の大半とも言える手札破壊呪文たちを一手に結集させる役目を果たしてくれました。《思考囲い》は手元にまだ2枚。そして本命は、さらに別のカードの直撃です。

《不毛の大地》で色マナ源を押さえつけていましたが、ついに《ウーロ》が墓地を喰らって、「脱出」。ライフ3点+1枚ドロー+土地1枚を手札から戦場に。いやはや、何度見ても、凄まじい効果ですね……さすがに現代を代表するパワーカードの一角です。
しかし、こちらも《ウーロ》より遥かに古く、今なら決して刷られない禁忌の呪文を手にしています。ターンをもらって……《トーラックへの賛歌》。

これには《意志の力》で応じられます。残念、直撃を避けられましたか……ただし、体勢を崩すことに成功したようです。それならば、今度こそ……“囮”の手札破壊ではなく、“本命”のカードを戦場に投下しましょう。
《濁浪の執政》。

「ステージ・デプス」をあらかじめ戦場に揃えておいたので、「マリット・レイジ」+《濁浪の執政》+《帳簿裂き》の3重攻撃による決着。これが本当の狙いです。

ただ……微妙なことになってきました。《ウーロ》による攻撃で、さらにライフを3点得られ、カードも引かれます。デッキ内で最強の3体のパワーを足しても、数字はきわどい……。
これは、しくじったか……? 序盤に《帳簿裂き》で少しでも殴っておけば。《濁浪の執政》のパワーをもう少しでも上げておけば。ほんの1枚、何かのまぎれがあれば、バランスが逆転し、一気に巻き返されるかもしれません。

内心では、血が凍るような思いを味わいつつ、総攻撃。お相手は対応して、《氷牙のコアトル》。

こちらはブロック指定前に、《致命的な一押し》。対象は《氷牙のコアトル》。さらなる応手は……無し。「マリット・レイジ」、《濁浪の執政》、《帳簿裂き》、3体の攻撃が直撃します。

お相手のライフは残り……ぴったり、0点。あっぶな……あまりに薄氷。1歩ごとにひび割れる薄さの、氷上の勝利を拾わせてもらいました。

あらためて
「おつかれさまでした」

6.そのあとも、まだ戦いますか? という提案をしてもらったのですが……となりの観戦もしたかったし、デッキの内容を聞かせてほしかったという理由もあって、「食物連鎖」との対戦はここまで。ありがとうございました。

この場を借りて、正直なところを申し上げると……最後の2戦は、こちらの視点だとカロリーが高い、しびれる内容でした。もう一戦、同じ展開を演じても、あれほどきれいに決めきれる自信はありません。かなりお腹いっぱいで、まことに卑怯で身勝手ながら……今日のところは、強敵に打ち勝ったという高揚感を守るため、勝ち逃げをさせていただこうかな、と考えた次第。

それに「食物連鎖」の変化に興味があったのも事実です。何しろ、「食物連鎖」の象徴ともいえる、上でも紹介したカードを1度も見なかったのですから。

こころよくデッキを開いて構成を見せていただき、驚きました。《霧虚ろのグリフィン》パッケージが完全に抜かれています。その代わりに、《護衛募集員》でサーチできるタフネス2以下のクリーチャーに統一されて、ずっと軽快な作りに。《食物連鎖》と組み合わせることで、無限マナコンボのエンジン(いや、燃料?)の役目を担うのは、このカード。

「ウェザーライト」時代からの名脇役
最近、“王”で“親”になった様子
ゲーム上でもストーリー上でも
ごく気軽に百万回死んでは生き返ります

なるほど、《不死身、スクイー》なら《護衛募集員》で探せるコンボパーツです。《歩行バリスタ》以外のフィニッシャーとして、下のカードたちが採用されているのもオシャレ。

「ANT」のアイドル
《エーヴ》くん、参上!
一方、「シミック連合」は
いつでも方向性に迷いすぎ

《前駆軟泥、エーヴ》は世にも珍しい「ストーム」を持つクリーチャー。《歩行バリスタ》と異なり、勝つために攻撃を挟む必要がある代わりに、仮に本体を打ち消しても、巨大なコピーがずらりと並んで手がつけられません。
《ハイドロイド混成体》も、ライフを得てドローする能力は「唱えたとき」に誘発するので、打ち消し呪文が効かず、無限マナコンボからライブラリーのほとんどを引ききることが可能。
それぞれ、妨害は至難の業。さらにどちらも《護衛募集員》で手札に加えられるタフネス2以下のクリーチャー。なんと……。よく練られたリストで、感心するほかありません。

「食物連鎖」は歴史あるデッキ。そんなデッキが固定観念を捨て去り、これほど大胆に変わることもできるのかと、目が覚める思いでした。刺激になる、素晴らしいリストを見せていただき、あらためて感謝を申し上げます。

感謝と喜びの「ジェスカイ道」!

さて。このまま記事を続けると、長すぎて読みにくい内容になるので、いったん、このあたりで。後半へ続きます。
この日のスコアに限れば「食物連鎖」とは2勝2敗。まあ、前回とのトータルではすんごい負け越しているのだけど。ともあれ互角に競り合えたので、「青黒ダークデプス」、何とか戦える形になってきたかな、と自信がついてきました。

次の……といっても別の用事があったので対戦会には遅れて参加したため、今回戦えたデッキはあと1つです。そのお相手も前回のデビュー戦で、「青黒ダークデプス」が敗れたデッキ……今、燃え盛るデッキの1つだと思います。「スニーク・ショー」。

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