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バンコマイシン耐性腸球菌感染症VREのVanC遺伝子の感染対策は??

みなさんこんばんは。
シーチキンパスタ🍝の隠し味にゆずが入っていて暑い季節になかなか食欲のそそる味でした😋
どーもMittsuです。

本日は、VRE:バンコマイシン耐性腸球菌感染症についてお話ししていきます。

以前にもVREについては触れたことがあるので、詳しいことは下記の記事も参考にしていただけると幸いです。

今回お話しするのは、VREの型についてですが、実は数種類の型が存在し、vanA.B.C.Dなどがあるとされています。

この型の中でも、VREとして臨床上問題にされ、院内感染対策の対象となっているのはvanAまたはvanB遺伝子を保有する腸球菌であるとされています。

それぞれvanA・Bの遺伝子を持つ細菌は以下をご参照ください。

vanA
E. faecium
E. laecalis

プラスミドによる耐性の誘導あり

van B
E. faecium
E. faecalis
E. gallinarum

主に染色体に存在し、稀にプラスミドによる耐性の誘導あり

こちらの2つの遺伝子型については、環境や医療従事者の手を介して伝播する可能性が示唆されており、医療機関では厳重な接触予防策を徹底する必要があります。

また、伝播が拡大していないかのスクリーニング検査などアウトブレイクを未然に防ぐ対応も必要です。


一方、vanC型VREは今のところ、欧米でも重篤な感染症を引き起こしたとの報告は稀であり、また、健常者でも入念に検査した場合少なくとも数%から分離されると言われており、「常在菌」的性格も強く、院内感染対策の対象にはなっていないとされています。

それでも日本の感染症法では、vanC型のVREによる重症感染症の発生状況を正確に把握するため、血液や髄液など通常無菌的であるべき臨床材料からvanC型VREが分離された場合には報告が必要となっています。

ちなみに、vanC遺伝子を持つ細菌は3つの細菌であることもわかっています。

・E. gallinarum
・E. casselifiavus
・E. flavescens

vanA・Bについてはプラスミドによる伝播が懸念されるため感染対策としては厳重な対応必要とされていると話しましたが、このvanCについては染色体に遺伝子型を持っている理由から院内感染の伝播のリスクが低いとされている要因です。

さらには、国が求めている基準としても感受性結果MIC値が16以上の耐性を示したものとなっているため、いくら遺伝子を保有している細菌が検出されたとしても耐性の値や遺伝子型の確認が取れなければ発生届の対象となりません。

これらの遺伝子型は、病院で確認する方法があるかというとありません。

ですので、感受性結果で耐性のMIC値が満たされてなければ、発見する余地もないと言うことです。

しかし、

vanC遺伝子においては、感受性結果で耐性のMICの値が低い細菌も存在していることわかっており、見逃しをしている可能性もあると感じています。

最後に、他にも国内ではVCM(バンコマイシン)高度耐性のvanD型VREが報告された例や海外から報告されているvanE, vanG型のVREは臨床分離例もあります。

それらの臨床的な意義や動向は十分に把握されていないと言うのが現状です。

また、厚生労働省の調査結果から、海外から輸入されている鶏肉の一部からvanA 型VREに汚染されていたことが判明しているので、今後は無視できない問題となっています。

家畜の成長促進を促す抗菌薬として使用されているアボパルシンの使用制限や飼育環境の衛生上の改善なども必要な対策です。

今日は少しつっこんだ話となり、難しかったかなと思いますが、ここまでとします。
それではおやすMittsu💤

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