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非嘔吐過食と歩む25年・私のダイエット遍歴⑧(終)

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◆【現在】大切なことに気づき始める

前回までの流れだと「ダイエット、成功してるじゃん!いい感じ!」ってなところだが、実際はそう簡単にもいかない。

いかんせん、過食衝動が完全に消えたわけではないのだ。

2022年の秋は60〜61kg台で体重が推移していたが、その後11月から緊褌一番ダイエット企画第2弾である「#100日後に甘露寺蜜璃になる女」に取り組み始めた途端、急激に過食衝動が再燃し、3kgほどリバウンドすることになった。

自分が秋から太り始めることなど、すっかり忘れていた。…というか、秋冬に太るのは、自分の怠惰や意志の弱さのせいだと思っていたので、ダイエットに成功した今年はそんなもの気力で乗り越えられると信じていたのだ。

実際は、とても乗り越えられない。まさに「衝動」だった。自分では抑えられないのだ。
これは怠惰や意志の弱さのせいではない。
食べないようにしようと思っても、気づくとお菓子に手が伸びている。

騙し騙しひと月ほど頑張ってみたが、体重は増えるか横ばいで、キープするだけでも必死だった。

こうなるともう自分ではどうしようもなくて、いよいよプロの手を借りようと、オンライン栄養コンサルを受けることにした。

ちょうどこの辺の話↓

コンサルを受けている間は、自分でも不思議なくらい過食衝動が無くなった。しかも、ずっと敬遠していた夜のお米も食べられるようになった。

プロテインや鶏胸肉、サラダだけの質素な食卓ではなくて、工夫次第で色々食べられる。わたしは何十年ぶりに「食を楽しむ」ということを思い出した。コンサルは、本当に素晴らしい機会となった。

しかし、だ。
コンサルが終わって少し経つと、またしても過食衝動のようなものが湧き上がるようになってきた。喉から手が伸びてきそうである。

そこで開き直って「今日は暴食する!」と決めてあえて食べまくったのが今年の1月31日。

そこから急激に、いろんなリズムがガッタガタ崩れるようになった。

コンサル中は持ち前の優等生気質が発揮されていただけなのだろうか。それでたまたまうまくいってただけ??
いや、でもそこまで無理をしてたとは思わないな。実際すごく楽しかったし。
では、なぜこうなってしまうんだろう?
わたしはやっぱ、もう一生痩せられない体質なんだろうか…。

色々とうんうん唸りながら考えているうちに「もしかして、わたしの代謝はかなり落ちてるのでは…?」「そもそもの摂取カロリーが低すぎるのでは…?」「自覚できないレベルで、かなり疲れが溜まってるのでは…?」と、いろいろな可能性が見えてきた。

そんな中、もはや25年来の付き合いとなってしまった過食衝動と徹底して向き合うべく書き始めたのが、このnoteである。

やっと現在に追いついた!


◆noteを書いていて思ったこと・気付き


まず、読み返してみて思ったのが「なんやかやで、自分、超タフじゃね?」ということ。これが一番。

こうしてまとめてみても、割と波乱の人生だったと思う。でもなんだか、客観的に読み返していたら、「あらー!何度も立ち上がって偉いねー!」と素直に感心するばかりだった。

その時々でいつでも必死だったし、自分は自分のことをネガティブでペシミストだと信じて疑わなかったが、こうして振り返ってみると案外ポジティブ野郎なのかもしれないな。多分元々の性格として、意志が相当強いんだと思う。

次に思ったのが、「そもそも私は、痩せたいんじゃなくて、食べたいんじゃないか?」ということだった。
過去のわたしはいつも、過食しなければ生きていけないくらいに、心が憔悴していた。
「自分には価値がない」と感じた時、また「本意ではないことに取り組まざるを得ない」時に、その痛みを紛らわすために必死で食べている。食べて誤魔化している。本編にも繰り返し書いたが、「感覚を鈍らせろ」と呪文のように唱えながら、食べ物を詰め込んでいるのだ。

今回、文にまとめて、これまでの自分を完全に切り離して俯瞰した時に、浮かんできたのは以下のような言葉だった。

「こんなに頑張ってきたのに、もうこれ以上無理して痩せなくたって良いんだよ。太ってたって全然良いじゃん。元気で笑っていられるなら、それでいいんだよ。好きなものくらい食べてさ、もっとゆっくり過ごそうよ。

あなたがうまくいかなかったのは、太っているせいじゃない。自分にずっと無理ばかりしてきたから。ずっと背伸びして、自分をよく見せようとしていたから。ありのままの自分を愛せなかったから。

…と、いうよりも、ありのままの自分には愛される価値がないと、信じ込んで生きてきたから。それは環境やタイミングのせいであって、あなたのせいではないんだよ」

別れるつもりだった過食衝動と、和解することになる。

わたしが本当に欲しいものは「スリムな身体」ではなかった。

「わたしには価値がある」という絶対的な信念なのだった。

「スリムになれば自己肯定感が上がる→自己価値も感じられるだろう」という考えからダイエットに取り組んでいるだけであって、真の目的は「痩せる」ことではない。

要は、自分の体型を「悪くない!」と思えるなら、極端太っていても構わないんである。
当たり前のことだが、世の中、痩せてなくても素敵な人なんて、たくさんいる。
「痩せてなきゃ素敵じゃない!」という価値観の人ももちろんいるだろう。しかし、わたし自身はそういうタイプではない。

身近な人で言うと、わたしにはずっと憧れているママ友がいるが、彼女は実は全然痩せていない。むしろ産後にけっこうふっくらした。でもいつもおしゃれだし、おっとりした所作も綺麗だし、考え方も発言も素敵だし、ああいう大らかで優しくて可愛いお母さんになりたかったなっていつも憧れている。大好き。

つまり、素敵かどうかってことに体型は関係ない。今は洋服だって大きめサイズで可愛いものがたくさんあるし、着こなし方でいくらでもおしゃれはできる。
わたしは本当は、痩せたいんじゃなくて、素敵な人になりたいだけなのだ。それが、幼少期からのこじれた刷り込みで、「素敵=痩せていること」という認識になってしまっているだけで。

そんな簡単なことにずっと気付かず、いや、ひょっとすると無意識では気付いていたのかもしれないが、ずっと見て見ないふりをしていた。

わたしと長年連れ添った過食衝動は、それでも心と身体に鞭打って無理なダイエットを繰り返そうとしている私のことを、守ろうとしてくれていたのだと思う。

わたしの心と身体は、きっとずっと戦闘モードを続けているんだよね。本来は回復するためのエネルギーを欲してるし、傷も治りきっていないのに、無理を押して戦地に赴こうとしているような状態。

過食衝動は、そんなわたしに「お願い!ちゃんと休んでよ!!」と必死で縋りついているのだ。あぁ、健気だね。

「なぜいつも、わたしの気持ちは無視されるのか」「なぜいつも、わたしは蔑ろにされるのか」「なぜいつも、ぞんざいに扱われるのか」そう思い続けた人生だったが、わたしもまた、自身の過食衝動を無視し続けてきた。
向き合うことを避け、蔑ろにし、ぞんざいに扱いながら、ここまで過ごしてきた。
自分の声を一番無視しているのは、自分自身だったのだ。

世界は鏡なのかもしれない

絵描きの卵だった頃に、岩瀬敬吾さんの「くり返すは口ぐせと罪悪感」という歌をよく聴いていた。

わたしはその中にある「いてもいないと いなくていいと」という歌詞の部分がすごく好きで、その部分ばかりをいつも頭の中で何度もリフレインさせていた。「いてもいなくてもいいような存在」、それが自分だと思っていたから。自分のための歌だと思った。

けど、今振り返ってみれば、これはまるっとわたしの過食衝動の叫び。やつはずっと、わたしに訴えかけていたのである。

「わたしはここにいる。無視しないで」と。


◆総括〜これからどうするか〜

・まずは休んだ方が良い

おそらく、今のわたしはダイエットできる段階にはいない。過食が始まった中学時代にこのことに気付けばよかったのだが、気付くまでに25年かかってしまった。
本来休むべきだった時に無理をし続けたツケが貯まりまくっている。
今はとにかく「休め」と。
心身の回復が最優先である。

睡眠の質を整え、リラックスを心がける。無理して激しい運動をするのではなく、心地よく体を動かして整える。そして自然と健康的な食生活を送れるようにする。

まずやるべきことは、「痩せる」ことではなくて、「健康的な生活を取り戻すこと」だ。
その結果、もし痩せたとしたら、それは「その体重が適正な生活スタイルが整った」というだけであって、体重ってのは結果論でしかない。


・体重測定は月イチで良い

先程「体重は結果論」と書いたが、健康のためにやるべきことは「体重を減らすこと」ではなくて「脂肪を減らすこと」なのである。

極端な話、筋骨隆々で体脂肪率も低ければ、体重が70kgあったって良いわけでしょう。
体重が重くたって、着たい服を着こなせて、見た目が良いのであれば問題なしなのだ。

まぁ欲を言えば、健康のためにも少なくとも標準体重までは落としたいところだが、標準体重ってのもあくまで「統計的に最も健康的に生活できる数値」ってだけなんだから、人によって多少違ったっておかしくない。数字を当てにしてはいけない。

脂肪を減らすために出来ることといえば、カロリー収支でアンダーカロリーを作ることぐらいなのだ。翌朝の体重が増えていようが減っていようが、1日に減らせる脂肪はせいぜい30〜50g程度なのである。

つまり、翌朝仮に体脂肪が減ってたとしても、体重計には一切表れないわけで(現れたとしても0.05kg程度の話であって)。
だとしたら、日々の体重をモチベーションにするのは意味がないのでは?と思うようになった。

翌朝500g減ってても、ひょっとしたら水分が550g減って、脂肪は50g増えてるかもしれないよね。逆に500g増えてたとして、水分が550g増えて脂肪が50g減ったのかもしれない。

その内訳がわからないんだから、数値だけで一喜一憂することは、まるで無意味じゃないか。体組成計も、家庭用ではあてにはならない。むくみは、わざわざ測らなくても鏡見りゃ分かる。

体重を測らずに、無理のない範囲でのアンダーカロリーの食事を淡々と続けることが、一番確実な道だと思った次第である。
その食生活を続けても体重が減らないのであれば、それが自分にとっての標準体重だということなんだから、もう受け入れるしかない。

まずは元気になること。
その上で、「まだ痩せたい!」と思うのであれば、そこからまた作戦を立て直せば良い。

痩せるったって、体重が減らなくても、見た目が変われば良いんだからさ。



・サイズ測定と写真撮影も、月イチで良い 


昨夏からずっと、約10日おきに写真撮影とサイズ測定をしていて気付いたが、正直10日スパンだと大した変化はないのである。

生理周期の関係やむくみなどで10日前よりサイズが増えてるなんてことも当たり前にあるし、サイズは増えていても見た目や体感で確実に引き締まっているということは、何度もあった。しかも、そういった自分の身体で確実に感じる変化ほど、写真に写したところであんまり分からなかったりする。それでモチベーションが下がってしまうんじゃ本末転倒だ。
大事なのは他者の目線ではない。自分の快適さだ。

とは言え、サイズ測定と体型写真は、ボディメイクという側面において、体重よりも良い指標になると思う。さすがに1ヶ月の間隔であれば、比較的正確な増減を捉えられるのではないだろうか。


・セロトニンを増やすことを意識したい

これは確実な根拠があることではないが、いろいろな事象を併せて考えるに、どうもわたしにはセロトニンが足りていないようだ。

元々の体質的なところに加えて、何年も交感神経優位のような状態が続いたせいで、副腎もかなり疲労してるのだと思う。

とにかくリラックスしたくて甘いものばかり食べたくなるんじゃないかなぁ。糖分を摂ることで、手っ取り早くセロトニンを出して脳を麻痺させたいのだろう。

また、まとめ記事を書く以前から、自分が秋冬に5kg程太る傾向があることには気付いていたが、今回書いているうちに、本当に毎年毎年確実に同じサイクルを繰り返してるのだなぁと驚愕した。

ひょっとして、冬季うつがあるのではないだろうか?秋冬は日照時間が短くなるから、セロトニンの合成速度が落ちるという。結果、過眠や過食を引き起こすそうだ。

また、産後からPMSが悪化したこともあり、現在PMDDの治療を受けている。生理周期に合わせて、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)を服用しているが、今のところ目に見えて効果が表れている感じはない。

PMDDの治療については今後も試行錯誤するとして、いずれにしても、セロトニンが増えればあらゆる症状が軽快するのではないかと考えている。

今はとにかく、副腎疲労と冬季うつを改善することが最優先事項である。そのためにも、休養すること、セロトニンを増やすための行動を意識することが大切かと思う。


・カロリーだけではなくて、エネルギー代謝のための栄養を満たす


わたしはとにかく、目覚めと共に甘いものが食べたい。午前中にゆっくり色々大量に食べたくなるけど時間的に厳しいため、結果的に早めのお昼ご飯+そこからダラダラお菓子を食べ続けるパターンが多い。

コンサル中は、この食欲がピタリと治まった。これは、朝からしっかり食べたから、そして前日の夜もしっかり食べたからに他ならない。
しかも、何も考えなくてもあすけんで毎日100点が取れるくらい、栄養バランスが良かった。

無駄食いしたくないなら、朝も昼も夜もしっかりお腹いっぱい主食を食べた方が良いし、お腹を膨らませるために汁物や野菜、食物繊維も取り入れた方が良い。とにかく満腹感を得られるものは何でも使っていく。

食べ足りなければおからシフォンでもサイリウムわらび餅でも、なんでも足していけば良いのだ。脂肪と果糖の塊であるお菓子を食べるより、よっぽど身体には良いだろう。

エネルギーの素になるカロリーが入ってきても、エネルギーを作るための栄養素(ビタミンBや鉄など)が足りなければ、どうしようもない。栄養素を意識して献立を組んでいこう。

基本は食材から栄養素を取れるように意識するが、気休め程度だとしてもサプリは取っていきたい。ビタミンCと、マルチビタミン&ミネラルとPMS対策サプリだけは、毎日しっかり飲んでみる。

それと、疲労回復にはタンパク質も大事なので、毎食しっかりタンパク質を摂る。特に朝のタンパク質はセロトニン産生にも有益らしいので、朝にプロテイン1杯足してみるのも良いかもな。


◆おわりに

…こんな感じで、今までとは違う観点からのアプローチが必要だと思っている。
ダイエットについて8回の投稿にわたり考えているうちに、最終的には「ダイエットを手放すべし」というゴールにたどり着いた。

それが結果的に、ダイエットに繋がるのではないかと、そう感じている。

とりあえず、今は一応120日ダイエット企画の真っ最中で、最終日は3/30ということになっている。その日に体重とサイズ測定・写真撮影はする予定だが、それまでやることは「ダイエット」ではなくて「生活を整えること」だ。

結果、スタート時よりも体重は増えるかもしれない。だけど、もしも今より元気になっていれば、それは大成功だと思う。

遅ればせながら2023年の目標は「しっかり休んで、元気な自分に戻ること」。
これでいこうと思います。

さて、長くなりましたが、これにて「非嘔吐過食と歩む25年・わたしのダイエット遍歴」を終えたいと思います。

脱稿!

わー、駆け足で頑張った!!
すごく疲れたー!!!

とにかく連日の執筆で寝不足です。
唐突な締めとなりますが、寝ます!
おやすみなさーい!

ここまで読んでくださった皆さま、「スキ」をくれた皆さま、本当にありがとうございました!


〈完〉

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