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【MTG レガシー】 「青黒ダークデプス」の実験その2 対戦会編 【初心者、復帰勢に向けて】

まず始めに。「デプス」初心者まるだしな、心の叫びをお許しください。
「《カラカス》って、強ぇえええ!!!???」

いやー。ビックリしました。スペル中心のコンボデッキを使っているときは「ステキな風景ね」程度にしか思わなかったカードなのに。
今日のお相手は4人中3人が装備していて、伝説でありトークンでもある「マリット・レイジ」をカジュアル感覚で取り除かれます。なるほど……《不毛の大地》はやっぱり複数枚が欲しい、と。

「大地は約束を守る」

ともあれ、対戦会での勝負の内容をそれぞれ別々の記事にすると時間が必要になりすぎるので、今回は早足でハイライトだけを書き連ねたいと思います。デッキリストは前の記事で紹介したのと同じ形で、こう!

あえて《不毛の大地》を1枚挿しにした経緯はこちらの記事にて↓

1.対「スニーク・ショー」

対戦会より前に。
初心者の方が参加されており、ちょっと古い構成のままだった「スニーク・ショー」を調整されるというので、浮き浮きしながらお手伝いさせてもらうことに。
「晴れる屋」さんのデッキ検索の使い方を伝えつつ、「流行のカードをいれて、使用感を確かめてみましょうか。他のみなさんの許可をとって、プロキシで!」などと、メモ帳の切れはしに《あとらくさ》と書く作業をしていました。

アンフェア界の新アイドル

もしその方がこの記事を目にしていれば、この場を借りて謝ります。本当、スミマセン、変なテンションで。一連の記事のターゲット層とぴったり合う方だったので、つい。あと、「食物連鎖」相手にはやはり《兄弟仲の終焉》は必要だったと思います。適切なアドバイスもできず、スミマセン……しばらく土に埋まっていますから……。

そういうわけで、まずは新《アトラクサ》や《多元宇宙と共に》が搭載された最新鋭の「スニーク・ショー」と自分から激突しにいく形に。偉そうにしてしまいましたが、実はこちらも初心者。「青黒ダークデプス」の初陣です。

1戦目、土地を並べつつ、《思考囲い》から動きます。お相手の手札に見えたのは《渦まく知識》と《多元宇宙と共に》。

《全知》+《未来予知》

しばし迷って、《渦まく知識》を落としました。こちらの手札には打ち消し呪文が無し。ただし「ステージ・デプス」完成寸前。
次のターンに《実物提示教育》を素引き→その上でライブラリートップに有効なカードがいる、そんな細い糸を2本連続で引き当てられなければ、先に勝てる、と踏んだのです。
はい。見事に次のターン、《実物提示教育》を引かれましたぁ!!!

しぶしぶ基本土地を出す惨めさよ

そして《多元宇宙と共に》から唱えられたライブラリートップのカードが、さっき「あとらくさ」と雑なメモ書きをしたばかりの《偉大なる統一者、アトラクサ》! 10枚公開からめちゃくちゃされて、負け。とんでもねぇパワーカードだわ……仮に《思考囲い》で《多元宇宙と共に》を落としても、《渦まく知識》で《実物提示教育》と《アトラクサ》を揃えられて、結果は同じでしたか。無念。

2戦目は《血染めの月》を早い手番で置かれます。
その代わり、「スニーク・ショー」はコンボ達成までが遠そう。《血染めの月》の影響下で《山》と化した《演劇の舞台》《暗黒の深部》を並べ、4マナに届きます。《冠雪の島》も先に出していて、手札にはこういうときのための保険《天上都市、大田原》。

土地枠で、打ち消されないバウンスが撃てます
サイクルの《耐え抜くもの、母聖樹》ほどでは無くても便利

ターン終了時に《血染めの月》を手札に戻します。はじめはそのあとで「ステージ・デプス」を仕掛けるつもりでしたが、隣の席からご指摘をもらって、はたと気づきます。
《血染めの月》の下、《暗黒の深部》は《山》として戦場に出したので、氷カウンターが乗っていません。その状態で《月》が戦場を離れたら? 
氷の無い《暗黒の深部》、完成。女神「マリット・レイジ」、即時降臨です。

ターンをもらって、攻撃で勝利。人生初の「デプス」コンボに成功。判定は《血染めの月》による友情コンボです。特殊性癖すぎやしませんかい……。

《月》がきれいですよね

3戦目は……反省です。初手7枚に、土地は《演劇の舞台》と《暗黒の深部》だけ。他は2セットぶんの《意志の力》+青いカード。それから《闇の腹心》。
お相手が先手7枚キープだったこともあり、こちらも考えた末にキープ。
このままだと、土地から色マナを出せません。
しかし、こちらは1枚多くを引ける後手。1、2ターンは、先にコンボパーツ2枚の土地を並べつつ、「スニーク・ショー」の攻めには《意志の力》で対応。色が出る土地を1枚さえ引けば、《思案》か《闇の腹心》。そして「ステージ・デプス」に突入、という算段でした。
特急券の《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》を引けば、3ターン目のコンボ突入も視野に入ります。よし。……勝負に打って出ることにしました。

《暗黒の深部》から黒マナが出せるように
実際、便利

結果。
土地は土地でも《暗黒の深部》をさらに2枚、重ね引きしましたが???(憤怒)。

引き運が 氷の底に 沈んでる
(心の俳句。季題はアイスエイジ)

4ターンほど他の土地を引けず、色マナを一切使えずに、負け。そんな状態でも、《意志の力》で撃ち落とした《実物提示教育》に《外科的摘出》を当てるところまではガンバったのですが……。

デッキ内の色マナ源は、53枚中の18枚。3ターン目までに1枚も引けない確率はおよそ17.9%。
甘え、という程ではなくても、頼り切るには危険な数字だったかもしれません。下手な賭けに出るよりも、1度はマリガンをすれば良かった。キープ基準を明確にできていなかったことが毒になった形です。サイドボードも込みで、勝負にならないという印象ではなかったので、……惜しかった。デビュー戦、勝ちたかったですね。

・対「スニーク・ショー」1ー2

2.対「エスパー・ブレード」

その次はしばらく、初心者さんの「スニーク・ショー」と「食物連鎖」の対戦のあいだ、隣でわからないことを解説するサポート係……という名目の「ピクサーアニメに出てきそうな、よくしゃべる邪魔なマスコット役」を果たします。

そのあと、対戦会主催者さんの「エスパー・ブレード」と戦うことに。
デッキを作ったときはおぼろ気に、デビュー戦は「エスパー・ブレード」と戦うことになるのかな、と思っていました。実際は「スニーク・ショー」になったけど。
ありがたいことに対戦会のたびに誘ってもらえて、「エスパー・ブレード」との対戦経験だけは豊富になってきました。そして「青黒ダークデプス」にとっては、おあつらえ向きのスパーリングパートナーです。

「エスパー・ブレード」は中速のバランス型で、「デプス」に対処する方法も満遍なく装備しているので、お互いが実力を出しきる前にすれ違いで決着がつくことも少ないはず。安心して胸を借りましょう。

定番のこれとかさ

1戦目、早々に「ステージ・デプス」「ヘックスメイジ・デプス」両面からコンボ達成が見える状態に。ただし、戦場に《カラカス》。手札にも何らかの除去が透けて見えるので、隙を探ります。さいわいメイン戦の「エスパー・ブレード」はそれほどスペル戦に強くありません。護身用に《意志の力》4枚+αがある程度で。
青マナ1つを構えた状態で、「ヘックスメイジ・デプス」成功、戦場に「マリット・レイジ」出現。
お相手は《カラカス》起動←《もみ消し》。さらに《厚かましい借り手》によるバウンスを「マリット・レイジ」に←《意志の力》←お相手の《意志の力》←《謝った指図》。

打ち消し呪文の対象を
《誤った指図》自体にすることで
実質的に追加の打ち消し呪文に

さらなる対応は……無し。構築時点での構想通り、スペル戦を制して「マリット・レイジ」の攻撃を通し。1本目は勝利です。
最後の攻防は……ひりつく良い勝負でした。ただし、裏返せば「アーボーグ型ドゥームズデイ」で「ブレード」と対峙したときのような、「メイン1本目はまず獲れるだろう」という安心感はありません。難しい……そう感じました。

2本目は彼が主役。《闇の腹心》。

早期に着地し、どんどんカードを稼いでくれます。ライフもガリガリ削られますが。真っ先に除去されると思いましたが……なるほど。あからさまに「マリット・レイジ」が見えている状態だと、《闇の腹心》に除去を消費したくはなさそう。それがわかったのは収穫です。
問題はお相手も《敵対工作員》を着地させていること。土地サーチ用に採用した《探検の地図》がまるで役に立たず、《暗黒の深部》《演劇の舞台》に加え、《カラカス》を割るための《不毛の大地》まで揃えられません。

瞬速でさえ無ければ
《大田原》でターン終了時に戻して
自分のターンに必要なカードをサーチできたのですが

《もみ消し》で《カルドラの完成体》の細菌トークン出現こそ阻止。しかし時間がじりじりと過ぎ、ようやく攻撃体制が整ったとき、ライフは残り6点に。《闇の腹心》でめくれたカードが……マナ総量が5点の《意志の力》!!! よりによって!?

0マナにあらず

残り1点。返しのターンの打撃を防ぎきれません。投了です。攻め入るタイミングを最後までつかめなかったのは残念。それから、5マナの《意志の力》+《誤った指図》と、4マナでピッチコストも4点ライフ支払いの《殺し》とで、《闇の腹心》の「助言」が割りとチクチク言葉です。
この辺りでようやく、白い相手のときには白マナ源の数をカウントし、同時に撃てる《剣を鍬に》の回数を意識することを覚えました。「デプス」初心者、ようやく。

3本目。早々にお相手の《エーテル宣誓会の法学者》が着地。

エーテル先生

「ストーム」なら悶絶は必至。「Doomsday」でも減速を強いられるヘイトクリーチャーの一角。しかし「青黒ダークデプス」にはむしろ……。

こちらも早々に「ヘックスメイジ・デプス」完成。「マリット・レイジ」の出現です。お相手はソーサリータイミングで《虹色の終焉》。白い万能除去の代表格。

Xの値を変えることで、柔軟な運用が可能
X=1の《虚空の杯》を避けたり

そこに《意志の力》を当てます。《エーテル先生》が追加の呪文を封じている以上、あちらに《意志の力》を返す術は無し。そしてこちらにターンが帰ってきたあと、改めて《剣を鍬に》を撃たれる危険は……白マナ源がもう枯れているため、皆無です。
攻撃で勝利。薄氷ですが、なんとか1マッチを獲れました。ふぅ。

おつかれさまでした

・対「エスパー・ブレード」2ー1

3.対「土地単」

さて! ある意味で今日のメインイベントです。この対戦会には熟達の「土地単」使いさんが常連として参加していることを知っており、今日は無理をいって、特に対戦をお願いしました。
こういっては失礼ながら……よりスペル主体の速いコンボデッキを使っているときは、《意志の力》などの打ち消し呪文も手札破壊も持たない「土地単」は難攻不落というタイプのお相手ではありません(《ボジューカの沼》の存在を忘れて、うっかり自爆をさせられたことならある)。

しかし、今日は「デプス」。「青黒」の個性としてスペルを増量してあるとはいえ、やはり基盤は土地コンボです。「デプス」にとって「土地単」は難敵で、高い壁。そう言われます。それはなぜなのか。まず自分でぶつかって検証してみたいと思います。

1本目。マリガン。本当は速い手札が欲しかったのですが……無し。キャントリップが多い2回目でしぶしぶ、キープ。お相手はまず、《改良式鋳造所》。

マナが潤沢になって、飛行機械・トークンを量産され始めると、チャンプブロックの連続で、攻撃を通す余地が一切無くなります。こちらの勝機は短期決戦のみになりました。
ところがお相手はさらに《モックス・ダイアモンド》+《リシャーダの港》。減速を強いられ、貴重な時間がどんどん失われていきます。緑マナが無い隙に《思考囲い》によって《輪作》こそ落とせましたが、そのとなりに見えたのが《壌土からの生命》。

「土地単」に詳しくない僕でも知っているデッキの“エンジン”で“心臓”。「発掘」という「マジック」の歴史上、屈指の壊れメカニズムのせいで、何度も手札に戻っては、土地カードを無限に回収し始めます。打ち消し呪文や手札破壊で墓地に落とすと、むしろ真っ逆さまに不利に。
そのうえ《演劇の舞台》と《ウルザの物語》も戦場に並びました。これは……ちと、マズイかもしれん。

盛大にマズイよ!!!

この場では詳しい解説を省きますが……この2枚の土地を組み合わせると、延々と構築物・トークンを吐き出す“自壊しない”《ウルザの物語》というワケのわからん物体が生まれる、ということです。物量に圧殺されて、負け。

いやー……これは凄い。他のデッキを使う方は、この要塞と対峙してきたのか。良い体験をしました。が……本当にどうやって勝つの、これ???

今回のバージョンの「青黒ダークデプス」は、「引きすぎた土地をゲーム中に置ききれず、手札でだぶつく」という1人回しで見つけた課題に対処するため、特殊土地の枚数を正常動作するギリギリまで削り、土地の総数そのものを減らすというアプローチを試しています。《不毛の大地》も1枚だけにし、ここぞという場面では《探検の地図》でサーチする想定。

無色で土地のサーチが可能
ただ、このカードは問題アリでした。後述します

しかし、こういうマッチアップでは完全にその設計方針が弱点に変わります。《不毛の大地》なんて無限に欲しいもの。自分だけデッキに8枚くらいを入れたいわい。
ともあれ、サイドボードをひっくり返して総当たりにしないと、勝負の土俵にさえ立てません。《真髄の針》3枚投入。《外科的摘出》2枚投入。《仕組まれた爆薬》2枚投入。《残響する真実》2枚投入……。あまり本質的ではない対策カードまで入れているのは、メインボードに抜きたいカードが多すぎたせいです。かなしいぜ。
中でも最重要なのは《真髄の針》です。枠の都合で3枚しか積まなかったのがつくづく悔やまれる。8枚くらいは入れたいわい。

2本目。キャントリップ等のバランスは良いが、遅い手札。理想は「ヘックスメイジ・デプス」を最短で揃え、3ターンで倒し切ること。普通のデッキ相手ならやりますが、無理です。マリガン。2回目に配られた札は……やはり遅い。しかし、サイドインした《真髄の針》が2枚あります。キープ。

《針》を使って、まず《不毛の大地》を。次に、すでに戦場に見えていた《演劇の舞台》を指名しました。
自分もコンボに使えなくなるのでは?  と聞かれましたが……しかたがありません。あれが立っていると、一生、《暗黒の深部》を置けません。コピーされて氷の無い《深部》になられると、友情コンボ完成です。

相手の土地もコピーできちゃうので

こちらの《舞台》は最初から枚数を減らしてあるし、「デプス」が「土地単」より優位な点は《吸血鬼の呪詛術士》という特急券がデッキ内にいることでしょうから。

……この判断が正しかったのかは、今、考えてもわかりません。「土地単」戦では《針》で何を指名すべきだったのか。答え合わせが欲しい難問です。

結局、こちらの後続が続かず、《死者の原野》のゾンビ・トークンと《罰する火》にじりじりと圧され、負け。早々に《燃え柳の木立ち》+《罰する火》を揃えられ、《闇の腹心》が定着できなかったのも痛手でした。

ふぅ。これはしんどい。「土地単」使いさんのお言葉を借りれば「7:3くらいの差があるマッチアップだと思う」。
速い攻めのオプションが豊富な他の「デプス」でそれならば、より遅い「青黒」ではもっと大きな差があるでしょう。……いいですね、燃える相手です。ここまで全っ然、歯が立たないと感じたのは久々です。いずれ、このデッキでも勝てるよう、工夫を重ねてみたいところ。
まあ、研究の結果、「青黒では構造上、無理でしゅ」となる可能性も充分にあるけど!!!

・対「土地単」0ー2

4.対「食物連鎖」

いったん、他の方々が統率者戦に興じるのを観戦。というか、デッキを借りて参加した初心者さんのとなりにつき、解説とサポート係……という名のお邪魔マスコット復活です。本当に申し訳ない。

村を焼いてしまって……

最後のお相手は、「スニーク・ショー」との対決を横から観戦していた「食物連鎖」。名前しか知らなかった名デッキの登場に、さっきは内心、浮き浮きしていました。アイドルとの遭遇やん……。

簡単に解説をすると、緑の3エンチャント《食物連鎖》はクリーチャーをゲームから取り除くことで、そのマナ総量+1マナ(ただし、そのマナはクリーチャーを唱えることにしか使えない)を生み出せるエンチャント。このカードと、《霧虚ろのグリフィン》《永遠の災い魔》を組み合わせます。

彼らは追放領域からも唱えられるルール無視系クリーチャーたち。《食物連鎖》に捧げても、そのまま唱えられ、クリーチャーを唱えることにのみ使える有色無限マナの完成です。バグ技!
色は、白青緑のバントカラー。デッキ名とコンボ自体を知ってはいましたが、いささか問題が。勉強不足で、実際の構造が全くわからねぇ……(無知で無恥)。
「スニーク・ショー」さんの横でサポート兼マスコットとして観戦していたときも、1戦目はこのデッキ専用サーチカード《運命の操作》からコンボに走られたこともあり、「グリフィン」以外にも多くのクリーチャーを搭載し、積極的に並べてくると見切ることができなかったのですよね。

「食物連鎖」以外、絶対使わない系カード
これで《グリフィン》と《災い魔》を
追放領域、という名の第2の手札に送り込みます

「スニーク・ショー」の2本目でせっかく「《兄弟仲の終焉》、要るでしょうか」と言ってくれたのを「うーん、こちらのほうが足は速いので、過剰なサイドチェンジをせず、走り抜けたほうが良い気もします」などと答えてしまったのが、勝敗とは別の、この日最大の反省ポイントです!!! だって、《封じ込める僧侶》が最短で着地しちゃったんだから!!!

グハぁっっ……(となりの席で最大級の吐血。うわ言。そして、死)。本当にすみません。しょせんエアプ勢の浅さを露呈した瞬間でありました。あー、早く再会して謝りたい。というか、この記事、読んでてほしい。《兄弟仲の終焉》、要ります、要ります!!!

自分が直に対峙する側に回っても、知識不足というハンデは拭えません。1本目、《思考囲い》からゲームに入ります。落とせるカードはまず《貴族の教主》、《意志の力》(ただしブルーカウントが他には無し)、そして《剣を鍬に》2枚。悩みます。
こちらも速くない手札なので、減速してもらいたい、と感じました。《貴族の教主》を落とすことにします。見える唯一のクロックでもありますし。こちらの手札にいる《闇の腹心》を戦場に出せば、《剣を鍬に》も順次、釣り出していけるだろうと。

お互いのカード交換は成立。案の定、というべきか、当然、というべきか、結果としてゲームが長くなり、土地が横に延び始めます。そのころになって、自分はマズイ展開を選んだ、と気づきました。《食物連鎖》はバントコントロールにも構造が近く、長期戦はむしろ土俵。その上でクリーチャーによる圧をかけつつ、コンボも狙う多角的なデッキ。《食物連鎖》による早期決着だけを警戒すれば済むはずがありません。何よりマズイのが、記事の冒頭で叫んだ《カラカス》!

《演劇の舞台》と《暗黒の深部》を揃えましたが、こいつにずっと睨まれているせいで、身動きがとれません。《もみ消し》を構えた状態で、マナ食い虫の「ステージ・デプス」を決める余裕がなく、早く《不毛の大地》が欲しい……それなのに《探検の地図》を経由すると、またテンポが大きく削がれ、コンボ達成がどんどん後ろのターンにずれていきます。

結局、コンボを決めて「マリット・レイジ」を走らせるタイミングを見つけることができず、最後は1歩間に合わずに負け。2本目は《食物連鎖》や《カラカス》などを意識して《真髄の針》も投入しました。
(↑《食物連鎖》の効果が《針》で封じられないマナ能力だと気づいてない)

ところが2本目も同じように盤面を圧され、コンボ突入の機をつかめず、結局は敗北。中でも曲者が《時を解す者、テフェリー》。
このカード、「青黒ダークデプス」に刺さりすぎひん??? 最後の「マリット・レイジ」の攻撃を《氷牙のコアトル》のブロックで防がれたあと、ターンを返さざるを得ず、バウンス能力で「女神」消滅。非人道的な常在型能力のせいで、《もみ消し》を切るタイミングが無くなり、2枚も抱え落ち!

ヘイトスピーチ!
(前回、あんなにテフェリー推しだったはずが)

相性差が大きいと感じた「土地単」戦とは違い、純粋に力負けだと感じました。未完成のデッキも、プレイヤーの技量も。チャンスは……どこかにはあったのだと思います。しかし、最適なプレイングを試合中に見極めることはできませんでした。どこかで身を捨てて突っ込めば、攻め抜けるタイミングはあったのだろうか。うーむ。悔しい。難しい。

・対「食物連鎖」0ー2

そのあとで、対戦相手の方が「青黒ダークデプス」の構築に興味をもってくれたので、デッキを披露しつつ、ご意見をもらいます。
「引きすぎた土地を置けないため、デッキ内の土地総数を押さえ、必要なものだけをサーチ」という設計にも理解を示してくださり、その上でいただいた意見。それは僕自身が今日の戦いを通じ、ひしひしと感じていたポイントと、ほぼ一致していました。

このデッキには《探検の地図》が、重い。

設置に1マナ、起動に2マナ。最適な土地1枚を手に入れるために総計3マナも必要で、展開速度の足を引っ張られることに。
このテンポ損のせいで勝負をしかけるタイミングが大幅に遅れ、対戦相手にも迎え撃つための時間的、心理的余裕を与えてしまいます。そうなると残るのは、対策カードと打ち消し呪文の、分の悪い撃ち合い。もしくは、相手に先にゴールに辿り着かれて、敗北です。

《探検の地図》より、素直に《不毛の大地》が4枚欲しい。わぁ……1回転したあと、当たり前の結論に帰ってきてしもうた。
その場で細かな調整はできません。乱暴に3枚の《探検の地図》を同数3枚の《不毛の大地》に換装。ワガママを言って、もう一戦、調整のため「食物連鎖」に付き合ってもらうことに。ただし、デッキの動きを確かめるためにメインボードのままで。

1本目は負け。2本目は《不毛の大地》と《もみ消し》によって白マナが出る土地の枚数を限定し、行動回数を制限することで「マリット・レイジ」の攻撃を何とか押し通すことができました。ようやく、1本を奪取。少しだけ、安心です。

3本目、先手。初手に《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》+《吸血鬼の呪詛術士》+《暗黒の深部》が揃っています。
最速「ヘックスメイジ・デプス」が約束された手札。ただし、手札破壊、無し。打ち消し呪文、無し。残りは「フェッチランド」=《虹色の眺望》、《渦まく知識》など。
まず《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》をセット。このまま蛮勇でつっこめば、3ターンキル。しかし、このままでは行けないな、と考えました。「除去を持たれている」と、ほぼ確信に近い感覚があったからです。

そのため、プランはこうです。
2ターン目通常ドローで、デッキ内4枚の《意志の力》を引けば、それで良し。即座に《暗黒の深部》を置き、最速コンボへと突入します。(相手がクリーチャーを出せば、2枚の《誤った指図》も許容)
ただし、それ以外なら2ターン目には代わりに《虹色の眺望》から《島》を置き、《渦まく知識》。それによって《意志の力》《誤った指図》《思考囲い》《強迫》のいずれかを探します。そうして、3ターン目でのコンボ突入を目指すことにしました。
しかし、残念ながら、いずれも引けず。《渦まく知識》を経ても、拾えたのは《もみ消し》1枚だけ。

そのあいだに、お相手の《明日の見張り》が着地。

これも「食物連鎖」特有の生き物

続けて、《食物連鎖》の着地まで許してしまいます。ピンチ。しかし、まだ戦えるはず。こちらも《暗黒の深部》《演劇の舞台》を揃えました。《もみ消し》用の青マナを構えたまま、コンボ突入できるマナ量も確保。

《もみ消し》1枚でも、コンボの急所を的確に抑え込めれば……勝機はあるはず。
具体的には……戦場の生物をコストとして取り除く《食物連鎖》の起動型能力、無限マナコンボの初動を打ち消すことで、そのターンはマナ不足、動作不能に追い込めるのでは!?
(↑《もみ消し》の対象にできないマナ能力だと、まだ気づいてない)

そうして《もみ消し》を切るタイミングを待っていたのですが……お相手の手札から《イーオスのレインジャー長》。着地から《歩行バリスタ》をサーチ。

サーチ、兼、対呪文防御
信じがたい高性能クリーチャー
モダホラさァ

……こいつがいたら、もう《もみ消し》を使うタイミングがありません。諦めるしかないようです。致し方なく、行動を封じてくる起動型能力に《もみ消し》を当てますが……追加の妨害を1枚も引けていないのだから、無意味な抵抗に過ぎません。無限マナからの《歩行バリスタ》で、敗北。

安心の「カラデシュ」次元製
すごいんだ

ゲームが終わって、まっさきに聞いておきたかったことがあります。
「マリット・レイジを除去できるカードは持っていましたか?」
「ゲーム開始時から《剣を鍬に》を構えていました」
……やはり。安易に最速「ヘックスメイジ・デプス」に走らなかったこと自体は、判断が間違っていたというわけではなかったのです。しかし、狙った通りには引けなかったし、勝てなかった。それが事実です。対人ゲームを楽しむ以上は、敗けも受け入れる他ありません。

おつかれさまでした

・対「食物連鎖」再戦 1ー2

ところで……家に帰ったあとで気がついたことがあります。↑対「食物連鎖」での最後の局面、1つだけ細い道筋が残っていたことに、みなさんはお気づきだったでしょうか。

「なぜ《イーオスのレインジャー長》着地時の誘発型能力“1マナ以下クリーチャーのサーチ”に《もみ消し》を当てなかったの!!?」

《歩行バリスタ》のサーチさえ許さなければ、たとえクリーチャー限定の有色無限マナが発生したとしても、マナの注ぎ先が無かったかもしれない。手札と「秘匿」されたクリーチャーの全てを展開されるが、ターンは帰ってくるかもしれない。そうすれば……細くても、まだチャンスは残ったのです。

デッキの強度以前に、プレイヤーが先に諦めてしまったこと。それが敗因でしたか。もちろん、手札に追加の《レインジャー長》や《歩行バリスタ》があって、そのままあっさりと負けた可能性はあったとしても。

そして……なんて面白い、難しい魔法だろう

5.以上。この日の対戦は、こんなところでした。
使用デッキ「青黒ダークデプス」
・「スニーク・ショー」1ー2
・「エスパー・ブレード」2ー1
・「土地単」0ー2
・「食物連鎖」0ー2(1ー2)

自分なりに手探りで精一杯に戦い、結果、よく負けました。
デッキの感触、課題、具体的な改造案など色々と言いたいことはあるのですが、その全てをここに書き連ねると記事全体がひどい長さになります。また後日、別の記事としてまとめ直すつもり。
《水蓮の花びら》も少しは欲しかったよね、とか。やっぱり《誤った指図》まで採用したのはヤンチャ過ぎたよね……とか。

え?

完璧なタイミングで決まると、脳汁が天に沸きだす効能がある代わりに、そんなケースはめったに来ないし、能動的に使えないもんだから手札に延々と居座りがちになるんだよなぁ……。《意志の力》とあわせて手札の青いカードを食い過ぎるので、最重要な局面でのスペルの撃ち合いに弱くなるし。
ざんねん。もっと速さに振った、前のめりに駆け抜けていくタイプなら活かせたかもしれないのに。

ともあれ、記事の最後にひとつ、お詫びしなければならないことが。
「アーボーグ型ドゥームズデイ」のほうの練習試合はどこいったの!?

(デッキケースから静かな怒りを感じる)

「アーボーグ型ドゥームズデイ」のほうの更新を楽しみに待ってくださる方がいるとすれば、まことに申し訳なく思います……今回は現実問題として、「アーボーグ型」のほうまでデッキを回して知見を集めるという、時間的、脳力的な余裕は全くなかったのです。

タス……ケテ……

自分にとっては「最高の愛機」と胸を張って言い切れる「アーボーグ型ドゥームズデイ」を放っておいて、近ごろ「青黒ダークデプス」ばかりに構っていることにも、一定の理由と目的はあります。そのあたりの話も、またいずれ。

2つの「DD」

ともあれ、実際に2つを作ってみて、「アーボーグ型」はかなり素直な優等生タイプだったのだと、いまさら実感できました。「青黒ダークデプス」の方が構築もプレイングもずっと繊細で、はるかに手がかかるタイプ。まあ、しかたがない。実際に生まれたばかりで、オムツだって乳児用です。
「アーボーグ型」も忘れずに回して、いずれ3枚目の《シェオル》さまも買っておきましょう。なんだか、赤ん坊の世話にかかりきりで、長女のケアがおろそかになりがちな親みたいだな……。

最後になりましたが、対戦会の主催者さんに、感謝! 貴重な機会をありがとうございます。対戦してくれたみなさまにも。次にお会いできたときも楽しく遊んでやってください。それでは、また!

礼ッ!!!

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