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SFアクションと言ってますが実際のところお仕事小説なんです(文学フリマ東京38作品紹介)

2024.5.19(sun)
文学フリマ東京38に出店します
これは「自らが文学と思うもの」を出品する同人誌イベントです。
私、久納一湖のteam hattariは当日 第二会場【くー38】 にいます。
この記事では作品紹介をしていきます。ぜひ読んでみてね。
今回は『虚構のプリクエル』の紹介です。

1.作者の思い

スティール・ライフが「現状打破短編集」ならこちらは「現状把握新章」という感じでしょうか。

短編集を経たweb本編からおよそ数か月後のメトロシティの話。今回メインの黒澤さんは、正体不明の相手と戦う事や自分の力量に悩んでいます

当初はコメディテイストにしようと思いましたが、彼の性格上そうはなりませんでした。しかしコミカル度は短編集より高いと思います。

そもそもなぜ今回は黒澤さんがメインなのかというと、社内で「係長職の板挟み」を見ていて、30代半ばの人たち大変そうだなと思ったからです。
その立場の人って「全部を平等に叶えてやることができない」葛藤の中にいるのだと思います。その塩梅を見極めるのが手腕なのでしょうが、黒澤さんは正にそのポイントで悩んでいます。黒澤さん自身もオートマタを相手にしてますが、攻撃の要となるポジション不在や資金繰りの厳しさ等、万全の環境とは言えない中にいます。

そこで、どのように自分の本領を発揮するか。自分に何ができるのか模索して案件に取り組んでいこうとします。SFアクションと銘打ってるシリーズですが、実際の所はお仕事小説なのです。なので彼がどんな判断をとるのか見守ってほしい。そんな一冊です。

2.あらすじ

メトロシティでオートマタ対応をしているガレージの黒澤は、チームの戦力不足に悩みながら仕事をしていた。ある時、物資の回収という簡単な仕事のためにオートマタの廃棄場に向かうが、そこで未知の脅威と相対することになる。元事務局員の琴平から派遣された強力助っ人とともに脅威を退き、物資を回収できるのか。そして未知の存在の正体とは。新たなる戦いが始まる。

3.みどころ

表題の黒澤さんのカッコよさは言わずもがなですので、ここでは短編書き下ろしの『職場に好きな人がいると仕事が捗るアレ』をおすすめします。
要するにガールズトークなのですが、作中の街や現状を知れたり、次回作の布石をサラっと残しており、気軽に世界観を楽しめる話です。
特にポイントなのが、キャラによるキャラ解説話として楽しめるところです。
女子目線で、伊野田、拓、黒澤についてのガールズトークが繰り広げられている
ので、関係性や距離感、過去の出来事などを簡単に知ることができます。戦いばかりの日常から少し離れたお話を楽しんでみてはいかがでしょうか。

4.さいごに

続編で現在執筆中の『虚構傀儡の女王』でも黒澤悩みが発揮されてますので、お見逃しなく。そして表紙は今回もハルサカ様で、右が黒澤さん、左が高見さんです。凸凹コンビの活躍を楽しんでくださいね。

本の詳細

『虚構のプリクエル』
収録
・虚構のプリクエル
・職場に好きな人がいると仕事が捗るアレ
・水溶性の鉄拳

SFアクション
文庫162ページ
2023/11 発行

ブース情報

team hattari
第二会場【くー38】

配置図貼っておきます

文学フリマの詳細は以下より。
※今年から入場料がかかります。前もってのチケット購入をおすすめします!
https://bunfree.net/event/tokyo38/

楽しみですね! 文学フリマ!

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