歌川広重展―摺の極み―(広重ブルー)
私は、8月のお盆明けに、大阪・
あべのハルカス美術館に
「(歌川)広重展―摺の極み―」を見に行きました。事前に、美術館に問い合わせると、今回は夏休みの期間と、葛飾北斎の人気もあり、
盛況で、観覧者が多いと聞いたので、お盆明けの平日を選びました。
当日は、曇りから雨の予報で、
人は少ない?かなと予想していたら、意外と観覧者が多くて、
少し驚きました。美術館のスタッフに、尋ねると、「今日は、少ない方です。最近は、平日でも観覧者がいっぱい❗です。ゆっくり見れると思いますよ。」とのこと。
今回は、330点全ての絵が、歌川広重の作品だったので、見ごたえがありました。江戸時代の末期、歌川広重は、葛飾北斎と並ぶ、浮世絵版画の世界に、風景画と花鳥画のジャンルを確立して、高い人気があります。国民的な浮世絵師です。
私は、博物館学芸員の資格取得のために、京都の美術館に
「円山応挙と伊藤若冲」の絵画展を見に行ったことがありました。
日本絵画で、レポートを書いて提出するという、課題のためでした。その時まで、西洋の絵画(モネやルノワールなど)は好きで見に行っていたが、日本絵画には、興味がありませんでした。
絵だけでなく、作者の人生や背景を調べたり、水墨画だけでない、
意外とカラフルな日本絵画を見て、初めて面白いなあと思いました。
広重は、最初は武士で、火消し同心でした。(今なら消防士さん)
だから、最初は、絵を書くことは、趣味?の範疇でしたが、次第に絵描きとして、やっていきたいと思うようになり、武士をやめて(火消しの仕事)絵1本で食べていく決意をします。
「広重ブルー」と言われる、
新しい顔料の「ベロ藍」を使い、紺青始めとする、いろんな美しい
青色(ブルー)を多くの浮世絵に使いました。 東海道53次、名所江戸百景、近江八景(琵琶湖など)、
木曽街道、京都名所、浪花名所(大阪)など、多くの名所絵を描きました。 実際に、広重が現地へ見に行って、書いたものが多いとのこと。
風景をそのまま書くだけでなく、
そこを行き来する人々の姿も書き込みました。江戸時代の庶民の、
姿が小さいけど、リアルで生き生きと描かれています。
私は、会場で大きな布のポスターにもなっていた、「両国花火(江戸百景」と、「亀戸天神(江戸百景)」、「箱根(東海道53次)」などが良いなと思い、ポストカードを買いました。
特に花火の浮世絵は、江戸の川(隅田川?)に大きな橋がかかり、
夜空に大きな花火が上がり、橋の上から多くの人が見上げている様子まで、書き込まれ、一瞬の花火の大きな丸い、美しい光❗が印象的でした。
箱根の絵は実際の景色とちがうようで、遠くに富士山が見える、箱根の登山道から、描かれていて、箱根の山を手前に大きく書いていました。(登山者には、箱根の山の険しさが伝わる?)
2つの絵も、青色と薄い緑色、他に花火のひかりは、朱色などが、
効果的に使われ、美しかったです。
私は、実は、絵を見るのは好きですが、絵を書くのは、苦手です。
なので、絵(美術)の専門的なことは、分かりません。 ただ、作者(
画家)の人となり(人生や背景)を調べることで、より目の前の絵が、
わかるなあと感じています。
広重や北斎の浮世絵は、西洋の絵画にも、大きな影響を及ぼしたとのこと。絵画は、東西の世界で繋がっているのだなあと、思いました。
広重展を見に行く前に、NHKで
「広重ぶるう」という、ドラマを見ました。(広重役が阿部サダヲさん) 江戸時代の、普通の武士だった、広重がいかにして、
国民的な浮世絵師になった過程が、詳しく描かれて、とても良かった❗️です。
広重は、何よりも絵と普通の人々(庶民)を愛した人だなあと、感じました。だから、多くの絵に、人の姿を書き込んだのだと。
(人の命を助けた、元火消しだから)
もう1つは、「空」です。
「(日本の)青い空」の色が、
「広重ブルー」だそうです。
ブルー(青色)が一番好きな私は、
とてもうれしく想いました。
秋には、あちこちでいろんな絵画展が開催されます。また、
機会があれば、行きたいなあと
思います。
最後に、夏から爽やかな秋に移る時に、人を大切に想える歌を。
君に見せたい 景色がある
僕の「好き」をどう思ってくれるかな
君にあげたい 全てがある
言い過ぎな 気もするけど
どこまでが ただ 愛と呼べんだろう
風に運ばれる度に
一人を知るんだろう
終わらせ方は 僕次第
泣けるエンドを
確かな メモリアル
心が 帰れる場所
愛しの 「ファミリーエ」
(Mrs. GREEN APPLE
🎵 familie)
(「familie」は、ドイツ語で
「家族」の意味 )