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保護者の皆様へ

やっぴー。ざるそばです。
しばらく「ほんとに退職したんだなぁ」などと感慨にふけっておりました。

タイトルがアレなので叩かられるかもしれないですけども、ごめんね痛いの嫌だから叩かないで…。

わたしが教員やってるときにいちばんキツかったのはこれです。保護者対応。
こちらに非があるときには当然すぐに謝罪します。しました。なんなら教頭校長と一緒に菓子折り持って謝罪行脚です。
でもね、正直ね、ここ十数年くらいですごい……理不尽なことが増えたな、って思います。

先ずはですね。朝5時前から電話してこないでほしいのね…。これ、今は教員のプライベートナンバー周知してる学校なんてない(と思いたい)んですけども、わたしが初めて担任持ったときは「緊急連絡先」として担任のプライベートナンバー大公開🤗しちゃってたんですよね。
なにしてけつかる。
だから何かあったらすぐ電話が来ます。夜中でも早朝でも。出なきゃでないで後が面倒なので仕方なく出ます。そこから1時間コースなんてザラでした。
こっちから折り返すときもあって、担任やってた3年間、スマホの通話料金すごかったです。カエシテ……
もうね、LINEのお友達にも何人もいらっしゃいました。保護者の方が。「LINEはツムツムのためにインストールしてあるだけなので…」とかなんとか言って乗り切りましたけれども。

あと、ご存知ですかね。「特別指導」。これ、生徒指導上で何か問題を起こした生徒に対して行われる指導です。
よく「学校の処分」なんて言い方されるんですけど、学校には、生徒に対する「処分」はありません。あるのは「指導」です。
「退学処分」とかもよく聞くんですが、他県は知りませんけども、わたしが勤務していた県では「退学処分」になった生徒なんてみたことないです。「退学」は、ほぼ「自主退学」という形になっているはずです。

要するに「特別指導」ってなにかっていうと「謹慎」とかのアレです。「停学」なんて言い方もしますかね。でも今は「家庭謹慎」なはず。
すごくざっくり言うと「悪いことしちゃったんだから、何が悪かったのか、おうちでじっくり反省しましょうね」っていう感じです。保護者の方にも一緒に考えていただきます。

現在では「いじめ」と認知された案件について、説諭(お説教)では済まないと思われる場合にも、この家庭謹慎が行われます。

でもね、この「いじめ」ってね、今は教員にはものすごく見えづらい形で行われることがほとんどなんですね。LINEとかsnsとかsnsとか。

でね、学校側としては、聞き取りとか、スクショの収集とかを通して情報を集め、家庭謹慎という判断をくだすわけなんですけども。
でも学校の先生ってさ、刑事さんでも探偵さんでもないんだわ。指紋をとって…とかDNA鑑定…とか通話記録が…とかできないんですわ。
ってなると、話してくれる子を複数みつけて、確かな証言を取るしかできないわけなんですわ。

そうなってくるとですね。いろいろ、うん…。

いじめで家庭謹慎、となると、保護者の方に学校まで来ていただいて、事情を説明したうえで、指導を受けることに納得していただかなければなりません。

ただ、ご自身のお子さんが「いじめをした」とはっきり認めてくださる保護者の方って、実はかなり少ないんです。(※個人の体感です)
なかにはもちろん「うちの子がとんでもないことを…」とショックを受けられる保護者さんもいらっしゃいますし、お子さんとしっかり向き合ってご家庭でよく話し合い、今後について考えてくださる保護者の方もたくさんいらっしゃいます。

「おわーーー!!! いまそれ言っちゃダメー!!!!」ってなるのは「うちの子も悪いけど、相手にもいじめられる原因がある」って言っちゃう保護者の方とか。
「担任のこの態度が気に食わない」とか話をそらして無かったことにしようとする保護者の方とか。
あとはストレートに「うちの子はやってないと言っている」とかですかね。パッと思いつくのは。

「相手も悪い」というのは、「相手が悪いんだから自分たちは悪くない」という考えの裏返しです。でも「いじめをした」という事実は消えません。
担任に至らないことがあったならば、それは申し訳ありません。でも「いじめをしていた」という事実は消えません。
お子さんを信じたい気持ちはわかります。でも、子どもは嘘をつきます。
ここで、保護者の方がお子さんの「いじめ」をはっきり認識してくださらなければ、お子さんだって「なんだ、自分悪くないんじゃん」ってなっちゃいますよね。
そのあと謹慎なんてしても、意味なんてないんじゃないかと思います。

だから何が言いたいかといいますと、「保護者の方には『保護者』であってほしい」と、これに尽きます。お子さんに、ダメなときには「ダメ🙅‍♂️」って言っていただきたい。

ご自身のお考えもあるでしょうし、お子さんのいちばんの味方でありたいお気持ちもわかります。
でも、お子さんはまだ子どもなので、いちばん身近な大人として、ダメなときには「ダメ」と言ってあげてください。

よく「自分が学生時代ちゃんとしていなかったから、子どもにもそういうことは言えない」とおっしゃる親御さんもいらっしゃるのですが、それとこれとは別です。法律で禁止されていることはダメ、社会通念上許されないことはダメ、いじめはダメ、乱暴な言動はダメ、校則をやぶるのもダメ。

学校では、「ダメなことはダメ」と言います。だから、保護者の方にも「ダメなことはダメ」と言ってほしい。
保護者の方が高校生のときには許されていた(見逃されていた)ことでも、現在では許されなくなったことが、たくさんあります。
そこもご理解いただきたい。
お子さんは「現在」の高校生なんです。

ただ、お子さんが学校で理不尽な目に遭ったときには、迷わず学校に連絡してください。学校で話にならないのであれば、教育委員会に連絡してください。
たとえば、暴力をふるわれたとか、いじめにあっているとか、教員に人格否定されたとか、モラハラを受けたとか、体罰を受けたときです。
変な校則があるな、と思ったら、学校に問い合わせてみてください。もしくは、PTAの総会で話題に出してみてください。学校側がしっかり説明できないのであれば、それは「ブラック校則」というやつかもしれないので。

学校側に力不足や問題があることは否定しません。
そのときは、保護者の方が、お子さんのいちばんの味方になってあげてください。
でも、ダメなことはダメだと、ちゃんと教えてあげてください。
あと、自分がされたらブチ切れるような言動を教員に向けるのはやめてあげてください。


なんか真面目に語っちゃったな…。
まあこういう考えの元教員もいますよ、ということで。
保護者の方に「死ね!!」って言われたときは、さすがにめちゃくちゃビックリしましたね。


ところで、家庭謹慎の話をしたんですが、この謹慎については、核家族でご両親共働きのご家庭がめちゃくちゃ増えた今、ちょっと現実的でない面もあるので、これから色んな形に変わっていくのではないかなぁ。そうだといいなぁ。と思います。
家庭謹慎中は、どなたかおうちの方に日中ずっと生徒さんと過ごしていただく必要があるので。いまは「登校謹慎」なんていう形も増えてきたことですしね。
ただ、先生の手が足りないんですけども。



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